2022/06/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 昼の王城
アスピダやタナールなど いくつもの戦場でしか役目を果たさない一つ狂い。
メイラは状況なども含め、傷を負った体で自国に戻った上での仕事を済ませた後だった。

次の戦場まで束の間の時間
此処のところ、戦って 戦って 戦い抜くばかり。
半袖ブラウスに白ネクタイ ギザ縁ロングスカートの真っ黒な全身。
腕から覗く刺青と、両腕には両足と同じく身に着ける黒鉄が備わった姿。

しかし傷は多く、頬や鼻など、白い張り物をして傷口が露出することを防いでいる。
それはまだ、傷が新しいものばかりということだろう。

王城は空位の王以外に興味はなく、轡を並べる者らとの話も途切れれば
其処に居座る理由も特にない。
媚びも交流も なにもない。

騎士は7度主君を変えねば騎士とは呼べぬという 主従と言う言葉を馬鹿にする言葉がある。
場の状況を見極め、家を存続させるために動いた結果が無ければ、騎士として終わる故のそれ。
メイラはそれに、全くの真逆の存在として 今だそこにあり続けるイカれの一人。

そんなメイラでも、偶に外の空気を感じながら王城の庭の一つに訪れることがある。
大きな池。 中庭のような囲った場所ではない少し開放的な位置に取られた其処。
水辺は水底など見えない濁った色をしていながら、水面に上がればその全身と色合いが見えていくことだろう。

メイラは取っ手代わりの骨を一つ手に持ったまま、その大きな肉塊を手に手を拍す。


「来い 来い ですわ。」


ガントレット越しの、ガキンッガキンッという手鳴らしと声。
それに対し、のそりと現れるのは、スリムなそれではなく身幅のある顎と長さ。
尾は脂肪を蓄えてでっぷりとしている成長した鰐 陸竜とも呼ばれそうな水主の一種ら。

誰が仕入れたか、此の城の性質上餌に困ることもない処理係
特定にだけ懐いている為今だ見捨てられることもない愛玩の一種。
メイラが手を鳴らし、のそりのそりと近づいてくる鰐らは、メイラとは一線を交えない。

水辺にさえ入れば牙を向くかもしれない。
しかし、陸の上ではどちらが上か知っている。

鰐は陸で犬が茶化してこようとも、水の中にたちまち入ればするりとまるで滑るように近づき
引きずり込んでから捻り千切る。 場の一瞬を待つ忍耐と潜みの化け物だ。


「元気そうで何よりですわ。
 また美しく老いましたわね。」


片目を閉じて笑むメイラ。
肉に対し、腰のナイフを用いて切り取った肉の一部を、切っ先からぶら下げれば鼻上へ放る。
すると、水辺の飛翔を捕らえるかのように バクンッ と喰らい付き、くちゃくちゃと咀嚼する姿。
若い溝の少ないそれよりも、細かな襞と厚い革。 顔立ちは険しく老いたそれ。

与え続けられる者であろうとも、底から強ければ、今だ強い
そんな存在感を放っている。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。