2017/08/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にグリセルダさんが現れました。
グリセルダ > ―――――もう限界だ、と呟くのは、一体何度目になるだろう。

玉座を夢見るには些か税酌に過ぎる、とは言え、己も誇り高い王族の出である。
其れが一体いつから此の様な、こそ泥めいた真似をする様になったのか。

つい先刻、夫ともう一人―――あろうことか己の、血の繋がった兄とが、
寄り添いながら消えて行った寝室の扉を前にして、
己は暫し呆然と、けれど我に返れば屈辱に肌が粟立ち―――そして今は、
虚しさに全身の力が奪い去られて行くのを感じていた。

己は一体、夫を愛しているのだろうか。
夫にとって己は、一体、どの程度の存在なのだろうか。
考えたくない、考えてはならない、押し込めようとすればするほど、
ぐるぐると思考の迷路に嵌まり込む悪循環。
強い眩暈を憶えて片手で額を押さえ俯くと、
数歩、後退って寝室の扉とは反対側の壁に背中を預け、
震える吐息をそっと、己が胸元へ散らした。

ご案内:「王都マグメール 王城」にカルニーツォさんが現れました。
カルニーツォ > 「さて、目当てのものも手に入れましたし、そろそろお暇しましょうか...」

書斎で文箱や机の引出を漁り、一通の書状を見つけた男は、月明かりで中身を確認すると微かに口元に笑みを浮かべる。もう一度折りたたみ、懐に書状をしまうと音も鳴く扉を開け、廊下に出るとそのまま真っ直ぐに進んでいく。

「ッ!」

人の気配を感じると柱の陰に隠れ様子を伺う。向こう側から二人の男が連れ立ってやってくるが、すぐに部屋の中へと消えていく。ホッとするのもつかの間、その跡をつけてくるかのように一人の女が近づいてくる。
女は男たちが消えた扉をしばし見つめていたかと思うと後ずさり、壁に身を預けて物憂げに佇んでいる。

その様子を見ているうちに男のいつものいたずら心がわき上がってくる。懐から小さな香炉を取り出すと、口の中で小さく呪文を唱える。香炉の中の香に火がつくと甘い匂いの薄紫の煙が立ち上ってくる。さらに小さく呪文を唱えるとその煙はまるで蛇のように女へと近づいていき、足下から身体に巻き付くように女の周囲を包んでいく。

香炉から立ち上る煙には軽い幻覚と催眠効果がある。そろそろ効き目が出た頃かと静かに音も立てずに女に近づいていく。そして女のすぐ横に立つとスッと薄い革製の手袋を付けた手を伸ばし、女の口を押さえる。

「お静かに...夜中にこのような場所にお一人でいるというのは少々不用心では?」

耳元に囁きかけると、女の喉元に冷たい金属を押し当てる。

「少しお話しでもいかがですか、お嬢さん?あちらの部屋にご同行いただけますか?」

そのまま男たちが入っていった隣の部屋へ行くことを促す。

グリセルダ > 王家の居城は昼夜を問わず、権謀術数の渦巻く美しき魔境。

其れを知っていた筈なのに、周囲に気を配っていなかったのは、
たった今、目の前で寝室へ消えた二人の姿に、酷くショックを受けていたからか。
其れとも、男が余程巧みに自らの気配を隠し果せたからなのか。

何れにせよ、己はゆらゆらと足許へ漂い来る、薄紫の煙に気づかない。
鼻腔を擽る甘い香りに、微かな違和感を覚える間も無く―――
男の術中に落ちていることも気づかず、其の瞬間を迎えた。

「―――――っ、っ………!?」

滑らかな革の感触、独特の香りと仄かに伝わる温度に、口許を覆われて息を詰める。
大きく目を瞠って、反射的に其の手を引き剥がそうと片手を浮かせ、
―――喉許へ宛がわれた、冷たく硬い金属の感触に、今度こそ全身が凍りついた。

其れ、が本当に刃物の類であるのか、確かめる術も其の余裕も無い。
提案、誘い、と呼ぶには余りにも物騒な囁きに、けれどぎこちなく頷く以外、
己に選択肢は無く。
ふらふらと男に操られる様に、一室へと姿を消して――――。

ご案内:「王都マグメール 王城」からグリセルダさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」にカルニーツォさんが現れました。
カルニーツォ > 「そうそう。静かに、静かに...」

男に言われるままに部屋の中へと消えていく二人。
耳を澄ませば隣室から微かな物音が聞こえてくる。

「お隣でもお楽しみのようですね?こちらも楽しみませんか?」

手にしたナイフを逆手に持ち替えると女の胸元へとナイフを差し込み、ゆっくりと衣服を切り裂いていく。月明かりに照らされる白い肌。

「実に美しい...まるで女神像を見ているかのようですよ...」

そのままベッドへと誘導すると女を横たえさせる。そして床に香炉を置くと新たな香を中に入れる。漂う煙の甘い匂いがさらに強くなっていく...

「フフフ...別に命を取ることなど考えてはいませんよ...今のところはね...」

ナイフを懐に収めると、ゆっくりと女の身体に舌を這わせ始めたa

ご案内:「王都マグメール 王城2」からカルニーツォさんが去りました。