2020/09/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアントワーヌさんが現れました。
■アントワーヌ > 廊下の角を曲がる際、大きくバランスを崩して、ガタン、と小卓にぶつかった。
置かれていた花瓶が転がり落ち、派手な音を立てて飾られていた花が、破片が、水が飛び散るも、
其れらを斟酌する余裕は、今、己には無かった。
かつりと床についたステッキで辛うじて身を支え、其の場に倒れ込むことだけは堪えたが、
意識は長く保ちそうに無く―――瞼が重い、頭が、もっと重い。
薄暗い廊下のど真ん中で意識不明に陥るのも、時間の問題と思われた。
「まっ、たく……御婦人、と、いうの、は………何を、考え、て、」
肉体、という点で言えば、己も女ではあるが。
王族の姫と言い、貴族の令嬢と言い、宮廷に出入りするような女性と来たら、
男同様、碌な人種が居ない、と思う。
優美なる微笑と共に差し出された杯は断れない、しかしだからと言って、
其処に一服盛るのは、慎みという点でどうなのか。
捕獲される前に気づいて、何とか宴の席からは抜け出してきたが、
もしも誰か差し向けられた場合、追い付かれるのも、捕獲されるのも、
其れこそ時間の問題であるような気がして―――舌打ちを、ひとつ。
ふらふらと、未だ、足を動かせてはいるけれど。
視界が徐々に狭まっており、―――――城外へ辿り着くのは、到底不可能に思われた。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にディコックさんが現れました。
■ディコック > 宴に出てみたものの、大して収穫もなさそうであることから早めに切り上げて帰ることにし。
従者と共に王城の廊下を歩いていれば聞こえてきた大きな物音に脚を止める。
まさか不審者と言うこともないだろうが、流石に無視をすることも出来ず、従者を先に歩かせながら音の発生源へと向かい歩いて。
「どこぞの粗忽者が粗相をしたというくらいなら構わないのだがな。
その粗忽者を仕置きするのは城の者に任せるか、自分でするか……ふむ、まぁ、そこは相手しだいか」
呟きながら音の発生源へと向かえば、ふらふらとしている青年に見える人物と、落ちて割れたらしい花瓶。
どうやらあれが音の発生源らしいと気づき、ふらふらしている若者が落としたのだろうと考えれば溜息を溢す。
「おい、そこの若いの。花瓶をおとして割ったのなら従者なり城のメイドを呼ぶなりして片付けていかんか。
まぁ、そんなにふらふらとしていてはそうも出来んのかも知れんが……まぁいい。
そのような状態ではいつ倒れるか分からんぞ?
少し休息を取ってから帰った方がよいのではないか?
ジェラート伯爵家の当主殿ともあろう者が道端で倒れていては示しがつくまい」
若者が親指にしている指輪についた印章からどこの家のものか判断し、伯爵家の人間であると気づけば高位貴族がそのようなことではと。
とにかく今にも倒れそうな様子に、従者に命じて若者を支えさせようとする。
■アントワーヌ > 普段であれば、勿論、人を呼んで片付けさせる程度のことはする。
しかし今の己は、とにかく一刻も早く、従者の待つ馬車の許へ帰りたかった。
意識を手放してしまう前に、あるいは、正気でなくなってしまう前に。
何しろ、何の薬を盛られたのだか、どんな手を使われたのだか、未だ判然としないのだから。
声を掛けられて、たっぷり一拍、間を措いてから振り返る。
ゆうらりと、幽鬼のような緩慢で無駄の多い動きで、身体を其方へ向けただけで、
ふら、と一歩踏鞴を踏んだ。
鈍く瞬きを幾度か、焦点すら曖昧になってきた眼差しで、ふたつの人影を捉え、
「……失、礼、……ええ、どうやら、少し、体調、が……いえ、
下ま……で、降りれば、家の者、が、――――― どう、か、お捨て置き、を、」
もはや、声を掛けてきた相手の顔すら判別し切れない有り様だったが、
身につけたものが上等であることは直ぐ解った。
明らかに大丈夫では無さそうな口調で、其れでも助けは要らぬ、と告げ―――て、
微笑のひとつも返す心算だったけれど。
主に命じられた従者が進み出て、己の腕を、肩を捉えれば、
支え手の存在を感じて、無意識に緊張の糸が切れてしまったものか。
ふ、と、黒衣の『青年』の身体から力が抜ける。
朦朧とした表情で虚空を見つめ、ゆる、と頭を振る己からは、
酒精の香りも然程漂っておらず―――公爵の従者は自らの主に対し、
薬物を盛られている可能性を小声で示唆するかも知れず。
■ディコック > 声をかけた若者の余りにも緩慢な動きに、一瞬、アンデッドの類かと疑ってしまう。
しかし、発せられた声と内容にきちんと生きた人間であるらしいと確認して。
但し、声の弱さと大丈夫ではない様子に流石にこのまま歩かせて下へ行くのは無理であろうと。
「お捨て置きをと言われてもな、家の者とやらには私が後から従者を遣わすから、まずは休め。
それに……んっ?どうした……ああ、なるほど。
危うく雌豹の毒牙に掛かりかけていたということか、不憫な」
がくんと力が抜けてしまった若者、従者から薬の可能性を示唆されて。
近づいて顔を覗けばなるほどなかなかの美青年、これなら貴族の婦人なりに薬を盛られても仕方あるまいと。
「まぁ、ここで会ったのも何かの縁だ、光栄に想うのだぞ?
