2021/08/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にラチェルさんが現れました。
ラチェル > 寝乱れた風情の残る寝間着姿で、室内履きの布靴も履かず。
とぼとぼと室内を横切り、外へ続く扉を、細く押し開けて覗き込む。
廊下に面した窓越し、月明かりが淡く差し込む夜。
右へ、左へ、見渡す限り、ひとの姿はない、ようで。

「どう、しよう……どこに、行ったのかしら……?」

いつもなら次の間に控えている、侍女の姿が見えなかった。
枕元に用意された水差しの中身がもう空で、けれど喉はヒリヒリと渇き切っている。
理由はそれだけではなかったけれど、とても、このまま眠れるとは思えず、
水を、と、――――侍女が居れば、簡単に頼んでしまえたのだけれど。

「困ったわ、……こんな格好で、外は歩けないし……」

水が欲しいというだけのことで、着替えまでして出る気にはなれないし、
かといって、私室の外はいわば、公的な空間である。
誰かに見咎められては恥になる―――――そう、躾けられた娘だった。

ラチェル > ――――――――こほっ、と、乾いた咳が零れる。

不意に背筋が寒くなってきたような、悪い予感。

小さな身体をそっと震わせ、俯いて扉を閉める。
喉の渇きは痛みのレベルに達しつつあったが、諦めてベッドに戻ろうと。
引き摺るような足取りで、部屋の奥へ――――――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からラチェルさんが去りました。