2023/01/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 天文台」にエファさんが現れました。
■エファ > 冬の夜。
空に浮かぶ真円に地下月は常よりも白っぽく見える。
王城の片隅、それでも一際空高くそびえる天文台には、遠く舞曲が聞こえて来る。今宵もどこかで舞踏会がひらかれているのだろう。
(さすがに…寒い…)
久しく使われていなかった様子の天文台に、足しげく通うようになった女は、殺風景な石造りの部屋で毛布にぐるぐる巻きになって窓辺に佇んでいる。
どうにかこうにか頼み込んで持ち込んだ小さな魔法のストーブは、部屋の広さに見合っていないのだろう。ごく近くに置けば何とか暖かさは感じるが、部屋全体を暖めるにはいかにも頼りない。
(…窓を全部、締められればいいのだろうけど…)
そんな事をすれば観察ができないし、かといって玻璃を嵌め込んでもらうことも色々な面で難しいだろう。
もっと手に取れるようなものの研究ならば出資は募れるのだろうけど、星の動きなどと言うものに興味を示してくれる相手は中々いない。
(……影響ないこともないし、こんなに奇麗なのにな…)
女は白い息を零しながら、分厚い眼鏡越しに暗い夜空を見上げる。
真っ暗な夜空に、ちかちかと瞬く星々。
■エファ > 暫く星々の瞬きを堪能した後、背筋をぶるっと震わせてから女は名残惜しげに木の扉で窓を閉める。
暫くあと、定刻になったら星の位置を確かめるまで、部屋の中で暖をとっていなければ流石に凍えてしまう。
部屋の中央にある大きなテーブルまで歩くと、その上に持って来た用紙を広げていく。
ある用紙には星の周期の画
ある用紙にはその速度と観察の数字
並んでいるそれを感慨深げに眺めてから、簡素な木の椅子を引き寄せて腰掛け、じっくりと思案にふける。
灯りはテーブルの上のランプひとつだけ。
ぐるぐる巻きに毛布にくるまっただけの姿は、大きなミノムシが器用に椅子に腰かけている様にも見えなくもない。
酷く殺風景なこの時間、遠くから聞こえる音楽を一人占めしているような気分でも、一人ぼっちで居るような気分でもある。
部屋が温まって来ると、女は小さく欠伸をこぼして眼鏡の奥の瞳を擦った。
(次の観察の時間は…)
懐から取り出した魔法の海中時計は、振動する目覚ましつきの特別製だ。
それをお目当ての時間に設定すると、慎重に確かめて
女は毛布にくるまった格好のまま、机の上にうつ伏せになって仮眠の恰好になった。
―――しばらくあと、起きた時はすっかり身体が痛くなって、次は寝袋を持ってこようと誓う事になる。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 天文台」からエファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にインビジブルさんが現れました。
■インビジブル > 王城地下。
表には出せぬ悪趣味の宝庫。欲望の渦巻く園。
その地下の一角のエリアにコレは出現していた。
あまり人も寄り付かず、日によっては勝手に人が運ばれてくる。つまりいるだけで餌が取れるエリア。
そして何よりも便利なのは……たまにその悪趣味を楽しむ為にここに訪れる者がいる事。
彼女たちからしても無駄に殺したいわけではないので心優しい者は逃がしてあげるが、効率で言えば死ぬまで搾り取った方が良いわけで。
さらにそういったことをしたくてここに来る者は大体が高階級。つまり栄養が高く、壊れるまで絞っても量が多く取りやすい。
そうした意味で、色々と獲物を捕らえる事が出来る可能性のあるこのエリアは狩場としてはそれなりに良い方。
とはいえ、来ない時には来ないので確実に量を捕らえるのなら別のエリアになる事も多いのだが。
■インビジブル >
とはいえ、やはりこの場所は質が良い獲物か楽な獲物は捕らえられても量は取れない。
そりゃそうだ、誰かが運びこまれない限りはこの場所は使われないし、頻繁に使われるような場所でもないのだから。
スゥと霧が消えていく。
今回は獲物にありつけなかったから。まぁ別に良い、チャンスなど他の場所にいくらでも転がっているのだから。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からインビジブルさんが去りました。