2018/07/22 のログ
ご案内:「王都マグメール/中庭」にゲイゼリクさんが現れました。
■ゲイゼリク > 夜の帳も下りて、表向きには静かな装いを見せる王城…の、中庭の一角で。
やっとこさ書類整理やら他師団との打ち合わせやら組織単位の交渉やら貴族のご機嫌取りやら。
色々と片付けたはいいが、それが連日ともなれば流石に肉体的にも精神的にも疲れる。
幾ら”中身”がアレとはいえ肉体は正真正銘人間なのだから、そういう疲れは拭えない。
(…これが心地よい疲労感、だったらまだマシなんだろうけどねぇ)
実際はしんどいだけだ。特に貴族のご機嫌取りとか正直部下や他の師団に放り投げたい。
…が、そうもいかないのが辛い所だ。便利屋師団と認識されてるのも拍車を掛けているのだろうが。
「はぁ~…休暇とか取れないもんかねぇ」
中庭のベンチの一つに腰を落ち着けつつ、ボヤくように口にしてボケーッと空を見上げる。
■ゲイゼリク > (まー休暇取れる余裕がそんな無いのが現状だしねぇ…さてさて、どうしたら時間を取れるもんだかなぁ)
ただでさえ、全師団でもトップクラスに団員が少ない第六師団だ。人材難は課題でもあり。
その分、一人ひとりは何でもこなせるようになっているがそれも限度がある。
そもそも、負担が大き過ぎて部下に満足に休暇も取れさせていない気がする。
「…まー俺が踏ん張れば、そこは何とかなりそうだけど…ねぇ。」
別に彼は王国そのものに愛着も忠誠も興味も無い。本来のゲイゼリクの遺言と契約に従っているだけ。
だが、知人友人はそこそこ居るし、そういう意味ではまだ斜陽のこの国を離れ難くもあり。
「…ま、”その時”が来るまではこっち側に居るとしますかね…。」
”俯瞰”視点。人も魔も区別せず同一視もせず。ありのままに眺めるだけの傍観者。
…と、気取っていても実際はまぁ単なる怠け者なだけかもしれないが。
「身近に女っ気もあんまり無いしねぇ…うん、言ってて悲しくなってきますなぁ」
と、苦笑じみた表情をノンビリと浮かべて。口が寂しいので懐から葉巻を取り出して口に咥える。
■ゲイゼリク > 「…んーー…。」
フと、何となく魔術を使用してみようと念じてみる。イメージはシンプルに葉巻の先端への点火。
…が、幾らとある美女のお姉さん魔族に魔力炉を貸与されたとはいえ、この状態では使えない。
(…やーっぱり魔王化が前提、なのかねぇ。魔王■■■■は使えど人間ゲイゼリクには使えず、かぁ)
龍や竜と繋がる特殊な血筋のせいなのか、”この体”は魔力というものが元々ゼロだ。
その分を他の様々なモノで補ってはいるが――…どのみち魔術が使えないというのは割と知られている事で。
『――否、”我”の性質が反映されていると見るべきか――』
「…おっと、いかんいかん。やっぱり疲れてるのかねぇ」
葉巻を咥えたまま周囲を探る。…うん、気が抜けて”中身”がちょっと出てた。変な意味ではない。
別に必死で隠す程でもないがさりとて気楽に表に出したい訳でもない。ただでさえ一応は師団長の一人なのだ。
(…ま、俺の”中身”が別人と知れたら面倒だし…何より本物のゲイゼリクとの契約(やくそく)が守れなくなるからねぇ)
■ゲイゼリク > 結局、魔術はこの人間の状態のままでは今の段階では使えないと再確認した。
仕方ないので懐から小さな赤い魔石を取り出す。初歩的な発火魔術が込められた点火用の物だ。
それで葉巻の先端に点火すれば、魔石を懐に戻しつつゆっくりと紫煙を吐き出して。
「……もっかい魔族の国にお忍びで行ってみるかなぁ」
通常なら困難極まるが、そこは魔王化の能力を使えばクリア出来る…むしろ一度それであちらの国を見物した。
個人的にあちらの国のお茶が美味しかったので、今度こそお茶の葉を手に入れたいものだが。
(…まぁ、他の魔族さんとかをあまり刺激しないようにせんとねぇ)
そこは弁えているし、そもそも彼ら・彼女らのテリトリーや生活を脅かす気は全然無い。
が、同時に彼ら・彼女らと交流を深めてみたいと個人的には思っている。元々種族の壁や差別意識とは無縁なのだ。
「…お茶だけじゃなくて、美味しい料理とかもあるかもしれないしねぇ」
とか考えていると腹が減ってくるので程々にしておこう。紫煙を燻らせつつ、軽く凝った肩や腕を解すように動かして。
■ゲイゼリク > 「…ん、ちょいと仮眠取りますかねぇ。」
呟いて、短くなった葉巻を吸殻入れへと放り込んで。欠伸を噛み殺しつつ立ち上がる。
そのまま、周囲を一瞥してからゆるゆるとした足取りで一人王城へと戻っていくのであった。
ご案内:「王都マグメール/中庭」からゲイゼリクさんが去りました。