2020/05/15 のログ
ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にネメシスさんが現れました。
ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にセイン=ディバンさんが現れました。
ネメシス > 【PL注】
http://mag-mell.undo.jp/BBS/c-board.cgi?cmd=one;no=98;id=marebito#98
非公式イベントの祝勝会の会場です。
上記リンクにもある通り、会戦イベント参加の有無に関わらず参加歓迎ですのでお気軽にご参加下さい。
途中出入りOKです。

ネメシス > 日頃は固く門が閉ざされている王城であるが、今宵は門が解放され、身分の貴賤に関わらず誰もが出入りできる。
と言うのも、今宵は先日ハテグの地で行われた一大会戦の戦勝を記念しても祝勝会。

王侯貴族が主催のマグメールの国威掲揚を兼ねての祭りである。
国威掲揚と言えど、主催の王族の性格からマグメールに住む全ての者が参加を許されており、
常識はずれなふるまいをしなければタダで酒や美食を堪能できる日。

「はぁ~、早速普段城では見ないような人たちが飲み食いしてるわね。
私も人の事は言えないけど。」

ネメシスもまた、団員達の中から素行が"比較的"ましな連中を引き連れ、パーティー会場でアップルジュースを飲んでいる。

王城入ってすぐの庭を開放しての大がかりな祝勝会であり、普段城に近づくこともないような平民の子供たちの姿さえ見かける。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」に影時さんが現れました。
セイン=ディバン > 「……やれやれ。まさか、王城に侵入ではなく。
 真正面から入れる日が来るとはな」

賑やかな祭りの中を歩きながら、男は小声でそう呟く。
見渡す限り、酒に食事に、と。
かなり豪勢な祭りであるようで。
そこで男は、今回の戦の最大功労者を見つけ。
近づくと、ゆったりと一礼を。

「どうも、ネメシス嬢。
 先の戦いは見事な指揮だったな……でしたね」

粗雑な地が見えてしまい、一度咳払い。
そうして、ネメシス嬢に笑顔向け。

「この国の歴史において、身分出自問わず。
 協力して敵を打ち倒した、なんてのは。
 今回が初めてかも知れませんな」

つまり、貴方は救国の英雄だ、などと。
冗談めかして言う男。

ネメシス > 「あらセインさん。
別に敬語じゃなくていいのよ。」

英雄の一人であるセインの登場で、場が盛り上がる。
本人が今後どのようなスタンスであろうと、暫くは王都では目立つ存在になってしまうだろう。

「どうかな?
この国の歴史ってあまり知らないんだけど、
前にもこんなことあったんじゃない?
それに、貴方も救国の英雄よ?」

給仕を呼びつけ、セインの好みの酒を持ってこさせる。

「実際、貴方達の戦力があったから勝ったようなものよ。
うちの戦力だけならあんな包囲陣、ずっとは維持できなかったでしょうから。」

影時 > 名目と云えば――些少でも、着飾るべきなのだろう。
だが、そうしなかったのは「わざわざせざるをえない」という必要を覚えなかったという点と、異邦人としての記号故だ。
侍然とした装いから一つ、常であれば左腰に帯びる刀を信用置ける処に預け、祝賀会として開かれた王城へと足を向けよう。

「……どうにも落ち着かんなァ。否、真っ当な手段ではあるのか」

服装やら身分の調達やら、少しは真っ当に近い手段でこの城へ踏み入るのではなく、散歩同然な気分で件の場所に踏み入るとは。
無紋とはいえ、手に入れられる限りで良い生地で仕立てた羽織と袴という装いに対する奇異の視線を受け流しつつ。
まずは見回そう。昨今の騒ぎに加えて、別の城塞都市での戦役がまだ収まっているという話は聞かない。
にも拘らず、此処には豪奢の二文字で酒と料理が並ぶ。

「喜捨……ってコトバは違うわなあ。まだ、余裕はあるってコトなのかね、と。

 こいつは貰うぞ。嗚呼、瓶もな」

はて、と。首を傾げつつ思考を巡らせれば、給仕の女が運ぶ盆の上の酒瓶と硝子の酒杯を掠めとろう。
応えも何もない。気づかせる前に霞めとったそれ等を手に、向かう先は人の流れの間の一角。

「いよゥ、お二人さん。いつぞやはまともに挨拶できずに済まなかった」

戦地で見覚えのある女と男の顔が、その先にある。
髭は剃り、旅塵に塗れこそはないが、彼らとは違う装いの男が会釈と共に声を投げる。

セイン=ディバン > 「いや、そうもいかないっつーか……」

実際のところ、この男はネメシス嬢の計画立案に従ったのみ。
……まぁ、その計画も。『冒険者を率いて遊撃隊として自由に動け』というものだったのだが。
形の上では、男は先だっての戦、ネメシス嬢の部下だったわけである。
とはいえ、少し話をしていれば、すぐに地金を晒すことにはなるのだが。

「ま、そりゃあ大昔ならそうかもだけれども。
 最近は、なかなか無かったんじゃないかな?
 ……いやぁ、冗談。英雄とかガラじゃねぇっつー」

所詮自分は冒険者だ、と言いつつも。
男は、お気に入りの麦酒を飲み。
苦笑を返す。

「いや、どうだろうな。
 オレにしてみれば、騎士団の練度の高さあってのものだと思ってる。
 あとは……いろんなメンバーの力あってこそ、だね」

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にナインさんが現れました。
ネメシス > 「あら、ゴーレム軍団にトドメを差してくれた英雄じゃない。」

ネメシスはドレスを翻し、影時の元へ。

「最後の一撃は凄かったわね。
当然、二人とも映像に収まってるから、
暫くはどこに行っても有名人よ?

