2021/05/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にヨアヒムさんが現れました。
ヨアヒム > [本日待ち合わせです]
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にサロメさんが現れました。
ヨアヒム >  王城に数多ある来客用の部屋。美しい調度品を備えた客室に、複数の身なりの良い男達が集まっていた。その中の1人、背が低めで恰幅の良い中年男が、柔和な笑みと共に口を開く。

「卿らの懸念は、承った。だが卿らの主張する……策は最早通らぬ。彼女の戦功は王室をも味方につけておる。悪いようにはせぬので、この問題は私に預けて貰いたい……よろしいな?」

 微笑と共に肥えた中年が小首を傾げると、彼らは渋々と言った様子で首肯、あるいは感謝の言葉を告げた。

「では諸君。本日は此処まで。来客を待たせてはならぬ」

 中年男は白く丸みを帯びた、傷一つない手でドアを示し、メイドが扉を開け、男達は出て行った。王国貴族や将軍といったそうそうたる面子が、たかが客室からぞろぞろ出て行くのはある種滑稽だったろう。
 もっとも、その現場に出くわした第七師団長は面白くも無かったかもしれない。客室から出てきた彼らは彼女を快く思わないどころか、彼女が過去に受けた「災難」を知る者、あるいはそれに関わった者達だったから。

『これは、将軍』『シュトラウス将軍』

 彼らは短く言葉を発し、恭しい仕草で挨拶をし、明らかに好意的でない視線を女将軍に向けつつ王城の廊下を歩み去っていった。