2020/09/19 のログ
■アンヤ > その空気を一転させる、沸騰した頭をキンッと冷ましてくれるのは不満げに歪める口に寄せた水差しの中の良く冷えた水。
果実の香りとほのかな甘みのついた水が口内に満ち、口端から幾分垂れるが構わず、傾けて喉へとどんどん流し込む。
城下を一望しながら酒が良い、が偶には是も悪くないと思えるほどの口当たりの良い果実水に口元は何時の間にか笑みとなり、半分ほど飲めばぷはーっと息を吐きながら口から水差しを放す。
「しかし人間とは欲深き者よ。まあ其処が愛いのじゃが。こう、このような飲み物や食い物は人の欲が生み出したもの、否定はしないがあまりに欲深すぎると胸焼けがな?」
左右の足をぶらり。
笑み浮べる口元のまま溜息も深く深く。
しかしあの貴族どもの必死な顔は滑稽でもあった。
だが――…それ以上に負の感情が匂うのはこの城の地下。
昨今その香りが妙に色濃くなった要因は知っているが正式な願いでもなければ其処に踏み込む心算はない。
もちろん国を守ることに力を貸すのはは吝かではない。
何故ならばこの国は酒も飯も女も悪くない。
ああ、どこぞに身をもてあます貴族の娘や伴侶なくして嘆く愛い女はいないものか?と。
■アンヤ > そろそろ帰るには良い時間か。
帰宅先は気の向くままに、どこぞの大樹の根元でも何処かの空き家でも構わない、さてどこにするか?と口元をニヤっと歪める。
さすがに手摺から外へと飛び降りず、体の向きを浄化の風景を背にする様にくるりと方向転換すれば、ぽんと手摺より飛び降りて王城から立ち去るのであった。
ご案内:「王都マグメール 王城/テラス」からアンヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にメアリ・オーガスタさんが現れました。
■メアリ・オーガスタ > 日暮れを迎え、庭仕事をする者たちが引き上げて、静まり返った庭園の片隅。
木々の陰に隠れて目立たぬ物置小屋の中に、メイド服を纏った儘の己は居た。
梯子や草刈り鎌、ロープや麻布、雑多な物たちが詰め込まれた小屋の片隅で、
両腕で己が身を抱き締めるように、蒼褪めた顔を強張らせて。
目を閉じて絶え入りそうな息を辛うじて繋ぐも、身動きひとつ儘ならない、
理由は簡単―――――栄養失調、だった。
「は、………っ、はぁ、…………」
所謂、空腹、というものを感じなくなって久しいが、酷く喉が渇いている。
此の渇きを満たしてくれるものが、何であるか知ってはいても、
決して自ら、其れを望みはすまいと決めてはいるが―――――
意識が、朦朧とし始めていた。
人間らしい理性を、正気を手放せば、一体何をしてしまうか。
想像もつかないからこそ、隠れているより方法が無かった。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にエイブラさんが現れました。
■エイブラ > (商人として王城へと出入りしたり、時には
常に来ている執事服の所為で使用人として扱われたり。
今日は使用人として扱われ、城内の清掃を複数名で行いそれ
が終わった頃。
掃除道具を所定の場所に戻していれば庭園の手入れ道具が混
ざっていることに気付き、それを直すために庭園の片隅にある
物置小屋へとやってくる)
「こういう重たい物を女性に運ばせる訳にはいかないですからね。
確か物置小屋はこちらの方にあったと思うのですが……ああ、あ
そこでしょうか。
もう少しこういうものを直すところは近くにした方が良いと
想うのですが」
(呟きながら物置小屋へと向かい、扉の前で一度荷物を置いて。
それから扉を開けて道具を持ち中へと入っていき奥に直そう
とそちらを向けば、女性がいることにようやく気付く)
「おや、こんなところに……どうされました?
もしかして、城の何方かに襲われて逃げてきたのですか?