…あと、影時さんにはこれね。」

ネメシスは給仕に声をかけ、一冊の封筒を影時に差しだす。

「これ、最後に止めを刺した英雄さんへのプレゼント。
半年間、どこの宿に泊まっても宿代が王城支払いになるそうよ。
但し、城に言っても問題ないお宿にしてあげてね。」

セイン=ディバン > 「おっと、最大の功労者がネメシス嬢なら。
 最大の戦果を挙げた人物のお出ましだ」

声をかけられれば、男は声の主へと視線を向け。
その姿を認めれば、そんなことを口にする。

「あぁ、戦いの混乱の中で、自己紹介できてなかったな。
 改めて。セイン=ディバンだ。
 見事な戦働きだったな。え~っと、確か……。
 影時さん、だったか? 貴族が最後に名前を読んでたよな?」

まちがってたらゴメンな? などと言いつつ。
男は、相手に向かってジョッキを掲げて見せる。

「勝利と、アンタの素晴らしい戦への幕引きに。
 乾杯」

ニッ、と笑いつつ。乾杯と言い、さらに酒を呷る男。
相手の実力の全てを見たわけでもないが。
少なくとも、信頼に値する実力者である、と男は思っている。

ナイン >  追加だ。あぁその辺りで頼むよ――皆も手を出し易かろうさ。

(会場へ、亦新たに。複数のワイン樽が運び込まれる。
設置場所を問う人足達に…比較的入口近く。顔を出しただけの者も、汲まれた酒杯を受け取り易い場所を指示すれば。
樽を並べ栓を開け、注いでは配るという物理的手間は、城仕えの侍女等に任せ。
辺りを見回し――嗚呼、と。目当ての者達を直ぐに見出す事が出来たから。
するりと人混みを抜け、戦場に立った者達へ。歩み寄ろうか。)

ネメシス > 「いやいや、そういうの関係ないから。」

ネメシスは二人の活躍に目を奪われた一人であったため、
謙遜するセインを肘打する。

「おかげで空気がよくなると良いんだけど、
今度は城塞都市の対応もあるし、難しいわよね。

そんなことないわ、貴方達みたいな突出した戦力は騎士団にはまだ少ないし。
ほんと、マグメールって凄い国よね。」

束ねればこれ程頼りになる戦力が集まる国などそうはいない。
何せ、正規軍がほとんど参加できなかった中での勝利なのだから。

ネメシス > 「あらナインさん。
ご支援ありがとう、おかげで大勝利だったわよ。
おまけに今日も酒樽の提供助かるわ。」

近づいてきたナインに会釈するネメシス。
事実、彼女たちの協力により物資も医薬品も使い放題であった。
冒険者の中には日ごろ使った事のない高級な装備を着用した者も居たそうだ。

彼女たちのような力のある貴族が居ることもこの国の特徴なのだろう。

「「おおい、今日も物資が大量だぞ。」」

王城に現れた冒険者達が提供された酒樽に集まり、飢えた獣のように酒を飲んでいる。

セイン=ディバン > 「げっ……ナインちゃん……じゃなくって」

思わず、げっ、とか言ってしまう。
いや、この男は別段、問題の少女のことが苦手とか嫌いとかそういうことはないのだ。
ただ、こういう場で出会うと、イヤに緊張してしまうだけで。

「……なんていうか。
 お疲れ様?」

ネメシス嬢の言葉を聞くに。ナイン嬢も裏で相当仕事をしていた様子。
なので、まず男は頭を下げ、お疲れ様です、と挨拶し。

「……」

そうして、次に何を言えばいいのか、と考え込んでしまうのだ。
なにせ、この相手とは、色々と深い仲なので。

影時 > 「英雄とは、こそばゆいったらありゃしねェや。ただの剣士風情に」

何はともあれ、一旦は両手の盃と瓶を提げて礼をしよう。
腰を曲げてお辞儀の形に頭を下げる姿は、背丈もあれば其れなりに様にはなったろう。
本来の業の出本は隠し、ぼかすには良くも悪くも丁度良かった。
剣というのは、これもまた注意を向けるための記号となる。

「……――ほどよく斬れる箇所にモノがあった、それだけのことよ。
 ああ、そうだ。セイン氏。影時であっているともさ」

一瞬反応が遅れたのは、映像に収まっているという言葉だ。
微かに眉をひくつかせたうち、己が名を思い出す男に対して間違いはないと頷く。
その後に、ドレス姿の女から差し出される封筒を一旦近くの卓に瓶と杯を置き、受け取る。その品書きに口の端を釣り上げ。

「こいつは有難く、頂いておこう。暫くは宿代に困らなくとも良さそうだ。
 何はともあれ生きて、飯にあり付ける。そのことに乾杯だ」

有難く封筒を懐に納め、かすめ取ってきた酒瓶の封を抜く。
薫るのは明らかに強いと感じる酒精の濃さだ。ほどよく冷えた其れを杯に注ぎ、「乾杯」の句に合わせて掲げよう。
そうしながら、周囲を見回すのは何処か値踏みの気配も混じる、遠く眺めるような目つきだ。
歩み寄る姿を垣間見つつ、餓えた獣の如く響く声は、あぁ、なるほど。従軍した戦団のそれだろうか。

ナイン >  や、ぁ。案の定…という言い方は悪いけれど。
 思った通りの働きをしてくれて何よりだ。……っ、と。

(先に向こうから声を掛けられた。
手を挙げて答えれば。早速酒樽に集まり始めたらしい冒険者達の声に苦笑しつつ。
ひょいともう片手に握っていた酒瓶を、ネメシスへと放り渡そうか。)

 其奴は個人的な分。…シェンヤンの林檎酒さ。
 酒精はそう強くもないし、飲み易い代物だから…

(慣れるにはもってこいだ、等と付け足してみせる。
前回話に聞いた通り、彼女が王族によって受勲されるなら。
そういうつきあいも増すだろうと鑑みた…という所だろうか。

…さて、それから。何ともツッコミ所満載の声を上げてくれたセインに振り返れば。
にやぁり、と。とてもとても悪そうな笑みを唇に貼り付けて。)

 っく、く。どうしたセイン?
 心配せずとも、こういう所で羽目を外すような真似はしないよ。

 …あぁ。我々は、我々なりの。貴男達とは別の戦い方をした。
 そういう事でしかないのだから、気にする必要はないさ。

(ぽんと。肩を叩くに留めるか。…此処では、と。不穏な一言も有りつつだが。)

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にメイドさんが現れました。
ネメシス > 「いやいや、ここに居るのは皆英雄よ。
誰一人欠けてもこの作戦は成立しなかったわ。
なにせ、城塞都市、タナールと続いての他方面作戦よ?
この国、色んな意味でぶっとんでいるわ。」

