2017/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にカルニーツォさんが現れました。
■カルニーツォ > 深夜の城内。カツーン、カツーンと足音を響かせながら槍とランプを手にした年若い衛兵が廊下を進んでいく。道案内をされているように、その背後には黒ずくめの服装をした長身の男が続いている。男の手には鎖のついた香炉があり、そこから甘い香りを放ちながら薄紫の煙が立ち上っていく。途中、何度かたの衛兵と遭遇したが、衛兵同士は言葉を交わすこともなく、黒ずくめの男に対しても特に注意を払うこともなく行き過ぎていく。やがて古びた扉の前まで来ると、衛兵はピタリと歩みを止める。
「フム。ここが薬剤室ですか。ご苦労様、元任務にお戻りください」
扉の上に着けられた消えかかった札を確認すると、立ち止まり直立不動の姿勢を取っている衛兵の耳に囁きかける。するとくるりと踵を返すと、男の存在が目に入らぬかのようにまた城の奥へと歩み去っていった。
「まぁ、私がいうのもなんですが、これだけ警備がザルだと心配になりますねぇ...」
皮肉めいた笑みを浮かべ、扉の鍵穴を確認する。そしてポケットから取り出したのは小さな鍵。但し、先端には何もなく、ただ一本の棒になっているのみ。それを鍵穴に差し入れ、小さく呪文を唱えながらゆっくり回していく。するとカチリカチリと小さな音を立て始め、何度か回した後に鍵が開く。静かにドアノブを回し、室内に入る。中に入ると、苦みや甘みを感じるような独特の匂いが鼻腔を擽る。続けて、ポケットから小さな水晶玉を取り出し、呪文を唱えると、フワリと浮き上がり白く輝きはじめる。男が歩き出せば水晶玉もそれにゆっくりとついていく。室内には無数の小さな引出が納められた薬箪笥がいくつも置かれている。箪笥や引出に付けられた札を確認しながらゆっくりと部屋の奥へと進んでいく。
■カルニーツォ > 「おお、ありました、ありました...」
とある名札のついた引出を目に留めると、中身を確かめる。中に入っていたのは淡く、青白く光る小さな石。それをつまみ上げ、懐から取り出したルーペで観察する。そしてルーペをしまいながら、目を細め、口元に笑みを浮かべる。
「これさえ見つけられれば、長居は無用ですね...」
いそいそと扉に向かい、頭の上に浮かんでいた水晶玉もポケットにしまい込むと、静かに扉を開け、闇に溶けるように姿を消す。
ご案内:「王都マグメール 王城2」からカルニーツォさんが去りました。