2020/09/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にメアリ・オーガスタさんが現れました。
メアリ・オーガスタ > 雑多なものが詰め込まれた、物置部屋らしき扉を開き、後ろ手に閉じたところで其の場に頽れた。
踝まで隠れるクラシカルなデザインのメイド服の裾が広がり、床に引き摺る衣擦れの音。
俯いて両手で顔を覆い、蹲る其の姿は、城で働くメイドが急な眩暈でも起こしたように見えるか。
然し現実には、己が背にした扉の向こう、物陰には意識を失った半裸のメイドが押し込められており、
己は彼女を昏倒させ、着衣を奪って逃げ出そうとする、立派な狼藉者なのだった。

窓に面してはいない廊下は薄暗く、けれども己の眼には充分過ぎる程に明るく、
栄養失調気味なのも相俟って、座り込んでも未だ眩暈が酷い。
だが、いつまでもこうしてはいられない―――――しなければならないことは多いのだから。

「取り、あえず……服を、……其れから、杖も…………」

此の格好で居れば、少なくとも人目にはつき難いだろうが。
動き易いとはお世辞にも言えず、一刻も早く、いつもの格好に戻りたかった。

メアリ・オーガスタ > 色々と考えることは在れど、如何にも身体がついて来てくれない。
愚図愚図していれば機会を逸する、とは思うのだが―――――

もう少し、もう暫く―――――メイドらしからぬだらけぶりを誰かに見咎められるまでは、
此処でこうして居るもの、と。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からメアリ・オーガスタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/テラス」にアンヤさんが現れました。
アンヤ > ふわりとテラスの手摺に舞い降りる。
無謀としか言えぬ行為を行ったのは理由がある。
――…逃げてきたのだ即ち敵前逃亡。

何故か?
昨今の王城の騒ぎに絡んでくるのだが、どうも保身に走る輩が多々居て、今更複雑な事情が明るみに出るのを恐れ、少しでも幸運にあやかりたいと負の香りをぷんぷん匂わせ、貴族達がすがり付いてきたからだ。

無理だと。
与えられる幸運は其処まで大きくないと。
例えば逃げるときに追っ手を上手くかわせるとか、飛んでくるナイフを紙一重で避けれるとか、その程度それも一度切り、どんなに大金を積まれても無理だと言ったのに。

それでも
どうしても
どうにかならないか
なんとかして
――…さすがに負の感情で胸焼けがする。
大好物でも何でも一度に食べれる量が決まっている。
その辺は人間と変わらないし、受肉した身体は鬼の血を引いてはいるが其処まで大喰らいではない、胸焼けがする。

今宵は何時もの酒の代わりに果実の入った水を水晶で出来た水差し事頂いてきた。

城下を一望できるテラス。
舞い降りた手摺に腰をかけ、城内に背を向け城下に顔を向け、足をぶらりぶらりと揺らしながら一先ず落ち着くまで一息入れてから帰宅しようと。

久々に頬が引き攣りあがる思いである。
眉間にはハッキリと皺、片方に帯状の眼帯をつけている眼も疲れたといわんばかりに閉じていて、明らかに不機嫌な空気を……。