2021/11/22 のログ
■ミシェル > 「何だこりゃ?」
些細ながら異常発見。術式が改変されている。
手が入ることはまず考えられない場所であるし、
手が入っていればミシェルに知らされているはず。
「面倒なことになったな…」
異常がなければただ退屈なだけだが、異常を見つけてしまえばもっと厄介だ。
職業柄、確認しないというわけにもいかない。
どっかの貴族のお遊びであればそういうのは家でやれ、とでも叱っておくべきか。
「なるほど、この部屋か」
術式を辿れば、近くの部屋に行きつく。ここに何かを隠しているらしい。
ミシェルはあっさりとそれを解除し、一応杖を構えながら部屋に入る。
■イザベラ > 部屋の中は無人だった。おそらく、王城の中の使われていない寝室だろう。
こんなところに他の宮廷魔術師がなんらかの改変を施すなどふつうはあり得ない話だ。
……その部屋の隅。術式で隠されていたものは、さまざまな『証拠』だった。
とある貴族の出自が全くでたらめであることの証拠、
ある貴族が魔族と通じているという証拠、また別のある貴族のセックススキャンダルの映像を記録した魔術媒体。
そんなものが、箱に収められて隠されていたのだ。誰がここに、何の目的で隠したのかは知らない。
むしろ責任のある立場の誰かに見つけられることを期待してここに置かれた可能性すらあるが……
きっと長く、ここに置いておくつもりのものではなかったはずだ。
もしかすると、誰かが誰かにこれを受け渡すためにここに置いたのかも……
「……見てはいけないものを見たようだな、エタンダル卿」
部屋の入り口をふさぐように、長身の女が立っていた。
女は、魔力の込められた鞭で、ぱしん、と床を叩く。
――女の名は、『イザベラ・フォン・ラーンヴァルト』
現在は中央で活動しているが、元は辺境の代々優秀な軍人を輩出する家を継いだ女。
どうやら、あなたは彼女の秘密に触れてしまったらしい。
■ミシェル > 部屋にあったのは、貴族のスキャンダル情報の数々。
いくつかはミシェルの知り合いのものもある。
それらを流し見ながら、女男爵はため息をついた。
「こんなものこんな所に置くなよ…」
別に見えないところでやる分には構わないが、見つけてしまったからには何とかしないといけない。
全く面倒だと思っていると、後ろから声を掛けられる。
「見たくて見たわけじゃないんだけどなぁ…」
肩を竦めながら後ろを振り向き、じっとりとした目を向ける。
知ってはいる顔だった。
「ええと、ラーンヴァルト家の当主様だっけ?これここに置いてたの君?
全く困るよ…こういうのは他所でやってくれよ。それか僕の見回り時間外に」
■イザベラ > 「全く君という女も困ったものだ。そして運が悪い
私の受け渡しのその時間に、偶然かち合ってしまうとは」
イザベラの怜悧な瞳が、あなたを見据え、
サディスティックな光を湛えた。
「元より面倒ごとなのだ。知らぬ存ぜぬで通しておけば、
『事故』にあうこともなかっただろうにね……とはいえ、
君をここで始末することに私はほんの少しのためらいを感じている」
イザベラは軍人としての位を持ち、王都で諜報の任についていると聞く。
そして、その怜悧な女軍人というイメージから同性に人気があり、どこどこの伯爵夫人と浮名を流しただとか
そういううわさも絶えない女だ。
「何分、君は美しく、私と同じ趣味があると聞いていたからね……
いつか機会があればご同衾願おうと思っていたのだが、実に残念だ……」
そういうと、鞭を手でしごきながら舌なめずりをし、あなたに接近してくる……
■ミシェル > 「いや見られたくないものなのに雑な術式かけてる君が悪い」
ミシェルのジト目が、イザベラを見返す。
「いや別にこれ見て君をどうこうしようとか僕一言も言ってないじゃないか…。
平和的に話し合おうよ?ラーンヴァルト卿」
肩も竦めっぱなしで、ミシェルは立ち上がる。
面倒だが、頭を冷やさせるしかないのだろうか。
「いやまぁ、僕も機会があればお知り合いになりたいとは思っていたんだが、
まさかこんな人だったとは……」
一際大きくため息をつきながら、ミシェルは杖を向けた。
■ミシェル > 【部屋移動】
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ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からイザベラさんが去りました。