影時、セイン、ナインの三名に視線を向けていれば、軽い酒瓶が手元へ飛んでくる。

「えぇ~~~、本当に?」

ナインの気遣いに感謝しつつも、酒が苦手なネメシスはぎょっとした顔を見せる。
グラスが空になった所で、頂いた酒瓶の中身をメイドに注いでもらう。

「あら、確かに良い味。
飲みやすいかも。

あ、所で…。」

リンゴ酒を一口煽った所で軽く口を動かして。

「正式な叙任はまだだけど、私近日中に侯爵になるから。
今後ともよろしくね。」

飲んだ序とばかりにポツリと呟く。

セイン=ディバン > 「ただの剣士、ね……」

男は、影時氏の言葉に、薄く微笑む。
ただの剣士があそこまで見事に闘えるだろうか? と。
疑問には思うものの、口を挟んだりはしない。
つづいて、ナイン嬢へと振り向くと、相手の笑顔が目に入った。

「う。なんか楽しそうじゃん。
 ……そうしてもらえると助かるわぁ。
 人に見られながら、ってのは、キライなんだ。
 ……改めて、お疲れ様。
 じゃあ、いずれナインちゃんに労いをしないとかな?」

といっても、オレにできるのは身体でのご奉仕ですが、と笑いつつ。
相手に笑顔を向け、メモを渡す。
メモには、汚い字で。『セインが一度だけ、何でも叶えてあげる券』などと書いてあって。

メイド > ナインの2・3歩下がったところに、一人の小さなメイドがいる。
 ワインのグラスを乗せたお盆を手にし、静かに参加者にお酒を配っている。

「ナイン様、こちらをどうぞ。
 セイン様に、景時様、ネメシス様も。」

 ふわりと、スカートを小さく浮かせつつ、小さな手のひらは、一つ一つ、丁寧にワイングラスを差し出す。
 小さなメイドは、受け取れば軽く、スカートをつまんで、足を軽く落としお辞儀をしたのちに、ナインの後ろに移動をする。

ナイン >  で。…成る程其方が。
 ぁは、暫く目立つのは仕方がないだろうさ――貴男にも、やれどれだけの受勲を施すべきか、と。
 結構紛糾していたものだし。

(初見とはなるが、影時が此度の戦で、どういう働きをしたのか。既に把握している口調。
ひょっとすれば。早速、件の映像とやらを見たのかもしれない。

尚――多分彼なら気が付くだろう。
此の少女から即かず離れず、といった塩梅で。影から護衛しているのであろう一つの気配。
所謂、気による分身、という奴であるらしいが――屹度。慣れ親しんだものの筈。)

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にタマモさんが現れました。
ネメシス > 「あら? ナインさん、いつからそんな可愛いメイドさんを?」

可愛い子となれば、他人の従者であろうと構わないネメシス。

目敏く、小さなメイドさんの可愛らしさに気が付くと、紹介してくれない?
とばかりに視線をナインに送る。

「ありがとう、可愛いメイドさん。」

小さなメイドから新たなグラスを受け取り、汚れたグラスを返して。

ナイン >  あぁ、割とジュースみたいな物さ。頑張って慣れておいて…その内、酒席に付き合ってくれ。

 …そう、貴女が爵位を賜る時だって。祝いの席に、酒は付き物なのだから。

(主役は頑張って乾杯の音頭を取ってくれ、とネメシスへ。
その侭。背後から掛けられた声に応じ、手を伸ばしグラスを受け取って……おや、と。
先程迄、影から己を護っていた少女が。何処で手に入れてきたのやら、メイドに扮して。その場に立っていた。)

影時 > 「林檎酒か。シードルとかいう奴を前に呑んだことがあるンだが、同じ奴かね?」

これでも酒好きだ。麦酒の類も様々に呑み慣れたが、酒に馴染む取っ掛かりとしては果実酒は悪くあるまい。
見える範囲の上でしか判断のしようがないが、既知と思しい女性二人の遣り取りを聞きながら己の盃を舐める。
かすめ取った瓶は、どうやら思ったよりも強い奴らしい。
酒に弱ければ、一口するだけで顔が赤くなりかねない。値も相応するだろうと判じながら、

「……侯爵とは、随分と経上がるものだなァ。これはこれは余所者の俺もまたビックリだ。

 そうとも、ただの剣士さ。生憎とその証は置いてきた。物騒だからなあ。
 だが、たしかにそうか。普通ではないな。色々と。ああ、色々と、な」

確か、と。伝え聞く限りの身分を思い返す。見目で云えば若いの一言の女が、そこまで経上がるというのは愕きである。
その意味合いも含めて考えれば、驚きではあるだろう。
単純な武勲故か? それとも、己が知らぬ他の由縁も積み重ねっての仕儀か。
訝しげにしながらも、一先ずは軽く手を打ち合わせよう。祝福の拍手代わりに。

タマモ > そんな賑わう会場の隅、こっそりと現れ、並ぶ料理とにらめっこをする少女。
とりあえず、内容はともかくとして、美味い料理が出るからとやって来たのだが…
こういう場に出る料理は、油断ならない。
確かに豪華ではあるものの、苦手なものがよく混じっているからだ。

しっかり、じっくりと、食べれそうなものを選出し、手を伸ばす。
失敗は許されない、とか何とか、一人勝手に勝負の世界に浸っていた。

セイン=ディバン > 「あぁ、こりゃどうもってぇぇぇぇぇ!?」

近くに来たメイドさんから酒をもらうが。
男は、素っ頓狂な声を上げる。
気のせいだろうか? 物凄く、見覚えがある気がするのだが。
いや、しかしてここで変な反応をしては相手に迷惑がかかるかも、と思い。
男は、咳払いをし。

「どうも、可愛らしいメイドさん……」

と、ネメシス嬢同様礼を言うのだが。

「……なぁ、ネメシス嬢。
 一つ聞きたいんだが。
 この国で、寒村出身の冒険者如きが成り上がるには、どうしたらいい?」

爵位と聞き、男はネメシス嬢に真っ向から尋ねた。
男なりに、思うところがあるらしい。

影時 > 「……――ぉ、ああ、ドーモ。気が利くな」

丁度手持ちの酒を飲み干した処で、入れ替わるように差し出されるワイングラスを受け取る。
小さなメイドだ。丁度、己の弟子と同じかそれ位だろう――いや、ちょっと待て。
素っ頓狂な声を響かす横手を訝しげに見ながら、苦笑を深めて感謝とばかりにグラスを掲げよう。
仮に真実であるとすれば、とやかくは言うまい。私事まで深く踏み込む事項ではないからだ。

「俺をお見知りおきとは、話が早いというか、有難い、というべきかね。
 特に目立つ仕事をした気はないンだが、落としどころとしては妥当だろうよ。

 何せ、大荷物の類は嵩張って困る。気ままにその日暮らしにもなりかねん身分なんでな」

そして、メイドが護衛していると思しい女貴族の方に会釈を向け、困ったように笑う。
無報酬でも金一封程度でも困りはしないが、わざわざ用意してくれたとは。気遣い痛み入ると、そう言葉を足して。

ナイン >  …ん。……んん…?