普段なら部屋に放り込んで終わりにするところを、介抱してやろうというのだからな。
感謝してくれて良いのだぞ、ジェラート伯爵家の当主殿」
言えば手近な客室へと入って行き、青年をベッドの上に従者に運ばせ、王城の客室なだけあって広いベッド、ふわふわの寝具に青年を寝かせて。
そして礼服を着せたままではきつかろうと、従者に命じて服を脱がせていこうとする。
■アントワーヌ > 空回りし始めた思考回路の片隅では、固辞しなければと考えている。
しかし、一度他人の力で支えられてしまったら、腕にも腰にも膝にも、
もう、力が入らなくなってしまった。
漂うような眼差しが公爵を見上げ、僅かに眉根を寄せて頭を振りながら、
「いえ、……いえ、どうか、―――――私は、もう、帰ら、なけ、れ、ば、」
たった其れだけのことを言うのにも、声が続かない体たらく。
良く知りもしない相手に介抱されるなど、断らなければ、と思うのだが、
―――――結局は彼の従者に抱え上げられ、何処ぞの部屋へ運ばれて行くことに。
豪奢な調度に彩られた客室の、柔らかなベッドの上へ寝かされれば、
気怠い身体は更にずぶずぶと、何処までも沈み込んでいきそうな気がした。
ステッキはあっさり従者の手に、其れから靴が、実に手際良く。
其の手がジャケットの前ボタンを外し、シャツの前を寛げようとした辺りで、
漸く気付いて従者の手首を右手で掴み、
「け、結構、……自分で、出来、ま………、
其れ、より、……馬車で、家の者、が、待機、しております、から、」
其の者を呼んで頂けませんか、と、頼む口調こそ丁寧だったが、
表情は、襟元を庇おうとする左手の動きは、聊か以上に焦り気味に。
先刻、己を抱き上げて運んだ従者は、不審げな表情で主を振り返る。
―――少し間を空けて、声を出さず唇の動きだけで、女性を呼ぶべきでは、と、ひと言。
■ディコック > 貴族としてのプライドか、他人に無様を晒すのを潔しとはしない様子に好感を感じはする。
しかし、支えられてぐったりと力の入らない様子に何を言っているのかと首を振って。
「その従者とやらには後でそのものに呼びに行かせるから、休んだ方が良かろう。
ほれ、そんなに簡単に運ばれてしまうようでは立っているのも辛いのだろうが」
客室へ運び込み、手際よく従者が慣れた様子でステッキ、靴、ジャケットと脱がしていくのを眺めるとはなしに眺め。
そしてシャツをひろげようとしたところで手を掴む様子に首を傾げる。
「自分で出来るように見えぬから、わざわざうちの従者にさせているのだろうが。
ん……?どういう……いや、そういうことか。
ならば、分かっているだろう?」
いささか以上に焦る若者、別に男色の趣味はないのだがと思っていれば従者の口の動きになるほどと頷いて。
入口に向かい鍵をかけて外からの侵入が出来ないようにしている間に、従者は自分の腕を掴む若者の腕を逆に掴み返して。
頭の上で両腕を手首を掴んでベッドに押し付ける形で固定する。
「線が細い男かと思ったが、どうやら違うようだな。
確かめさせて貰おうかな、ジェラート家伯爵当主殿」
入口からベッドの方へと戻ってきて、従者が若者をきちんと拘束しているの確認。
これだけ弱っていれば拘束しなくても良さそうであるが、念には念を入れて。
そしてわざと家名を強調するように言い、青年のシャツの前を自ら肌蹴させていこうとする。
■アントワーヌ > 「い……え、本当に、………家に、帰っ、た、方……が、―――――」
他人に迷惑を掛けたくないのも本音だが、屋敷以外の場所で、
意識を手放したりなどすれば、どんな目に遭うか知れない、という警戒もある。
しかし悲しいかな、もはや自力で立つことはおろか、手足を動かすのも辛い有り様だった。
とは言え、着衣を寛げようとする手がシャツにまで及べば話は別だ。
慌てて其の手を止め、叶うなら振り解こうとすらしたのだが、
従者の手首がくるりと翻り、逆に己の手首を掴まれる。
大きな掌と長い指、其処には、尋常ならざる力が籠っていた。
「や、やめ、っ――――― ッく、うぅ、っ!
