2021/04/02 のログ
■ロブーム > 「タナールを攻める時の主力だったのだが、あれでも敵わぬか」
根本まで近づかれれば倒れて攻撃するのも難しい。
無理に押しつぶそうとすれば、自分の体重で身体が折れてしまいかねないからだ。
そして、浮かぶ破片は、彼と触手の両方を貫かんと、降り注ぎ、襲いかかる。
「だが、流石にそれで食らってやる訳にはいかんな」
今度は、先程よりも強く杖を振るう。
すると、急に吹いた強風に、破片が巻かれて、空を舞い上がる。
稲光を纏う破片も、灼熱とした破片も、だ。
「さて、このまま君の体力が尽きるまで魔物を召喚し続けるのもいいが――切りがない。そろそろ、私自身がお相手するとしよう」
そう言うと、竜巻が彼女を押しつぶすように落ちてくる。
荒々しくうねるそれは、常人であればその威容を以てソラムを舞い上げ、巻き込んだ破片や砂でズタズタに切り裂くだろう。
だが、彼女にとっては、致命になりうるものでないというのもまた、男には解る事だった。
故に、
「(彼女がこの竜巻に対処している隙に、罠を張らせてもらおう)」
地面に杖を突き刺し、その杖を通じて、周囲の地面に自分の魔力を溶け込ませる。
これで、今までの様に杖を振るわずとも、この一帯は自分が自由に操ることが出来る。
それも、彼女があの竜巻に脱出するのに手間取れば、それだけその範囲は増える――
「(そして、あの力……。あれも上手く利用できるかもしれんな。
例えば、あの力に、私の魔力を紛れ込ませれば……)」
そう、例えば、自分の魔力の制御下にある地面に踏み込ませて、魔力的な繋がりを強制的に作る、とか。
そんな事を考え、男はにやり、と笑う。
■ソラム > 「(思ったより厄介....!)」
鱗に破片や小石が当たるものの、ビシビシと当たるのみで血が流れる様子は一切ない。が、
「(この雷を、使って.....)く、ぅ!!」
再びツノから稲光を放出するが、その瞬間、自身の頭にも電撃に似た衝撃が貫く。
激痛で意識が飛び、竜巻に振り回され、体が外へ放り出され、地面へ一直線に落下していく。
あと少しで地面に激突するところで意識が戻り、ギリギリ______地面との距離が10センチほどのところで急減速し完全に制止する。
「....何かしていた、みたいね」
わからないが男が何かをしたような気を感じ、辺りを見回すが、そんな感じは見当たらず、男には要警戒だなと思いつつ神経を周辺に張り始めるだろうか。
■ロブーム > じりじりと攻めあぐねている様子の少女。
だが、ここまでの戦いで、何となく彼女の弱点は見えた。
彼女はつまるところ――慎重すぎるのだ。
「警戒するのは良いが――しかし、私のようなタイプに、様子見は必ずしも賢明ではないぞ?」
そう言って、彼は杖を振るう。
現れたのは、最初に出した鉄輪――【噛み付く枷】
だが、今度は幾度も杖を振るう。その度に、その鉄輪は数を増やし続ける。
四体だったのが八体。八体だったのが十二体と、どんどんと数を増やしていく――
「そちらが近づかないならば、こちらは数で圧倒するまでよ。
君が蹴散らす速度より、私が召喚するほうが、圧倒的に早いのだからな」
つまり、彼女にとっては二択だ。
ひたすらこの数を相手にするか、或いは、罠を承知で男の近くまで近寄るか――
■ソラム > 「......確かに、ね」
様子見は後手のようなものを感じ取った少女は、男が仕掛けた罠を承知で突っ込むことを決めたようで襲ってくる鉄輪にツノから純白の雷撃を放ち蹴散らす。
雷撃が鉄輪に反射し罠のある地面に衝突していることは気にも止めず、最短距離で男に接近すると、
「(目標捕捉!一気に)叩く....!」
ツノから雷撃を男と椅子を飲み込む形で放ち、背中の翼脚を通じて光線に近いモノを放出し、後ろから向かってきていた鉄輪達へ一斉に攻撃するだろうか。
■ロブーム > 「――捉えた」
雷撃が鉄輪に反射した――言い換えるなら、彼女と地面が雷撃を通じて繋がった刹那。
その瞬間、男の罠が起動する。
よりにもよって、繋がったのが、ツノ――魔力の発生点だったのも災いした。
男の魔力は、彼女のツノを汚染し、ピンク色に染め上げる。
「さてさて。果たして君は堪えられる、かな?」
男がにちゃりとした笑みでそう言って。
彼女が電撃の形で魔力を放出しようとした瞬間。
ピンクに染まったツノは、その魔力を電撃ではなく、自らを発情させる為の身体強化魔術に変化させる。
彼女が使用する魔力に比例して、その発情の度合も違ってくるが――
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からロブームさんが去りました。