2021/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にハイディさんが現れました。
ハイディ > 其の階段を降りた先だ、と言われた時、既に呼び出しに応じた事を後悔していた。
つい先日も、城には仕事で呼ばれている。
あれと同じ様な仕事であれば、と頷いたけれど、今夜「見る」べきものは、
地下の牢獄に繋がれているのだと気付いたからだ。

果たして、其処には年端も行かない哀れな少女が四肢を拘束され、
尋問とは名ばかりの凌辱に晒されていた。

「あの娘は間諜である筈」だと、己を案内してきた貴族が告げる。
見たところミレーではない様だが、何某かの魔術でそう見せかけているだけかも知れない。
其処のところを、見極めて欲しいのだ、と言われたが、

「……申し訳、ありません……何も、見えない、
 私には、良く、判りませんわ」

彼女からは、ただ、恐怖と絶望しか感じられない。
何方かと言えば、傍らに立つ貴族の方がずっと―――――もう少しで、余計な事を口走りそうになる。
きつく目を瞑り、修道衣の袖口で口許を押さえて、

「ごめんなさい、……此処は、空気が悪い様です。
 何だか、気分が良くないので……今日は、帰らせて下さい」

言うが早いか、引き止める声も何も無視して、己は踵を返した。
灯りも疎らな暗い場所だけれど、己には関係が無い。
上階へ続く階段まで、速足で辿り着くと、傍らの壁に手をつき息を吐く。
――――――未だ、彼女の悲鳴が耳にこびりついていた。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ハイディ > 溜息がもうひとつ、其れから、のろのろと足を動かし始めた。
長い階段を上がり、城を出て行くために―――――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からハイディさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。