2015/10/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にフォーティアさんが現れました。
フォーティア > 王城から少し離れた街路、時折、王城へと顔を向ける少女が佇んでいる。
その胸元には包みが抱えられており、見た感じ書物のように見える。

以前、貧民街の骨董店で手に入れた書物があった。
その中の一冊、魔法に使われる文字で書かれた書物、それを暇潰しにと訳したのだ。
内容は、日常とかで普通に使えるものだったらまた別の店に資料を添えて売ろうと思っていた。
でも、どう見ても対象に被害を与えるものや、そういった面での便利な効果であるのが分かった。
しかも結構複雑で大規模なものばかりだ。

どこにこれを持っていこうかと迷っていたところ、父に王城にでも行って寄付なりすれば良いんじゃないか?といわれたのだ。
…単に魔法使いよりも貴族や王族を相手していた方が楽だった、という理由だというのは少女は知らない。

とはいえ、少女にとっては相手がどちらであろうと変わらない。
口下手な少女は、今こうした時点でも中に入る度胸が無く突っ立ったままなのだ。

ご案内:「王都マグメール 王城2」にケイシー(少年)さんが現れました。
ケイシー(少年) > 街路樹として植えられた木によじ登り、うつらうつらと半分眠り半分起きている曖昧な状態。
ふらふらと危なっかしいが、なかなかどうして、バランスを失わず樹上で船をこぐ。
 …やがてスー、と意識が物質世界に引き戻され、軽く目をこすりながら下を見れば。

「よぉ、まだそこに突っ立ってたのかよ。ふぁ〜あ。
 あんた、そうやって城眺めながら本抱きしめるのが余っ程好きなんだな。
 さもなきゃ、本を抱きしめながら城を眺めるのが好きかのどっちかだ」

 樹上から聞き覚えのある声がかかる。見上げれば、そばかす顔に三角帽の少年の姿がすぐに見つかるだろう。

フォーティア > 「…えっ…?」

突っ立ったまま、どれだけの時間が経っていただろう。
不意に頭上からかかる聞き覚えのある声、すっと顔を上に上げ…そこに木の上で横になっている少年が見えた。

「あ…え、っと…こ、こんにちは…ケイシーさん…
その…あの、そ、そういう…訳では、ない…のですけど…」

いつからそこに居たのだろう?慌てた様子でぺこりと頭を下げる。
そう、書物自体は確かに色んな意味で好きではあるが、別に抱える事が好きという訳では無い。
その言葉にどう返したら良いのだろうと迷いながらも、とりあえず、否定だけはしておいた。

ケイシー(少年) > 「よ、っと」

 ストン、木の上から飛び降り、フォーティアの横に着地する。
立ち上がっても背丈をフォーティアと殆ど変わらない位だ。

 「そう?じゃあ何か他の訳があるんだな。例えば…ん。
 城に出入りしているハンサムな貴族に、借りていた本を返そうと待っているのだけれども、
 意中の人は待てども待てども現れない…ってのはどうよ?」

膝を屈伸させる動きのついでに、こっそりと本の表紙に目を走らせる。
しかし、本は彼女が抱きかかえている形で胸元に収まり、タイトルを読み取る事は出来なかった。

「そうでもなきゃ、本に記された魔術でもって、城に関わる誰かに恨みを晴らそうと機会を伺っている…とか。」

フォーティア > 上を見ていて、少年が飛び降りそうになるのを見れば、少し驚いたよう…な雰囲気がする。
すぐ横に降り立つ少年に、よくあんな高さから飛び降りれるな…とか、思っている。

「…わ、訳は…ありますけど…そ、そういう、訳では…
………い、いえ、その…これは…借りていた、のではない、です…」

ぽつりぽつりと言いながらも、ちょっと言葉足らずな気がしないでもないと思う。
しかし、どうとも説明がし難い。
膝を曲げ伸ばししている少年が、胸元の本へと視線を向けているのに気付く。
気になるのだろうか…?そう思いながら、それを聞こうと唇を開きかける。
だが、次いで少年から向けられる言葉に、慌てたように…でも小さく首を振る。

「た、確かに、魔術の…ですけど…ち、違いますっ…こ、これは、き…寄付を、しようかと…」

しどろもどろに少年の問いに答える少女、結構必死そうだ。

ケイシー(少年) > 「そっか、寄贈書ね。」
 立ち上がり、今度は両腕を上げてグ・グ…と伸び。

「…あれだ。城に入るの、ドキドキしちゃう?なんだったら背中押すぜ?物理的に。」
 グイグイと前方に腕を押し出す仕草をしながら、フォーティアの後ろに回り込もうとする。
尤も、実際にぐいぐいと押そうというつもりは無かったのだが。

 他人を苦手としているような子だ。いきなり異性に触れられるのも嫌がるかもしれない。

フォーティア > 「は、はい………私では…ま、魔法とか…覚えても、使えは、しません…から…」

色々と書物を読み漁り、魔法に関しての知識や理解もある。
だけど使えない、聞いてみれば自分には魔法に必要な魔力がそもそも無いのだと言われた事がある。
思い出し、苦笑いを浮かべた。

「ど、どきどき…と、言いますか…その、入ってから…どうすれば、とか…か、考えて、しまって…
…え…?ぶ…物理的…?」

仕草でそういった事を伝えながら、少年は自分の後ろへと回ろうとしている。
触れられるのは…確かに少しは苦手ではある、嫌がるほどでも無いのだけど。
ただ、この場合はそれよりも、そんな事をしようものなら目立ってしまうだろう事がなによりも問題になりそうだ。

慌ててその姿を追って後ろを振り返ろうとする、が、どうしても動きが緩い、簡単に後ろには回れそうだ。