(どうにも先程から。誰かに会う度驚いている。
そんな気がしてしまう、メイドに対するセインのリアクション。
…まぁ顔の広い人間なのだろうから。それだけ知り合いに出会す割合も高いのだろうか。
そう、納得しておこうかと。)

 ぁ、は。有難く頂戴しておくよ。
 そうさな、少なくとも――アスピダの方が片付いて、色々と落ち着いたら。
 その後色々とこき使わせて貰おうか。

(母の日に幼子が送る肩叩き券のような代物だが。対象が彼であるなら、貰っておいて損はない。
この格好で何処に仕舞い込んだのかは、敢えて語りはしないのだが…ともあれ。
宣言通り色々と。カラダで払って貰う事となるだろう。払い方がどうなるかは、さて、恐らく彼次第。)

ネメシス > 「本当ね。
こんなにおいしい酒が飲めるのなら、シェンヤンも良い国みたいね。」

ナインからもらった酒がおいしかったと言うだけで良い国扱いのネメシス。
実際、北の国とは交流が少なく、情報が乏しい。
交流が出来るのならそっち方面にも手を伸ばしてもいいかも知れない。

「う~~ん、なんていうか。
私って色々あって結構広い範囲を支配しているじゃない?
それを公に追認する形での受勲らしいわよ。
なんていうか、大きな首輪を嵌めた感じかしら?」

影時の疑問はもっともである為、そうなった経緯を答える。

「冒険者ってのは関係ないと思うけど…。
私みたいに徒党を組むとか?
やっぱり、個人ってのはどうしても出来る範囲が限られると思うのよね。」

セインの疑問に答えつつ、新たに姿を現したタマモにも声をかける。

「こーんばんは。
この間はありがとう。
おかげで良いのが撮れたらしいじゃない。」

メイド > 「いいえ、お仕事ですから。」

 瞳を伏せたままに、少女はネメシス様の汚れたグラスを受け取り、言葉に軽くスカートを片手でつまんで、お辞儀をして見せる。
 おや、という表情をするナイン様、今回は陰ではなく本体がいる。
 影は―――別の所で、毒混入などを調査し、それを処分しているところ。
 ちなみに、メイド服は、彼女の家のメイド服をちゃんと借りてきているのだ。

「セイン様、如何が成されました?」

 にっこりと笑って見せるメイドは、何か、不作法ございましたでしょうか、と首を傾いで。
 全員から、空になったお酒のグラスを受け取り、下がることにする。
 しばしして戻れば、安全が確認できた食事を持ってくる。

 サンドイッチに、フルーツ、肉。
 様々な食材の乗ったお盆。

タマモ > 確実に攻めるか、冒険をするか。
今ら並ぶ料理を見詰めたまま、腕を組み、考え込み…

と、そこで、ぴくん、と耳が揺れる。
掛かる声に、気付いたからだ。

「ふむ…お晩じゃのぅ。
いやいや、まぁ、与えられた仕事をこなしただけじゃ。
………せんと、また何を言われるか…」

挨拶代わりに、ひらりと手を振る。
そして、その言葉に、ふっ、とどこか遠くを見詰めるようにして、そう答えるのだった。

ナイン >  おっと。私は彼女を雇っているだけさ。
 ……そういう事は、きちんと当人同士で話を付けてくれないと。

(そういう事、というのが。どういう事なのかは言わずとも。
ネメシスの性豪ぶりという物を知り得た上での発言なのだろうから、察しろ、という所。

其処から繋がる縁が有るかは、亦今後次第だが。
影時へも改めて。躰毎向き直り。)

 その、落とし処という奴が。戦では大事なのさ。
 貴男が、敵の退く契機を作った。それが戦場での落とし処。
 後は我々が敵に対して、先後処理という落とし処を示す――残念ながら。
 どうにも今回は、相手が何処の国とも。未だ知れないのだけど。

(少し、溜息。戦場が一段落したものの。此方は手詰まりなのだ、と。
ともあれ彼の謝意には、軽くいらえるように答えて。)

ネメシス > 「貴女って、ミリーディアさんが送るって言ってた戦力なのよね?
えっと、二人はどういう関係なのかしら。」

タマモの前まで近づき、顔を覗き込む。

「あ、改めて自己紹介するわね。
私はネメシス。 聖バルバロ騎士団のネメシスよ。」

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」に紅月さんが現れました。
セイン=ディバン > 「い、いや。なんでもないんだ」

あれ、やっぱり見間違いだった? などと考えつつ。
それでも違和感が払拭しきれないのか、メイドさんをチラチラ見てしまう。

「ん、ナインちゃん、アスピダの方にも一枚噛むのか。
 ……だとすると、オレもそっちに足を伸ばそうかな。
 ……あぁ、いくらでもコキつかってくれ」

ただし、一回限りだよ、と言い含めつつ。
この男の場合、頼まれれば断れないのではあるが。

「徒党、ね……。
 じゃあ例えば、信頼できる仲間と、ネメシス嬢みたく。
 騎士団みたいなしっかりとした組織を作るとか?」

それこそ、向きじゃねぇなぁ、と笑いつつ。
しかし、男はその意見を胸にしまっておく。
案外に、そのアドバイスが役に立つかもしれない。
そうして、男は影でこそこそしている大妖をみてため息を吐くのだ。
またあの人は、なんかしてるなぁ、などと苦笑しつつ。

ネメシス > 「え、そこは一声掛けてくれないの?
ほら、彼女ちょっと近づきがたい空気出してるじゃない。」

ナインに近づき、耳元で囁く。
恐らく、メイド本人にもばっちり聞かれているだろうが気にしない。

ネメシス > 「そうそう、うちみたいなね。
でないと、貴方一人がどれだけ強くても見れる範囲って限度があるじゃない。
要はどれだけの人を助けてあげられるかじゃないかしら。」