周りにそれらしい人影もないですし、宜しければお部屋まで
お送りしますよ?」
(両腕で身体を抱き締めるようにして顔を蒼褪めさせている
女性、もしかしたら城の住人に襲われかけたのだろうかと思
えばなるべく優しい声音を掛けながら近づいていく)
■メアリ・オーガスタ > 蝶番の錆びかけた扉が、軋みながら開かれる音がした。
ぎくりと肩を揺らして、力無く投げ出していた脚を折り曲げ、
出来得る限り小さく身を縮こまらせる程度の反応はしたものの、
逃れるどころか、来訪者に身構えることすらもう出来ない。
ただ、此方へ踏み込んで来る人物の顔辺りへ、爛々と光る紅玉の一対をひたと向け、
精一杯の威嚇を籠めて睨みつけながら、
「……い、らな、い………お節介、しない、で、
放って、おい、て、………ち、か、寄るな、っ………」
拒絶の意を露わにした物言い、なれど、声は掠れて聞き取り辛く。
相手が間近に顔を覗き込みでもすれば、尋常ならざる血の気の引き具合が見て取れるかと。
小刻みに震える唇だけは、其れでも、不自然に紅く。
■エイブラ > (近づいて行けば更に丸まる様に脚を折り曲げる女性。
こちらを見る目が酷く光って見えれば首を傾げ、床に片膝を
付くようにして屈んで目線を合わせるようにして)
「そういう訳にもいかないでしょう?
随分と顔色が悪いですよ、今にも倒れてしまいそうに見えます
し、せめて救護室に行きましょう?
宜しければおんぶでも抱っこでもして連れていって差し上げま
すから」
(言いながらゆっくりゆっくり、警戒心の強い動物に近づくか
のようにこちらは無害ですよ、と微笑んで。
そして近づけば分かる不自然なほどに紅い唇に瞳の輝きを含め
もしかしたら、人間ではないのだろうかと考えるも、自分も似
たようなものの為に気にしないで、手を伸ばせば触れらるくら
いに近づいていく)
■メアリ・オーガスタ > 男が床に片膝をつけば、微かな軋み音にまた一度、びくりと肩を震わせる。
睨みつけたのは此方の癖に、視線を合わせられると無意識に、
僅か、顎を引いて逃げ腰気味になり。
「煩い、………放って、おいて、って、言ってる、でしょ、う、
い、らない、のよ、私、……私に、は、救護、なん、て、」
認めるのも辛いことだけれど、少なくとも人間の為の救護室では、
此の身体には何の役にも立たないと知っている。
きつく眉根を寄せ、ますます硬く身を強張らせて、全身で触れられたくない意志を示していたが。
相手が更に、と距離を詰めてくる、もう手を伸ばせば触れられてしまう、と悟るや、
嗄れ果てた喉からとは思えない、鋭く甲高い声が迸った。
「来ないで、って、言ってるでしょ、う―――――!!」
そうして、ぜえぜえと苦しげに息を継ぐ。
床の上でますます背中を丸め、身を縮める様は、いっそ消えたがってでもいるようで。
■エイブラ > (こちらの立てる物音にびくりとする様子を見て
余程怖い想いをしたのかと思うものの、光る眼と赤い唇に少し
違うのでしょうかと首を傾げ。
視線を合わせれば顎を引く様子に、悪い相手ではなさそうと
は判断して)
「なんでそんなにご自身を卑下しているのかは分からないです
が、そんなに具合が悪そうなのを放っておく訳にもいかないで
すよ?
救護室に行くのも都合が悪いのでしたら、部屋まで送りましょう」
(頑なに拒む様子に何か理由がある、というのは分かるものの
流石にまだその理由を察するのは難しく。
相手に近づいて取りあえずなだめる為に肩に手を置こうと思っ
た瞬間の甲高い声に少し眉を潜めるものの、そっと肩に手を置
こうとして)
「ますます苦しそうになってるではないですか。
流石に今の貴女を放って立ち去るというのは人としてどうかと
思いますからね。
意に反して申し訳ないですが、救護室、もしくは貴女の部屋に
送りましょう。
部屋はどちらですか?それと、遅ればせながら私はエイブラと
申します。
宜しければお名前を伺いたいのですが」
(何か事情があるらしいものの、ますます苦しそうにする相手
に口で説得するのは難しそうだと判断して。
強引にでも連れていこうと相手を抱きかかえるために密着する
ほど近づいて、強引にでも抱きかかえようとする)