2017/12/11 のログ
セラ > 権力の中枢はそのまま人間の闇の中心。
王城の内部へとするりと潜り込んで、内部の人間のように当たり前の顔で通路を歩いているうちに地下へと降りて、そこに漂う空気に混じる気配にしみじみと感じ入りながら、のんびりと歩みを進める。
散歩のように軽い足取りで地下を歩き、遠く聞こえる微かな嬌声に耳を傾ける。

「反響のせいか、いまいち位置が掴めないな」

侵入者対策か、迷宮のように迷いやすい構造が声は聞こえども現場が分からずという状況を生み出していた。
複数の声と気配を感じとれるから、何やらいかがわしい集まりがどこぞでやってるらしいのは分かるのだが、現場は何処だと首を傾げつつ、探検とも観光ともつかぬ気分で忍び込んだ王城の地下をてくてくと。

セラ > 通路のつながりが分からずに、あちらにうろうろ。こちらにうろうろと、道に迷いながら彷徨い歩いているうちについには怪しげな宴の現場とおぼしき部屋の前へと辿り着き。

「ふむ、どれどれ……」

こそこそとするから怪しまれるのだと、堂々と扉を開けて室内に踏み込む。
眺め渡した室内にはそれなりの身分なのだろう身なりの良い男女が談笑している、パーティ会場のような風景。
しかし、怪しげな香が炊き込められた室内には、香の匂いに覆い隠されてはいるものの男女の交わりの淫臭がしっかりと漂い。
隠す気もないのか、目線を滑らせれば事の真っ最中の姿がいくつも目に入る。
貞淑がどうとかという道徳を投げ捨てた快楽の宴の現場に、なるほどなと頷き。やはり、ここは腐ってるなと眺める。
そうして、会場の空気を愉しみながら交わされる会話に耳を傾け、上層階級の者たちの情報を拾ったり。会場の客たちのために用意された飲食物を味わったりしながら、しばらく会場をうろつき。
誘いの手がしつこくなる前に、それなりの満足感を抱えてそっと室内を辞し。

ご案内:「王都マグメール 王城2」からセラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/庭園」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (己がたまたま、真面目に王国の将来を憂える人々との繋がりを持たないだけなのか。
それはわからないけれど、とにかく己の知る王侯貴族ときたら、
日ごと夜ごと、浴びるように酒を飲み、美食を貪り、ついでとばかり荒淫に耽る、
そんな連中ばかりだ、と思う。

今宵も、城の某所でおこなわれていた宴に連れ出された己ではあるが、
はじめこそまっとうな舞踏会と見えたソレが、次第に怪しげな気配となり―――
幾人かの貴婦人だか令嬢だかが壁に押しつけられ、ドレスの裾を大きく捲られたあたりで、
慌てて誰かの外套を引っ掴んで逃げ出した。

吐く息も白く、守るもののない頬や耳朶が凍りつきそうなほど寒いけれど、
妙な香りもなく、下卑た笑い声や淫らな蜜音も聞こえない庭園は、
ただ、青く美しく心地良い。)

………は、ぁ………。

(両手で外套の前を掻き合わせつつ、虚空に白い呼気を散らす。
瞬く睫毛の先さえ、かちこちになってしまいそうな気温だけれど、
――――おかしな宴に巻きこまれるよりは、一人のほうが気楽だと思えた。)

リュシー > (漂うような足取りで、庭園をふらふらと。
――――いずれはもと居た場所へ戻らなくてはならないけれど、
それはきっと、もう少し先の話。

ふわふわと、ゆらゆらと―――――遠目には亡霊のようですらあるかもしれず、
後日、季節外れの怪談のネタにされたとか、されなかった、とか。)

ご案内:「王都マグメール 王城/庭園」からリュシーさんが去りました。