ナインにべたべた引っ付きながらも、セインの言葉に耳を傾ける。
実際、大きくなってきた騎士団は多数の人員を抱えこんでおり、
ネメシスが居ない間も城塞都市方面で戦線の維持に貢献していた。

タマモ > 続く言葉に、かくん?と首を傾げる。
少し間を置いて、ぽんっ、と手を打った。

「…あぁ、みーちゃんの事か。
色々とあって、何じゃろうか、協力関係?みたいなものじゃろうな。
とは言っても、今は、撮影を任されておるだけの身じゃ。
そんな、小難しい話ではない…多分?」

と、そうまた返しながら、視線を返し。

「おっと、名乗られたのならば、返すのが筋じゃろう。
妾はタマモじゃ、覚えておくも忘れるも、お主次第じゃ」

と、いつもの言葉を相手に向けておくのだった。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
影時 > 「色々あって、ねぇ。――余所の出でも少々気になっちまうトコだなァ、そりゃ。
 苦労は若いうちにしておくものとは云うが、よくよく気を付けるこった。
 服や土地も広けりゃ、それを切り取らんとするものは何処にでも居る。何処の空でも同じよ。

 生憎と俺は眺めてるだけにすぎンが、世間慣れが過ぎないうちは心得ておくこった」

興味本位ではあるが、よそ様の事情を根掘り葉掘り探ってみるのもいい気がしてきた。
だが、直ぐに引っ込める。その情報は今己が、暇潰しに探った処で相互に良いことになるとは限らない。
故に見た目以上に積んだ経験と記憶が故に、そうネメシスへとアドバイスを足しておこう。
君主と貴族社会のあれこれの凌ぎ方は、荒波の間を舵取る船乗りのそれに似る。

「そいつはァ、ご尤もだ。キリが無ェのは御免被りたい事柄よ。
 挙句の果てとして何処ぞの国が滅びた、どうなったかなんぞは俺には余りある。

 余所者の正体が付かんのは気になるが、……刀を抜くタネは尽きそうにない。それだけは在野のモノとしては有難いかぎりだな」

正体が付かない、と。ナインの言葉を吟味しつつ、首を傾げる。
そうなれば次がある可能性は高いだろう。如何なる手管、手腕でこの国に近づくことか。

ナイン > (ネメシスの良い国認識には、少しばかり苦笑した。
どれだけ国風やら国民性やらが良かろうと。結局は国と国、交わりもすれば争いもする。
公主の件が片付けば――さてどうなるか。其処の所は、将来の話題になるのだろうか。)

 そうさな。勿論、そういう意味は有ると思うよ。
 貴族というのは、本来――権利を主張する為だけの物じゃない。
 果たさねばならない義務をこなす為に、見合うだけの力を約束される物なのだから……ぉ、っと。

 そういう堅苦しい話は。別の機会にしておこうか。

(ついお説教臭くなる物言いは。貴族の本分という物が、大勢に忘れ去られて等しいと。憤懣やるかたない故か。
肩を竦め、グラスを差し出し。遅ればせだが…彼女との乾杯を。)

 と、ん……?ほぅ、貴女が。
 ぁは、確かに――迫力の映像、という奴だったよ。
 試写に噛ませて貰ったけれど……嗚呼、あれは確かに。戦意高揚というのに、良い代物になりそうだ。

(彼女の挨拶する相手。…タマモ、と言うそうな。
名前だけは映像絡みで先に聞いていたのだろう。
其方へも、ちょいとグラスを掲げてみせる。)

ネメシス > 「ミーちゃんって…随分可愛い名前をしてるのね。
私も今度会った時、ミーちゃんって呼んでみようかしら。」

会議での印象と、呼び名のギャップに笑みが浮かぶ。
ミーちゃん…読んだ時の反応が楽しみである。

「で、貴女はタマモさんね。
珍しい名前ね。」

東方らしき名前はどうしても珍しい。
故に強く印象に残ることになるだろう。

メイド > 「何か。ご要望あれば、どうぞお言いつけくださいまし。」

 全員に挨拶をして軽くお辞儀をし、隅のほうに。少女はメイドであり従者、メインではないのだ。弁えて下がっておく。
 セイン様の反応に対しても。
 ネメシス様の軽口に対しても、少女の反応はない。

 ナイン様の命令であれば、反応はするだろう。
 それ以外では、ただただ、酒を配り、食事を渡す給仕でしかない。

 なれば、タマモ様に、東洋の米の酒をそっと差し出して。
 景時様にも、お変わりの米の酒を。
 新たに来た紅月様にも、コメのお酒。

 彼女らは特徴的な服装だからわかりやすい。
 汚れた皿を片付け、新しい食事を運ぶメイド。

紅月 > からん、ころん…
きゅっと結い上げた紅の髪を揺らしつつ、会場内をのんびりと散策する。
手には皿、その上には肉汁あふれる一口大に切られた上等なステーキ。

「おいし…来た甲斐あったわ……」

治癒術師として後方支援をしていたからか、お呼びがかかるままに祝賀会に来たものの…相変わらず、色気より食い気であるようで。
うっとりと舌鼓をうちながら、けれど視線が甘味の方へと泳いでいく。

…英雄たちの大集合には、まだ気づいていないらしい。

影時 > 「…………」

そして、気づいた。何か居ると、と。
狐の耳と数本の尾と。それらの特徴が総合する何かというのは、己の中に言葉がある。

「おぅイ、メイドさんや。豆腐や油揚げの類は無いか? 無ェわな。シェンヤン渡りや舶来の米酒も無ぇか?」

捧げものとなりそうな類があれば、調達できないだろうか。
流石に前者については無理難題極まりないが、米酒の類は在ったらしい。
ワインを呑み干し、蒸留酒を間に含んでは新しいコメの酒を受け取る。顔色を変えることなく、今は酒に舌鼓を打つのだ。

タマモ > ワインは良い、料理と違ってハズレが無い。
そう思いつつ、ワイングラスを手に、注がれたワインを見遣り。

次いで掛かる声に、かくん、と首がそちらへと向く。
見覚えは…うーん…どうやら、無いようだ。
でも、とりあえず、何か褒められてるようだったので、胸を張って。

「ふふんっ、妾の手に掛かれば、あの程度の事は造作でも…
しないと、またさぼっておると、怒られてしまうからのぅ?
ともあれ、そう判断されるものであったならば、一安心じゃ」

まぁ、とりあえず、顔は覚えておこう。
そんな感じに、答えながら、唇にグラスを添えて傾けるのだ。

ナイン >  寧ろ噛まずには居られないさ。
 此の国を護る。それに関して、敵が何であれ誰であれ。するべき事は変わらないだろう?

