2021/03/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にルッカさんが現れました。
■ルッカ > 最初に繋がれた魔導機械の刺激では不十分だと、別の機械を使おうと、
一瞬だけ、機械の拘束から逃れた、その一瞬を見逃すウサギではなかった。
おかしな薬を投与されて、ひどい発情と脱力を強いられていても、
幸いにして小さく、身軽であるので―――――ウサギの姿に戻り、
跳んで、転がるように走って、けれども何故か、ウサギの姿は長続きせず。
数分ののち、細い通路の片隅に、ちいさな人型はうずくまって震えていた。
「む、り、もぉ、無理です、ぅ………おなか、熱くて、
ルッカの、あたま、おばかに、なっちゃう、ですぅ……」
そもそも頭の出来はまるでなっていない仔ウサギだけれど、
薬と拘束と、機械によるもどかしい責めと、そんなものばかりでは、
きっと、だめになってしまう、ということだけはわかる。
ワンピースの裾で辛うじて隠れたお尻の奥は、前も後ろもヒクヒクして、
だらしなく蜜を滴らせ続けているし―――――心臓は痛くて、息も苦しくて。
すっかり泣き腫らした瞳から、また新たな雫を赤らんだ頬へ伝わらせながら、
「くるし、です、ぅ…………おなか、せつない、れす、ぅ…………」
か細い呟きを洩らす仔ウサギの頭のなかには、もう、そればかりだった。
■ルッカ > 舌足らずにふにゃふにゃと、半ばうわ言めいた呟きを嗚咽交じりに、
逃げ出したわりには、隠れているとは到底言えない仔ウサギが、
見つかってしまうのはきっと、時間の問題だろう。
ミレーではない、ただの仔ウサギが、役に立つかどうかはともかく――――
数刻後には、仔ウサギの姿は再び、もとの機械に繋がれているか。
あるいはもっと違った結末が、待ち受けているのかもしれないが―――――――。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からルッカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にリーアンさんが現れました。
■リーアン > 嵐の前兆を思わせる、暗くどんよりとした空の色、窓を叩く風の強さ。
けれども己の胸中には、既にどす黒い暴風が渦巻いていた。
握り締めた右拳の中に、くしゃりと丸められた紙片がある。
其処には――――――公主殿を無事に戻して欲しければ、下記の場所に来られたし、と。
差出人の名も無く、ただ、とある部屋を示す簡素な地図が添えられた其れを、
勿論、直ぐに鵜呑みにした訳ではない。
然し実際、昼食会に出た筈の異母妹の姿は其の席に居らず、
会自体がもうおひらきになっているという。
其処まで確認したところで、己は心を決めた。
指示された扉の前、立ち止まって深呼吸をひとつ。
冷静にならなければ、と己に言い聞かせながら、右手を上げて扉を叩く。
抑えたノックの音を、ふたつ程響かせて。
「失礼、――――――メイホア様を、お迎えに上がった者ですが」
先ずは、穏便な言い回しを用いた。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアダンさんが現れました。
■アダン > 王国に帝国の公主達が降嫁してきてから幾ばくの時が経つ。
長年に渡る戦争相手との突然の融和、その証としての王国の王族・貴族たちとの婚姻。
何かしら裏があるのは多くの人間がわかっていることだろう。
だが、王国は腐敗している。陰謀や策謀も当たり前だ。
帝国公主の降嫁でさえ、自身の欲望を満たすために利用する者も少なくない。
フェリサ家当主のアダンもまた、その一人である。
「……来たか」
王城の一室にてアダンはとある人物を待ち受けていた。
ある公主の護衛の少女を、彼女が仕えている公主の身柄を用い呼び出したのである。
護衛の少女は目論見通り指定した場所にやってきた。
「では入り給え。無論だが、暗器などの類は持ち込まぬよう。
帝国の者どもはそういったことが得意と聞いている。
主人の身柄はこちらで預かっているのだからな」
扉の鍵を開く音がリーアンには聞こえるだろう。
部屋の扉の横には魔術のかけられた箱が置いてあり、暗器などをそこにしまうように扉越しに命じて。
それを置いて扉を開いたならば、椅子に座り尊大な態度の小太りの男と見えることになるだろう。
■リーアン > そも、愛国者を自負する己にとって、王国の貴族たちなどはほぼ敵である。
公主に付き従う身として王城に入り、其の敵意は鎮まるどころか、
日々増殖し、煮え滾らんばかりの憎悪となって、時に己の眠りすら妨げる。
―――――勿論、未だ、面と向かって牙を剥くべき時でないことだけは理解しているが。
然し、其れも相手の出方に拠る、というのが、己の持論。
例えば異母妹の身柄を、或いは生命を脅かすような存在ならば―――――
「―――――――、……」
中からの応えに、扉を睨み据えていた眼差しが傍らへ滑る。
小卓の上に置かれた箱、無視して此の侭押し入ることも考えたが、
肩で荒く息を吐き、髪を留める簪を抜き取った。
衣擦れめいた音を連れて、濡れ羽色が呆気無く解け、背中を覆う。
カタン、と箱の中へ簪を置くと、箱の蓋はひとりでに閉じた。
同時、眼前の扉にかけられていた、何か、が解ける気配を感じる。
躊躇わず扉に手を掛け、ぐいと開いて踏み込むと、
待ち受ける男の顔を一瞥し、双眸をすうと眇めてみせた。
「―――――貴方、でしたか、……フェリサ卿?
