2021/05/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアルヴィスさんが現れました。
アルヴィス > ──王城内の広い庭園。
規則正しく煌々とした篝火が置かれた、手入れの行き届いた庭園を、小柄で華奢な少年──と見える影が一人、歩を進めていた。
こつこつと規則正しく並ぶ石畳を鳴らす靴音が響く。
供も伴わず、金色の髪を揺らしながら誰もいない庭園を彷徨う姿は、やや無防備にも見えるかもしれない。
時折、衛兵が通るとしても、開放的な王城にはどのような輩が来訪しているか知れたものではない。

「────…… ぁ…。 月が、綺麗だ 」

ふと足を止めて、ぽつりと零す言葉。
少年にしては、声が細く澄んでいたかもしれない。
荘厳な佇まいの城の尖塔越しに、大きく青白い月が輝いている。
整えられた緑の刈り込みの隅に設えられたベンチへと歩み寄ると、何気なく腰を下ろす。
規則正しく弧を描く噴水の音を耳にしながら、華奢な姿はどこか安堵したように細い吐息を漏らした。

「 ……やっぱり、城の中より……外のほうが、息がつける」

そう呟いて、まだまだ慣れぬ登城に緊張する己に苦笑する。
慣れたはずの締め付ける胸元が、いつも以上に苦しい──錯覚かもしれないが。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にソラムさんが現れました。
ソラム > 夜。静かな王城の庭園に植えてある大きな木の下で、物音一つ立てずに佇む人影が一つ。
暗い中では見えづらいフードのついた紺色の外套の下に見えるのは、白と黄金の2色で構成されたトップスに純白のゴシックの服装。
フードで目元は隠されているが、フードからはみ出ている髪の毛先は黒ずんでいる。
その右手には、黒いファイルが握られていた。

「.....雲が、晴れたみたいですね」

流暢にそう呟くと、木の下から出て少し歩くと、噴水の近くに設置されたベンチが見えてくる。そのベンチに座っているのは、丁度16歳ぐらいの見た目の少年。
中性的な見た目をしていて少年としか判断できないが、今は関係ないかと割り切り、そのベンチへ歩み寄る。

「落ち着きますね。ここは」

ベンチの隣で歩みを止めると、座る少年に話しかけるだろうか。

アルヴィス >  ベンチに腰掛け、いささかぼうっと尖塔越しの月を眺めていた。
 噴水の水音と、夜風が植え込みを揺らして抜け渡る密やかな音を供にした月光浴。
 この時間、誰もいないからこその気抜けた状態ではあるが、近づく足音が耳につけば、すぐに雰囲気を怜悧なものへと変えて、しゃんと背を伸ばす。
 座り方も、膝を揃えたものではなく、少年めいて膝を崩した形に。

「 ──……ぇ? あ。…ああ。 そうだね 」

 話しかけられるとは思っていなかったのだろう、一瞬意外そうな表情を面に閃かせ、口唇を緩めて淡く笑みを浮かべる。

「 あまり、人が来ない場所… だから。 特に、かな。 人の喧騒も、ここまでは、届かない 」

 性質の良くない人々の集まりも頻繁に行われる王城、ゆえにこうして個室以外で静けさを堪能できる場所はあまりない。
 少なくとも、少年──を装うものにとっては、だが。

ソラム > 「隣、失礼しますね」

少年に一言そう告げると、端の空いている位置に迷惑をかけないように配慮して腰を下ろすだろうか。

「私も此処はお気に入りで、たまにリラックスするために訪れるの」

そんなことを話しながら、夜空に浮かぶ月に目を向ける。
大きく青白い色をした月に、雲ひとつない夜空。文句なしの天候だった。

「.....貴方も、よくここに?」

月から少年へと視線を移し、そう問いかけるだろうか。

アルヴィス > 「 ええ。 ──…どうそ 」

 ほんの少し、腰を浮かせてもう少しだけ端へとスペースを空けるように移動する。
 十分に空間は空いていたが、譲る意思を見せるための小さな動き。

「 僕は、──…此処だけでは、なくて。 静かな場所なら、何処、でも……かな。
 散歩が、趣味だから。
 他には、温室、図書館……中庭。 
 どこにいるとか、特定されるのも、ちょっと面倒くさい…し。 」

 問われた言葉に、少し考えるように首を傾けてから、はにかむように首を横に振った。
 等間隔に置かれた篝火のオレンジ色の光が、噴水を淡く彩り、一刻ごとに彩を変える様子を眺めながら。

「 今夜も、此処に来たのは、偶然。 」

ソラム > 「あらら、それは、なんとも」

複雑な身なのかな。そう思うが、彼女はそこまで追求することはないと判断すると特にはもう問いかけることは無いため、黒いファイルを開き、ペラリペラリとページを捲り始める。

月明かりでファイルの中は少年からは読めるようになっているが、ファイルに書き記されているのは古代に使われていた言葉の数々。
だが、王城の図書館にも類似した内容の記録などが残っているのを彼女は確認済みの為、少年は知っているのかな、そう思いつつも懐からペンを取り出し、同じ古代語で書き足し、新たなページを開くと再び書き始めるだろうか。

「....楽な姿勢にしてもいいんじゃないですか?」

少年に目を向けることはせず、あまり大きな声にしないようにしつつ言葉を発する。
少年の細かな、だが不自然な動きを微細な空気の流れで感じ取った彼女は、少年へ声をかけたのだ。