 その上で。貴男達にはもう暫く。手を貸して貰う事になりそうだよ。

(アスピダの事象に関する、セインの言葉への返答でもあり。
同時に影時に対しての、未知の敵と相対する意思表示でもあった。

さて。セインを一回こき使えると言われると。また悩む事となりそうだ。
確かに戦に使うのも良いのだが…個人的な「おねがい」も、なかなかに価値が有りそうなのだし。)

ネメシス > 「まあ、そうなるわよね。
今後は気を付けないといけないかも。
でも、私たちがする事って結局はドンパチおよ。」

影時のアドバイスにはうんうんと頷いた。
事実、宮廷での争いには経験がないネメシス。
とは言え、騎士団が武力を有する間は仕事には困らない。
今後も城とは一歩引いた位置を保つことになるだろう。

「と言うわけで、成り行き上、私も貴族だから。
振る舞いから何まで勉強中だから、
今後は宜しくね。」

先日の会議の場でも、貴族としての振る舞いはナインの方が熟知していることは承知済み。
そっちの土俵では到底かなわないことも。
故に、今後は教えを乞う立場になるだろう。

紅月 > と、可愛らしいメイドさんから渡される、米酒。
いい香りのそれはきっと上物だ。

「わぁっ、ありがとう!」

それはもう嬉しげな笑顔で受けとれば、間髪入れずに口をつける。
ほぅ…と、これまた幸せそうに息をつけば、
「やっぱり来た甲斐があったわ」
なんて呟いた。

セイン=ディバン > 「積極的だねぇ。ナインちゃんも。
 ネメシス嬢とナインちゃんがいれば、この国も安泰かね」

別段、この男は国については思うところはない。
なんなら、滅んでも構わないのだが。
良い女の知り合いが多いので、とりあえずは手を貸せる部分で貸しているだけなのだ。

「……普段からさぼって日向ぼっこばっかりだと思うんですけどね」

聞こえていたタマモ嬢の言葉に、ついつい、ツッコミを入れてしまった。
尊敬している相手ではあるが。なんだか、いっつものんびりしてるよなぁ、と思うのである。

「……ん? って、お紅……!?」

そして男はまたもや驚くことになる。
なんだなんだ、なんでこんなに知人に会う!? と。
何か、星の巡りが良い感じにハマっているのかもしれず。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 祝勝会、という名目ともなれば先ず栄誉と美酒を煽るべきは実際に戦場に立った者達。
次いで賞賛の誉れを得るべきは、勝利へ導いた英雄達を陰ながら支援した者。またはその関係者等々。
それでは己の立ち位置は如何なものかと問われれば――

「…出資者、と言う程金を出した訳でも無いのだがな。戦場に立った訳でも無し」

英雄達の邪魔をせぬ様に。それでいて、招待してくれた主催の顔を潰さぬ程度に。
程々に料理と酒を摘みながら、小さく溜息を一つ。それでいて、英雄譚に憧れる少年らしさの残滓が、幾分眩し気に会場の中央を眺めているだろう。

ネメシス > 「あら、珍しい顔が。」

先日会議で出会った紅月の姿を見かける。
彼女も後方で戦線の維持に協力してくれた英雄の一人である。

「英雄さん、こっちに来たら?」

紅月の方を振り向き、大声で手を振っている。

ナイン > (それから、ネメシスにもう一度。顔を寄せてひそひそ話。)

 私事と仕事は、きっちりと分けるべき――だろう?
 …しかし流石に、その…どうなんだろうな。見境無いとは聞いていたけれど。

(多分、先日の会議にて、ヴィルアが聞き及んでいたのと同じ位に。
ネメシスに対する噂は、耳に届いているのだろう。

…だから少しばかり心配げ。メイドというか、本日己に着いてくれている護衛の、彼女。
少女というか――幼女である。
てきぱきとそつなく仕事をこなし、実力行使する場面以外でも、有能さをこれ以上なく発揮しているが…重ねて言う、幼女である。

色々な、例えば物理的な意味でも不安を覚え。ちらちらと二人を見比べなぞもして。)

タマモ > 「名前が覚え難かったのでな、そう呼ぶ事にしたのじゃ。
まぁ、気にした様子もなかったし、良いのではないか?」

性格的にそうなのだろう、出会った印象から、そう思い。
それを真似てどうなるかは…知らないが、まぁ、多分、気にしないだろうと適当な考えで。

「まぁ、ここらでは珍しい、と言われておるな。
覚え易かろうし、問題ないじゃろう?」

むしろ、ここらの連中に、覚え難いのが多いんだ、どうにかしろ。
そんな事を、頭の中に浮かべながらも、己もまた、相手の名前は覚えておこう、と。
………それが叶うかは、別だが。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」に魔女さんが現れました。
ネメシス > 「あ、ギュンターさん。」

出資者の一人であるギュンターにも当然、声を掛ける。

「おかげで大勝利よ。
まあ、戦費についてはあそこで隠れている王族さんと
掛けあって頂戴。」

柱の隅に隠れている王族を指さし、笑みを浮かべるネメシス。
自らは戦力を供給した側なので、今日はこれ以上なく気楽な立場である。

タマモ > 「………うん?」

ふと、どこからか向けられる視線。
だが、見られるのは慣れているからか、そこは深くは気にしないようだ。

と、ふと耳に入る事ばに、びしり、その言葉を発した男へと指を差す。

「それは違う、違うぞ?
妾は、常にすりるを求め、探し回っておるに過ぎん。
………多分?」

堂々と、そう返した割りに、最後の呟きがオチを付ける。
男からすれば、まぁ、いつもの事と思われるかもしれないか。

ネメシス > 「え、大丈夫よ。
私その子位な背丈の子に既に子供産んでもらってるから。」

ナインに対して小声で答えるも、悪びれる様子もなく。
何が心配なんだと言いたげに。

国の為に働くことはあっても、やはりどこかネジが外れているのである。

更に言うならば、時折ナインにもちらちらと視線を向ける時があったりする。

影時 > 「金になるなら、万々歳だ。所詮余所者――なれど、早々にこの国が失せちまっては困る」

良いだろう、と。ナインの言葉に顎を引いて、その意思に応えよう。気概がある女は嫌いではない。
個人的な事情としても、この国が滅ぼされてしまっては困る。故にその身、その業を装って参陣するに躊躇いはない。
無銭でという訳にはいかないのは、冒険者としての己が立ち位置故でもある。