流石、と申し上げるべきでしょうか、……随分、姑息な真似をなさる」
良い噂など聞かぬ者の多い城内で、彼もまた、忌むべき腐敗貴族の一員。
噂はやはり真であったか、と、口許に薄い笑みすら刷いて。
「……其れで、……メイホア様は、いずれに?」
けれど問い掛けばかりは、やや性急に。
何しろ異母妹は、未だ幼い子供なのだ。
一刻も早く、このような男の許からは救い出さねばならない。
■アダン > 扉の外で衣擦れの音が聞こえれば、リーアンが暗器を箱の中にしまったのだということは理解できた。
こちらが鍵を開ければ、間を置かずに黒い衣の少女が踏み込んできた。
「姑息とはあんまりな言い方だ、リーアン殿。王都の警備隊の一つを率いる者として当然のことをしたまで。
メイホア公主様とその周囲の人間が、異国に……ああ、君の母国に我が国の情報を流しているなどという疑惑があってね。
君の主君には少々尋ねたいこともあった。故に今、尋問しているところだ。
変にことを荒立てたくない故にこのような呼びたてをしたのだ。むしろ配慮に感謝してほしいぐらいだが」
アダンは公主メイホアの居場所を尋ねるリーアンに向けて、あざ笑うかのような笑みを向けて答える。
王国のため、帝国に機密情報を流しているという疑いのある公主への「尋問」などと平然と述べるが、アダンの事を知るものであれば、その尋問がまともでないことは想像できるだろう。
そして、公主メイホアの疑惑など本来ありえるはずもない。なにせまだ十にも満たぬ少女である。機密情報を流せるはずもない。
リーアンの怒りや憎悪をあえて買うようなことを次々とアダンは述べていく。
「君にもその疑いがかかっている。事が事故にこうして密かに呼びたてしたわけだ。
なにせ、王城に暗器を持ち込んでいたということもわかったことだ。それだけで十二分に疑惑があるといっていいが。
……来てもらおうか。公主もそこにいる。心配するな、幼い子供に手など上げては居ない」
椅子から立ち上がると、リーアンの背後に回り、そのような言葉を告げる。
暗器をわざわざ置かせたのも、彼女を嵌める策略の一つであった。護衛故に暗器の持ち込みなど当然ではあるのだが。
彼女の長袍の上から臀部に触れ、掴む。そんな事を平然と行うのも、彼女の主を捕らえているためである。
「では行こうか」
そう告げると、アダンはリーアンを連れて、部屋の奥へと歩みを進めようとする。
部屋の奥には更に扉があり、地下へと続く螺旋階段がある。
彼女も進めば、その階段を降りていくことだろう。
■リーアン > 表向きの立場としては護衛、所謂お付きの者ではあるが、
己もまた、元々は皇女である。
有力貴族である男を前にしても、少なくとも表向き、怯む様子は見せない。
ただ、男のあまりな言い様に、さっと頬が赤らんだ。
「馬鹿なことを、―――――他の公主様ならいざ知らず、
メイホア様は未だ、……尋問、だなどと、一体、何を……っ、」
怒り、憎悪、そうした感情を抑え込むことに、未だ、熟達したとは言い難い。
睨めつける眼差しには、暗器などより余程鋭く、男を刺し貫かんばかりの光が宿る。
母が違うと言っても、己に懐いてくれている、愛すべき妹であることは変わらないのだ。
思わず一歩、踏み出しかけて―――――危うく踏み止まったのは、
己が既に、男の仕掛けた罠のひとつに、足を取られていると気づいた所為。
「――――――其の言葉、信じても宜しいのでしょうね、フェリサ卿。
もし、メイホア様が掠り傷ひとつでも負っていらしたら……、」
武器が無くとも、己には未だ手があり、足がある。
無遠慮に尻を鷲掴むなどという狼藉を許すのも、異母妹の身柄を
此の男に押さえられていればこそ、だ。
其の無事を担保されている限り、下手には動けない。
ほんの少し、厭う仕草で腰をくねらせはしたものの。
男が促す侭に、己は部屋の奥へと進む。
もうひとつの扉を潜り、地下へ続く階段へ足を掛けて―――――――。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からアダンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からリーアンさんが去りました。