2021/04/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にフランチェスカさんが現れました。
フランチェスカ > 普段は存在自体、秘匿されていることの多い『人形』だが、時折、
亡き姫君の居室に導かれ、姫君の為に整えられた天蓋つきの広く柔らかな寝台に、
その身を横たえるよう、命じられることがある。

――――――今夜はちょうど、そういう夜、だった。

『姫様』と呼ばれ、枕元の小卓に置かれた燭台の灯火を消され、
もう居ない筈の『フランチェスカ』として微睡み始め、さほど時も経たぬ頃。
姫君の褥に、本人の許可無く訪れることを許され、
眠る姫君を手籠めにすることすら見逃される立場の誰かが、
静まり返った暗い寝室に姿を現す。

王族、貴族、あるいは彼らにとって、何らかの利益を生む誰か。
ひとり、とは限らないが、とにかくそんな誰かの為に、
『フランチェスカ』は用意された供物だった。
微かに寝台を軋ませ、寝返りを打って仰のいた拍子、――――ふと、違和感に瞬いて。

「………どなた、か……そこに、いらっしゃるの……?」

今の『人形』は、姫君『フランチェスカ』である。
声の調子は普段よりはっきりしており、僅かな警戒心すら滲ませていた。

フランチェスカ > 問う声に応えたのは、言葉ではなく、声ですらなく、伸ばされた誰かの手。

息を呑む『姫君』の褥が、誰かの重みを受けて鈍く軋んだ―――――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からフランチェスカさんが去りました。