2021/04/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にリーアンさんが現れました。
リーアン > 「……では、公主様。おやすみなさいませ」

寝台へ向かい、深々と礼をしてから、異母妹の眠る部屋をそっと後にする。
扉を閉ざし、次の間に控えている侍女に後を頼み―――――朧な記憶を頼りに廊下を進めば、
記憶通りの場所に、其れは在った。

重厚な両開きの扉、ぐっと力を入れて押し開けば、独特の匂いが鼻腔を擽る。
高いドーム型の天井、中央の円形ホールを囲むように、びっしりと並ぶ書架、そして書籍。
ひんやりとした、乾いた空気が満ちる其の場所で、己は暫く書架を眺め、
漸く、目当てのものを見つけた。

引っ張り出したのは、此の王国の紳士録とも呼ぶべきもの。
書架の前に佇み、分厚い表紙を開いて、――――――綴られた名前を、ひとつひとつ。
目当ての人物の名を探す眼差しは、ひどく暗い色をしていた。

リーアン > 腕がくたびれてきた、と辺りを見回し、マホガニーブラウンの書見台に目を止める。

ほんの少し、侍女に託してきた異母妹のことが気に掛かったが、
寝所に居たのだから大丈夫だと思い直し。
書見台へ重い本を置き、改めてじっくり目を通すことにした。

情報を掴むまで、下手に動くことは出来ない。
そう決意した黒衣の女は、未だ暫く、此の場を動くことは無く―――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からリーアンさんが去りました。