2022/10/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 庭園」にロイスさんが現れました。
ロイス > 「……居づらい」

王城の庭園のベンチに、男が一人割とガチで憔悴した目で座っていた。
いつもの緑色のマントは家に置いて、代わりに貸し出されたサーコートを、くたびれた革鎧の上に羽織っている。
サーコートのお陰で、下の革鎧の見すぼらしさはある程度隠れているが……しかし、かといって場違いであるという事に変わりはない。

「はぁ……何でロード・ゴブリンなんて見つけちまうかなあ……」

ロード・ゴブリン。それは、ゴブリンの変異種の中でも最上位に数えられるものだ。
その能力は、高い知能。そして、何らかの方法により、ゴブリンたちを統率するという性質だ。
元々、繁殖力に優れるゴブリンが、総指揮官を得るという意味は大きく、小国ぐらいならば滅ぼしてしまうほどのポテンシャルを秘めている。

「(だから、直接"上"に報告するっていうのは、まあわかるんだけど……)」

かといって、何も謁見一週間前に呼び出さなくても。
いや、勿論、その辺りはいろいろと手続きがあるのだろうが、それにしたって残り七日間ずっとこの慣れない服で過ごさねばならないのか。

「ああ……冒険者ギルドのカウンター席が恋しいなあ……」

人によってはぶん殴られるような事を、勿論誰にも聞こえないように呟きつつ。
男は、空を見上げるのだった。

ご案内:「王都マグメール 王城 庭園」からロイスさんが去りました。