2021/01/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にヨアヒムさんが現れました。
ヨアヒム > 「おお、それはそれは」

 王城の広間に、朗らかそうな男の声が上がる。背の低い、恰幅の良い中年男が、柔和な笑みを浮かべて相槌を打っているのは、みすぼらしくも清潔な服を着た少女。この中年王族に援助された彼女は今日、独立して職を得たこと、孤児院への寄付を始めたことを報告しに来たのだった。

「立派な心掛けだ。かつて己が受けた恩恵を、同じように困っている者達へ与えようとは。誰にでも出来ることではない。気高い行いだよ」

 ティーカップを置いた中年男は、うんうんと頷きながら少女に賛辞を送る。一方、幼さを残す少女の浮かべる笑みは、どこか強張っていた。それは王族の前で緊張しているからか、あるいはかつてこの中年男の寝室に呼ばれ、援助の継続と病弱な妹の治療を仄めかされた挙句、幾度も夜を共にしたからか。

ヨアヒム > 「私で良ければ、何時でも相談に乗ろう。今は大変な時代だからね。仕事が上手くいかないこともあるだろうし」

 太った中年男に見つめられた少女が、肩をすぼめて視線を落とした。その後、二言三言交わした後、少女は深くお辞儀をして広間から出て行った。残された中年男は侍女を呼びつけ、自分のテーブルに新しい茶を持ってくるよう指示し、懐から取り出した手帳に目をやる。

「さて……」

 ひとりごちながら今晩の予定を確認する。援助を求める者がいたか、あるいは援助を求める者との繋がりを求める者がいたか、あるいは「見返り」を取り立てる対象がいたか。穏やかな笑みと共にページをめくる。

ヨアヒム > しばらくした後、やってきた自分の従者に何かを耳打ちされ、その場を後にした。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からヨアヒムさんが去りました。