2022/11/23 のログ
グライド > 「そう言う事だ。 なぁに、王城の女を口説こうってんだ
其処でケチる心算もねぇが…、……よう、延長の上限は?」

(買う、と。 そう言葉を投げかけたと同時、女の瞳が変わる
女にとっての仕事、自らの切り替え、と言った所だろうか
幾らでも、御望むままに己を変え、見せる顔を変えられる
女とは、そう言う生き物だと、己も良く知って居る。

提示された金額に対して、難色を示す事は無い
その代わり、何処まで女を引き留めて置けるのか、何て事には
真っ先に確認を取って置こうか。 ――例えば、一晩、何て要求したなら
其の時は、経過した時間が全て、延長料金になるのだろうか、と。
何れにしても、表情は変わらぬ。 女を安く見た心算も無い、意志表示。)

「客室が在るだろうよ、其れとも、部屋は御前さんが用意するのかい?
折角なら、鎧くらいは脱いで、身軽になりたいもんだ。」

(――部屋まで招く事に対価が発生するなら、其れでも構わない
傭兵なぞと言う稼業の分、命を削り、身を削り、其れだけの金は入って来る
今更、其れを惜しむ様な身の上でも無いのだ。 ――抱えて逝くだけ、無駄な事は無い)。

セレーニャ > どうやら彼自身、セレーニャを安く見るつもりはないようで、どこか安堵する。
王城に住まうならば、セレーニャの身の上を知る者は少なくない。
安く買いたたく、なんて真似はされることはないが、流石に一晩、と要求してくる者はそう多くはない。
上限を訪ねる男に、セレーニャは首肯した。
とは言え、夜通し抱き潰されるのは流石に困るので、行為の終わりの刻限。
要するに営業終了時間は定めている。
その時間まで買うのであれば、その分までの料金は一律としていくらかを伝えただろう。
其れでも変わらない表情から伝わる意思表示に、上客だとは思いながら。

「黙認されている専用の部屋があるの。普通の客間と変わらないけれど、
 貴方に宛がわれている部屋があるのなら、其方でもいいわ」

こういう行為、仕事をする下級メイドは別にセレーニャだけではない。
王城内にあるいくつかの客間は「それに使っても良い」という暗黙の了解がある。
セレーニャ達の夜の仕事場だ。
それを了解するなら連れていくし、彼が今宵使う予定の客間に招くなら料金は発生しないことも伝えて。
了承を得るならば、踵を返し王城内へ続く道を歩き出そう。
二人の姿は程なくして、中庭から消誰の目にも届かぬ部屋へと消えていっただろう──。

ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」からセレーニャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」からグライドさんが去りました。