2017/04/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にローレディアさんが現れました。
ローレディア > (時間は夕刻。茜色に染まる空を見上げながらため息をついたのはドレスを纏った少女だった。周囲は夕刻とあって誰もいない。それでも外であることに変わりはなく、ため息をつく姿を見せることは稀と言えた)

「仕事を任されるのは嬉しいのですけれど…」

(この春から王城へと上がった身。文官としての仕事は重労働ではなかったけれど、ここ最近どうにも肩が重いし、腕もだるい。文字の書きすぎだろうかと遠い目をして)

ご案内:「王都マグメール 王城2」にアーヴァインさんが現れました。
アーヴァイン > (外回りの仕事を終え、王城へと戻る頃には夕暮れとなっていた。城内へと戻る前に、少し庭園でも回って気分転換でもしようかと、少し遠回りの道を歩き始めると、その道中に聞こえた声は高い音だが、沈んだような響き。ただ何となくといったもので、そちらへと視線を向ける。見た年頃は……組合に居た少女達と同じぐらいか、そんなことを考えながら、変わらぬ仏頂面のまま、彼女の方へと近づいていく)

「仕事の量が多くて困る、というところか?」

(途切れた言葉の先を言い当てるように呟く。貴族の顔はある程度知っているつもりだったが、彼女の顔は記憶になかった。変わらぬ表情のまま彼女を見やり、恐らく誰かの娘かなにかだろうと考えていた)

ローレディア > 「え?」

(心情を言い当てられたことに驚いて声の方へと視線を向けた。ぱっと見は騎士…だろうか。全身鎧ではないものの、身に着けているそれは質の良い物に思われた。
貴族として、表情を読まれるのは恥ずべきことで…いつも通りの控えめな笑みで疲れを一瞬で覆い隠し)

「まだ不慣れなものですから、戸惑うことばかりで…
初めまして、騎士様。私はローレディアと申します。以後お見知りおき下さいませ」

(ドレスの両端を軽く摘まんで、腰を落としたお辞儀を向けた。相手がだれであれ、王城では先輩にあたる。家の名を出さないのも家格で相手を委縮させるつもりはないという意図)

アーヴァイン > (気の抜けた返事と、慌てるようにして表情を戻す仕草は、言葉通りの不慣れさを感じさせられる。普段の自分であれば、軽く笑うところだが、祟り神と恐れられろと言われている手前、朗らかに笑うことはできなかった。表情はそのままに、彼女の自己紹介よりも…自分を誤認した言葉に、頭のなかでは反応に困っていた。)

(「……騎士ではないのだが、祟り神としては憤慨した方が良いのか、これは」)

(簡単に貴族の首でも落とすような存在故に、笑って済ますにはよくないだろうと考えれば、最適な答えを浮かべるのに1秒ほど、それからわずかに笑みを浮かべて口を開く)

「ローレディアか、よく覚えておこう。俺はアーヴァイン・グラウ・カルネテルだ。ご両親から祟り神の名を聞いたことがあれば、それが俺だ。今日は不慣れに免じておくが、覚えておくことだ」

(王族の中でも一番の血統たるカルネテルの名と、恐れ名ぐらいなら、貴族の娘とて噂で耳にしたことぐらいはあるだろうと思いつつ告げれば、それらしい理由で暴力を振るわずにいられるように答えた)

「お前の顔は今まで見たことがなかったな、最近城に来るようになったのか?」

(ついでにと、彼女の最近を問いかける)

ローレディア > 「カルネテル様…っ!!申し訳ございません」

(彼の性が王族のそれと気づいて、慌てながらも優雅さを取り繕いつつ臣下の礼を取る。
伯爵家の長女ではあるが、事情持ちな為夜会など頻繁には参加しなかった。自分なりに情報は集めていたものの…まさかの失態に眩暈がしてくる)

「はい、この春より文官として上がらせて頂いています」

(視線は床に固定したまま答える。王族からの質問に嘘偽りを答えることは、反逆罪と同等…慎重に。でも焦りは見せないよう穏やかに…一世一代の猫かぶりである)

アーヴァイン > 「次から気をつければいい、俺が首を切らねばならない程、無能ではないだろう?」

(とはいいつつも、内心はこんな不意打ちじみした身分明かしに、肝を冷やす彼女に申し訳なく思っている。今宵の悪夢にでも為らねばいいがと思いながら、問いに成る程と言った様子に小さく頷いた)

「そうか……それとその礼はもういい。それよりもローレディアの顔を見せろ、お前の方がここで一番華がある」

(祟り神として少し緩く喋るとすれば、相手を女として捉えて語ること。最初が少々無礼だろうが、王族が見た目を気に入って手出しする為に語るなら、祟り神とて同じことだ。その姿を軽く褒めながらも、軽く辺りを見渡した。手近のベンチの方へと顎をしゃくるようにして指し示し、そちらへと向かう)

「文官か、書類仕事は肩にくるだろうな。俺のところの仕事が来たらよろしく頼む」

(ベンチに腰を下ろすと、こっちへこいと言うように、空いている隣を軽く叩いた。)

ローレディア > 「誠心誠意お勤めさせて頂いています」

(無能かどうかの評価は他者に委ねるしかない。曖昧な物言いながらも、できる限り努力していることは伝えた。実際、サボってはいないのだから嘘ではないだろう。
顔を見たいと言われてまで伏せているわけにはいかず、ゆっくりと頭を上げた。柔らかなうねりを見せる金髪に対して、瞳は主張の強い紫。色白なのは貴族として特記すべき事ではないだろう。目を見張るほどの美貌ではない。どちらかといえば、可憐とでもいうべきか。身に纏うドレスも、華美なものではないが真っ白な生地を見れば一目で上質なものと判るもので)

「まだ簡単な事しかできませんけれど、その時が来れば」

(まあ、仕事である以上どんなものでも手抜きは許されないけれど。ベンチの横を叩く様子にその意図を悟り…ドレスを捌いて腰掛ける。
恐れ多いとは勿論思っているけれど、命に従わない方が問題だろうと判断した)