「どんぱちでも、だ。表沙汰にしない、できねェ類の動きにも気を付けるこったな。
 殊に金の力はというのは、それを保証する国があれば無視できねェモンよ、と。

 ……久々に見た顔があるなァ。健勝かね?」

権力争い、既存権益争い等、面倒沙汰には絶えまい。それが成り上がりとなればなおさらだ。
己のような無頼を数揃えていても、金の力でそれ以上の者を揃えた手勢のぶつかり合いとなれば、どうなるか。
女たちのつながりもあろうとなれば、とくに心配こそはしなくとも、差し支えないかもしれないが。

未来の女侯爵に乾杯、と。米酒を注がれた杯を掲げつつ、横目に己のそれに近い出本の装いの赤い髪の姿を見遣る。
ほう、と。久々に見たとばかりの様子で目尻を下げ、頭を下げよう。

ナイン >  ふふ。その通りだと思うよ。
 …時々私も、色々とサボりたくなるのだけど。そうすると、後が怖いもの……なぁ。

(どんな仕事にも、ストレスは付き物だし。怖い監視も付き物だ。
タマモの言葉に少しばかり苦笑する。
軽く酒杯を掲げ、愉しんでくれ、と付け足しつつ……
己の方から名乗らなかったのは。彼女に対して空気を読んだ…の、かもしれない。

其処から更に。知った顔、みた顔、が並ぶようだ。
過日の会議で出会った紅月に、責を同じくする事の多いギュンターに。
彼女等の方へも。手を振るようにして。)

メイド > 「豆腐に関しては、それらしきものはありますが、すみません、油揚げはありません。」

 提供できずに申し訳ありません、メイドは景時の言葉に、ぺこりとお辞儀して、謝罪をするのだ。

「貴女様も、何かあればご忌憚なくお申し付けくださいまし。」

 紅月にも、軽くお辞儀をしてから、軽く笑いかけて見せた。

「赤ワインでよろしかったでしょうか?」

 あとから来た、ギュンターホーレルヴァッハ様に、グラスを差し出すが、ほかにも白ワインも、ロゼワインも準備している。

「ナイン様、お水などをお召しになりますか?
 それとも、舶来品の米のお酒にいたしますか?」

 おつまみのチーズの乗った、クラッカーを差し出しながら、主人に問いかける。

タマモ > と、飲み終えたワインに代わり、酒を手渡してくるメイド。
そこで、頭の中に、ある考えが閃いた。

「この酒のついでに、ちと欲しいものがあるんじゃが…
熱くなく、辛くなく、酸っぱくないものとは、何かあるかのぅ?
出来れば、それを頼むのじゃ」

メイドであれば、この辺りの料理も分かっているはずだ。
そう考え到る少女は、最初の考えを、すべてメイドに丸投げするのだった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「今晩は。此度の大勝、我々としても実に満足のいく結果となった。勝った後が楽だと、此方も気楽で良い」

投げかけられた声に視線を向ければ、幾分気楽な雰囲気で軽くグラスを掲げる。
促されて柱の陰に視線を向ければ、浮かべるのは小さな苦笑い。

「…まあ、今夜の宴に水を注す様な事はせぬさ。酒宴の後に、積み上げられた書類の山に呻いて貰えば良い」

と、小さく肩を竦めて笑うのだろう。

魔女 > 会場の隅っこで騎士団付き魔女として 何やら作業をしている一名。
飲み物の温めから冷やしまで、時折30cmもない杖を抜いてはぼそぼそと言霊を告げて実行。

米酒やら何やら珍しい酒は物によって冷やしたり常温だったりするので樽や何やら見つつ
招待客やらに運んでいくメイドさんたちとかに差し出すのだった。

「米のお酒は専門外ですぅ」

次 料理を作れと言われた気がする。魔法で作るのは一寸そのう。
出来上がっている料理が冷めているようであればそれを温めなおす作業をこそこそと。

紅月 > そうしてまた、一口…酒を含んだ時である。

『お紅!?』
「……ぶふっ!?」

知り合いの声がした。
ケホケホと噎せながら振り返れば…やはり、どう見ても"彼"である。
なにやら他にも見覚えある面々が揃っているようであれば、とりあえずそちらに歩を進めて。

「やっほーセイン。
ネメシス様も、お招きありがとう御座いまする」

男には緩く手をふり、女騎士のもとへ辿り着けば深々と一礼。

「影さんも御久しゅう。
まぁボチボチやってるよ…すっかり本業が疎かだけどね」

下げた頭を上げれば、忍ぶ方へと顔を向けて…苦笑をひとつ。
本業よりも副業(治癒術師)の方が需要の高さもあり…こう、儘ならない気分等々を含めた表情はなんとも言えないものだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…ん、そうさな。それでは、ロゼを頂こうか」

声を掛けてきたメイドに、丁度空になったグラスを渡し、差し出されたグラスを受け取る。
随分と小柄なメイドだな、とメイドに礼を告げながら思っていたり。

そうして渡されたワインに舌鼓を打っていれば、此方に手を振る見知った少女の姿。
まあ、彼女が参加しているのも当然かと納得しながら、小さく手を振り返すだろうか。

ナイン >  取り敢えず領地に関しては。もう、私よりも多いのだろうな、ぁ。

(その点、少々。肩を竦めてしまおうか。
騎士団が島一つだの、船団だの、随分大所帯を抱えている事は。
もう有名な事実なのだから。
何れにせよネメシスが、貴族として真っ当な働きを、忘れずに居てくれるなら。
事を教えるというだけでなく、その他様々な事に関しても。協力は惜しまないだろう。)

 ………まぁ、うん。その権力を早速、異性を脅かす事に使うのは。控えてくれよ?

