2015/11/07 のログ
オーギュスト > 扉を開く大きな音。そしてがなり声。
いつもなら適当にいなす所だが、今日はそうもいかない。

「ちょ、てめぇ、大きな音を出すんじゃねぇ!
いててて、頭響くだろうがっ!」

額を押さえながらオーギュストが顔を顰める。
水を飲んでもちっともよくならない。

ふらふらと立ち上がりながら、オーギュストは棚を漁る。
確かお偉方から貰った酒があったはず……

サロメ > 「大きな声を出させるようなことをする将軍が悪いんです…って、何を探しているんです?」
ふんっ、と鼻を鳴らして睨めつけつつ、何かを探すオーギュストに首を傾げる

薬でも探しているのだろうか

「…とにかく、申し付けられた書類はただ今提出してまいりました。
 今後は、ちゃんとご自分で処理してください」

………とはいえ、その仕事をこなす上で一悶着あったのだが
さすがにそれを将軍の前で口に出す気にはなれない
執務室であのような醜態を……

オーギュスト > 「おう、ご苦労さん。
いいだろ、お前そういうの得意だろ……」

得意な事は得意な奴がやればいい。
その為の副官なのだから。

ようやく酒を見つけると、グラスに少しだけ水をいれ、とくとくと酒を注ぐ。
流石に氷は高級品なので置いていないが、水割りもいいだろう。
執務机に戻りながらサロメに言う。

「あぁそうだ、新人のフォンローク家、特務小隊の隊長に任命した。
あと、新人を直衛隊に回す。これ、書類な」

二枚ばかり追加の仕事を押しつけたり。

サロメ > 「……ハァ」
これだ、まぁ第七師団の意向はすなわち将軍の意向でもある
言って聞かなければそれはそれで仕方ないと頭を切り替えて

「執務机で迎え酒とはいい度胸です。
 ……彼を特務小隊に?了解いたしました」
フォンローク、の名に少しばかりどきっとしながらも書類を受け取る
内容は後で見るとして…今は少しばかり聞いてほしいことがあった

「あの山のような会計書類。
 此処のところ第七師団及び周辺への予算の変動が多すぎませんか?
 竜騎士団創設のことに関してもですが、多くの予算が削られているのですが」

一息ついて

「一体何をやらかしたんです?」

どうやら将軍がなにかやったせいだと思っているらしい

オーギュスト > 師団の予算の事を聞かれ、少しだけ目の色が変わる。
迎え酒を一息に飲み干すと、机の中から一冊の書類を取り出した。

「俺が何かしでかした程度ならいいんだがな――
んな程度じゃ説明がつかねぇ。見ろ」

その書類に書かれているのは諜報を主とする第九師団の調査結果。
これによれば、何者かの意図により、予算が不自然なまでに削られている。
そして削られた予算は特に使われもせず、王城に死蔵されている。

「――誰かが懐にガメているんならそいつをつつけもするんだがな。
しまってあるだけじゃ何も言えん」

彼は言外に言う。
――何者かの意図が働いている、と。

サロメ > いや何かしでかすのは良くないだろと内心思いつつ、
真面目ぶった顔になったのでとりあえず話を聞く

「…魔族との国の戦線を維持する我々第七師団は、相応に厚遇を受けていたはずですが。
 しかも他に回されているわけでもない?」

ふむ、と不満気に口元に手を当てる

「我々の活動規模を縮小すれば王都も危機に陥る可能性が増えるというのに、
 常勝が過ぎた故の過信……というわけでもないのでしょうね」

オーギュスト > 「この前艦隊をぶっ壊したばかりだから、そのせいと言われりゃ返す言葉もねぇんだがな」

第七師団とて常に勝ち続けているわけではない。
ただ、他の師団よりも多少は勝っていて、魔族相手に壊滅的に負けない方法を取っているだけだ。

「――ま、その辺も含めて調査を急ぐってわけだ。
暫く魔族の国の方はフォンロークの奴に任せるさ」

つまり、オーギュストは暫く前線には最低限しか赴かず、王都とタナールを行ったりきたり、というわけだ。

サロメ > 「最前線大好きな将軍が後ろに下がってまで、ということ相当深刻ですね」

トン、と机を叩くようにして、じぃーとその顔を見る

「で…以前の結界強化の急な着工も不思議だったのですけれど、
 将軍はこの件に関して何かを掴んでいるもしくは可能性の高い予測をすでにしているのでは?」

オーギュスト > 「予測なんて高尚なもんじゃねぇよ
――魔族の連中は、一番嫌がる事を進んでやってくる。
そう確信してるだけだ」

くっと笑いながらサロメを見る。
こういう所は、まだまだお堅い所が抜けない奴だ。

「お前もタナールへの援軍はほどほどにしとけ。
今は王都内部に少しでも味方が欲しいとこだからな」

サロメ > 「…その言い方では答えを言っているも同じですね」

肩を竦める
しかしそれが事実なら、大変なことだ
将軍自らが王国中心に動かざるをえないのも頷ける

「…確信があるならば第七師団内部でも新しい部隊を編成するというのは?」

オーギュスト > サロメの考えはオーギュストも思いついたものだ。
信頼できる勢力が王城を探ってくれれば、これほど心強い事もない。
が、それには致命的な問題があった。

「お前、あいつらがスパイ活動なんてお上品な行動できると思ってんのか」

第七師団。
またの名を、ゴロつきの集まりである。

サロメ > 「それなりに信頼できる人間を選別する必要はあると思いますが、
 オーギュスト将軍がスカウトしてきたような者達では難しいでしょうね」

しれっとそんなことを言う副官

いいとこ、というか騎士の家の出のお嬢様は言うことが違う
彼女の小隊は統制の取れた、第七師団の中でも珍しい部隊だ

オーギュスト > 「なるほど、つまり、選別すりゃぁいいんだな」

そういえばこいつは騎士の家の出だった。
おまけに礼儀作法も心得ているし、情報処理能力も高い。
なんだ、適任ではないか。

「じゃ、お前がやれ。
この件に関しては、何を使っても構わん」

さらさらと書類にサインすると。
最高に面倒な任務とともに、それをサロメに押し付ける。

サロメ > 「…え?」
まさか自分に白羽の矢が立つとは思っていなかったのか意外そうな顔をする

「それは、一任して頂けるのならば異論はありませんが…、
 ……いえ、サロメ・スペルレイム、任務拝命いたしました」

そしてオーギュストにとっては堅苦しいであろう騎士の礼をする

「何を使っても、というのは言葉通りでよろしいのですね?」

オーギュスト > 「構わん。好きに使え」

この男にしては難しく、サロメに全てを委任する。
それは、将軍名代として、何をしても良いとのお墨付きでもあった。

頼んだぞ。
口には出さず心の中で呟きつつ、男は執務室を後にする。

ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」からオーギュストさんが去りました。
サロメ > 「はっ!」

堅苦しい返事
いかな上司であれど、『任せる』という言葉は重いもの
表情も引き締まるというものだ

「…しばらくは王城を基点に調査を始めるか。
 ……対魔族用に兵士を選別しなければな」

さて、ますます忙しくなりそうだが、
それでも部屋に来る前よりはその足取りも軽かった