はな、せ……離し、………ぶ、無礼な………っ、」
襟元を掻き合わせていた方の手まで捕えられ、強引に頭上へ縫い留められる。
きつく両手を握り締め、腕に力を籠めて押し返そうとするも、
徒に息が上がるばかりで、押さえ込まれた腕はびくともしない。
一旦は視界から消えていた公爵が再び近づいてくると、
其の顏を見上げる双眸には、屈辱よりも僅か、怯えの色が強く滲んでおり。
「や……め、やめて、くだ、さ…………、
離せ、はな、し、――――――――っ、っっ!」
シャツの前をはだけられれば、現れるのは胸元を平らに保つコルセットの存在。
そして、着衣の上から見るよりも、ずっと華奢な身体のライン。
本来、コルセットを外すなら背面の紐を解くべきだが、
男の膂力か、あるいは刃物のひとつもあれば、前から裂くのも難しくはない。
公爵がいずれかの方法でコルセットを取り払えば、其の下には、
『青年』貴族にはある筈の無い、まろやかな膨らみが隠れている。
■ディコック > 「何事もなければそのまま返してやったのだがな、少々確認しないといけないことが出来たのでな。
何、それで何もなければそのまま返してやるから、安心するがいい」
従者がしっかりと手を押さえつけているのを確認し、青年の言葉遣いが乱暴になるのを楽しげに聞きながらシャツを肌蹴て。
目に入るコルセットになるほど、というような目を青年へと向ける。
「このコルセットで何を隠しているのか、確認せねばならぬな。
ふふ、言葉遣いが悪くなったぞ?それに何を怯えている、私には男色の気はないからな、お主が男なら何も問題はないだろう」
怯えの色を強く滲ませた双眸を見つめ返し、もう分かってはいるものの言葉で嬲る様に。
護身用にと持ち歩いているナイフを取り出しては、コルセットを引き裂いていき、膨らみを露わにしていく。
「性別を偽って当主の座に着いたか、これがばれれば貴族位を追われるかも知れぬな。
何せ脚をひっぱろうとしている輩は幾らでもいるのだし。
もっとも、私がジェラート家の当主は女だと言いふらせばの話だが……さて、どうする?
言いふらされるか、それとも私と取引をするか……どちらがいい?」
露わになった膨らみ、ゆっくりと撫でるように手を這わしていき頂きを摘まんで扱いたり弾いたりとして。
従者も下卑た笑みを浮かべて良いおっぱいだと思わぬ眼福を悦んで。
取引の意味がこの状況で分からないとは言わせないぞ、という瞳で青年、改め少女を見つめる。
■アントワーヌ > 押さえ付けられた腕に、関節が軋むのも構わずに力を籠めても、
そもそもの膂力が男女では違い過ぎる上、己は薬に侵されている。
足を力無くバタつかせてみても、どちらの男にも届かない。
ぐっと顰めた眉に、吊り上げた眦に険を孕んでいても、
上気した頬の赤みを映す双眸は、本能的な恐怖に揺れ動いており。
「あ、んしん、なんか、……出来、っ、――――― やめろ……!」
閃く銀色の刃の前に、コルセットは呆気無く切り裂かれる。
まろび出た柔らかな膨らみは、己が身を捩って抗おうとする程に、
豊かな弾力を示して弾み、男達の目を楽しませるばかり。
反射的に顔を背け、男達の視線から逃れようとしたが、
乳房の稜線を這い上がった掌が、つんと上向いた先端を摘まみ上げた途端、
ビクン、と面白いように身を跳ねさせて、
「や、あ、っ――――――――!
……ひ、…卑、怯……者、こん、な、こんな、っ………あ、あっ、」
男の手で玩ばれたことのある胸の先端は、指先の刺激に容易く色づき、尖り、
いやいやをするように首を振る己の唇からは、立て続けに高く掠れた啼き声が零れる。
『触るな』と叫んでやりたくて、けれど、其れを言えばどうなるか、
勿論、理解出来ない程の子供でも無かったので。
恐怖と恥辱とが綯い交ぜになった眼差しで、おずおずと公爵を見つめ。
震える唇をぎこちなく開くと、絞り出すような声で、
「な、に……を、すれば、………
貴方の、沈黙、は、……幾らで、買え、ますか」
そう尋ねる以外、出来ることなど無かった。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からアントワーヌさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からディコックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にディコックさんが現れました。
■ディコック > <次回継続>
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からディコックさんが去りました。