2023/04/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にジェニーさんが現れました。
■ジェニー >
「待て、……いや、待って、本当に、ちょっ、落ち着い、て、
ちょっとだけで良いから、わたしの話を、――――――― ひゃん、っ!」
本当にここは同じ城内なのだろうか、喧騒はどんどん遠くなり、掻き消え、
周囲は薄暗く、通路は細く狭く、そして、左右を固め腕を掴んで引き立てる男たちの力は、
どんどん強く、有無を言わさぬものになっている。
必死に足を踏ん張り、抗弁を試みていたところ、背後からついてきていたもう一人が、
不意に乗馬鞭のようなもので、思い切りお尻を叩いてきた。
びくん、と躰を弾ませ、たたらを踏んで崩れ落ちそうになるも、
左右から腕が抜けるかと思うほどの力で引っ張られた。
もう、ほとんど彼らに引き摺られ、運ばれているような有り様になりながら、
さすがに涙目になって、彼らの顔を交互に見やり、
「だ、から、わたしの、話を、………ほん、とに、何も、していないのだ、よ、
まだっ、なにも悪いことは…―――――― いやいや、これからだって別に!
図書館で調べ物を、して、いただけで、ほんとに、あのっ、
たのむ、たのむからっ、―――――――――― ぎゃん、っ!!」
なおも言いつのろうとしたら、今度は先刻よりも強く叩かれた。
色気の欠片もない悲鳴をあげて、更によたよたと数歩。
向かう先がどんどん暗く、どんどん寂しげに、もっと言えば恐ろしげになるものだから。
スパイ容疑だか、逃亡奴隷容疑だか、なんだかよくわからないけれど。
どこかへ連れ込まれてしまう前に、とにかく話を聞いてもらわなくては、と、
己ばかりが焦っているのだった。
■ジェニー >
「あ、あ゛――――――――――!!
それっ、その袋、雑に扱わないでぇえっ!!」
己が持ち込んでいた合切袋を、男たちの一人が乱暴に担ぎあげたので。
大声を上げて抗議してしまったために、また、打擲の音を響かせる羽目に。
今度は声も無く倒れかかったが、左右から腕を捕まえられていたので、
床にキスするのは免れた。
しかし、黙ってはいられない。
ぶん、と勢い良く顔をあげて、袋を担いだ男を睨み、
「貴ッ様、それっ、貴重な薬が入ってるんだからな?
売り物にならなくなったら、貴様のはらわたで弁償を、―――――――― っひゃあ、ん゛!!」
懲りない、めげない発言もまた、打擲に遮られたが。
己が身よりもハッキリ言って、袋の中身の方が貴重品なのだ。
だから黙るつもりは無いし、挫ける気も無い。
――――――そんな風にひとり大騒ぎをしながら、虚しく運ばれて行った先は、果たして。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からジェニーさんが去りました。