(幼女メイドどころか己も、彼女にとってはターゲットであるらしい。
どこかしみじみと呟いてしまったろうか。

…折から亦奇声を上げているセインに、己も色々やった、という事は。黙っておこう。)

ネメシス > 「そういう暗闘の類って苦手なのよね。
うちってそういうの苦手な連中の集まりだから。」

影時の忠告は耳が痛い位によく刺さる。

「まあ、こうして皆が居てくれる限りは大丈夫でしょ。
その時は宜しくね?」

にやりと、不敵な笑みを浮かべてグラスを掲げる。
国の為に一時的とは言え、名うての強者や強力な貴族とタッグを組んだのである。

余程のやらかしが無ければ今後は安泰に思えた。

ネメシス > 「じゃあ、甘いものが食べたいわ。
アップルパイを出して頂戴。」

隅で働いている魔女に命じるネメシス。

林檎酒を嗜みつつ、アップルパイ迄用意させる。
汗でも掻けば甘い匂いが漂うだろう。

セイン=ディバン > 「……あぁ、なんつーか。
 久しぶりだな」

本当に久しぶりに会った知り合い、紅月嬢に。
男は、そんなことしかいえなかった。
久しぶりすぎて。どうリアクションしていいか分からなくなっているのだ。

「そういうのを、その日暮らし、とか。
 放浪癖、とか評するんですよ」

タマモ嬢の言葉には更なるツッコミを入れつつ。
実にらしいなぁ、と。呆れると同時にほっこりしてみたり。

「……さて、と。それじゃあ、オレはそろそろお暇させてもらおう。
 あまり長居して深酒しても格好悪いしな」

男はそう言うと、その場から立ち去ることにする。
個々、話をしたい相手はいるが。
それはまた、別の機会もあるだろう、と考え。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」からセイン=ディバンさんが去りました。
ナイン >  勿論さ。
 此の国在っての私である事は、常々忘れていないから。
 …ちゃんと。帰る家とは言わないが――止まり木くらいにはなれるように。
 土台骨を維持し続けて遣るとも。

(影時に。グラスを差し向けて…おや、と。
幾度か交わしている内に、すっかり空になってしまっていた。
首を竦めて、メイドの方へ振り返り。)

 それじゃぁ、彼と同じ物を貰えるかな?
 後は此奴に合うつまみは…どんな物か。私には判りかねるから、見繕って欲しい。

(影時の口にしている米酒、オーダー。)

メイド > 「それでは、こちらなど如何でしょうか?」

 タマモ様の問いかけには、少女は二つの品物を、一つは、舶来品である豆腐という割れるもので、淡白な味をしたもので、しょうゆをかけて食べる。
 もう一つは、イカ素麺、こちらも淡白であり、醤油をかけて楽しむものである、これは此方でもなじみがある。

「ほかに、おつまみ等はいかがでしょう?珍しいものもあります。」

 ロゼワインを受け取るギュンター様に、別のお盆から、軽くつまめる肉料理や、フルーツ等の甘いもの、お魚などのマリネなどがのっかっている。

「お米のお酒が苦手であれば、甘いカクテルやジュースなどもあります。」

 魔女の方にも、お話を、このような場所なのだ、様々なものがあるので、楽しませるために、お酒を出すのだ。

影時 > 「無ェならば、仕方がない。今度手慰みに作り方でも教授するか。酒の仕込み方もな」

見知らぬ土地に至って、知ったものがあるということが奇跡なのだ。
あれもこれもと手に入れば、かえって興醒めしかねない事がある。
小さなメイドさんの言葉に問題ない、と頷きつつ、言葉を足しておこう。
豆腐らしいものはある、というのだ。幾つか他に用立てることができるのであれば、作ることもできる。

「――粒選りの貴族殿、とやらはどれもこれも見目が若いのかねぇ。肥えて醜いよりはいいが」

新たな爵位、卿位を持つと思しい少年貴族の声を遠く聴きつつ、目を細める。
将来が末恐ろしい限りだ。多感な頃に権謀術策に馴染むとなるというのは、歪まないだろうか?
多少は長く生きるが故に、そう思うのだ。

「おう、久しいな。元気そうで何よりよ。
 こっちもこっちで好き勝手にやっているし、家庭教師なんぞもやっている。似たり寄ったりだなァ」

出る処に出ていれば、忍ぶものとも言っていられない。
大変そうだな、と。何とも言えない様子の顔を労いつつ、無事であることを喜ぼう。

魔女 > 未使用のグラスを冷やし、酒瓶があれば冷やすのであれば飲み頃の温度に冷やし、
魔法の袋を緩ませれば 事前に作り置きしてて時間経過していない…

「かしこまりましたぁ…マイマスター」

アップルパイをご所望なご主人様に出来立てほやほやに仕立てた魔女は、
ネメシスの後ろから恭しく皿事差し出す。

ネメシス > 「領地が広くても貴族としてはそっちが先輩なんだし。
時間がある時に色々教えて欲しい位よ。

あ、私も体でお支払いした方が良い?」

セインとの遣り取りを横目で見ていたらしく、
ナインのことをじっと眺めつつ、冗談めかして尋ねる。

どこまでも欲深なのは相変わらずで。

タマモ > と、ふと、すんっ、と少女は鼻を鳴らす。
あれ?何か、知ってる顔の数と、知ってる匂いの数が、違う?
そんな考えは浮かぶも、気にする事でもないか、と確かめはしなかった。

「なん…じゃと…!?」

去り際に放つ、男の一言。
がーんっ、と衝撃を受けたような表情を浮かべる。
返す言葉を、そう考えるのだが…その言葉が、間に合う事はなかった。

ネメシス > 「今日はありがとう。
また何かあったら手伝ってね。」

セインの姿が見えなくなると、居なくなったであろう方角に手を振る。

紅月 > 「グリューブルム様も会議ぶりですねぇ、ご無沙汰しております。
…帝国風の御召し物、素敵ですねぇ」

ふわりと笑顔で一礼すれば、視界に入った衣装にホクホクと。
眼福だとでも言い出しそうな表情で言い。

「あ、メイドさん!私にも何か甘いものを…」

一礼する彼女に、気づけばすかさずオーダーを入れて。

ネメシス > 「ありがと、ありがと。
やっぱりアップルパイは出来たてに限るわよね。」

魔女が持ってきたアツアツのアップルパイにフォークを突き刺し、冷ましながら口にする。
アツアツが良いと言いながらも、どちらかと言うと猫舌より。

魔女 > 「ああ、わたしに。ではジュースをいただければ」

小さきメイドさんに声をかけられれば、こそこそとお願いをする魔女
去って行ったセインの姿を恭しくスカートをつまみ膝を落とし見送る。

「少し冷ましたほうがよろしいのでは?」

目立たぬようにご主人様(ネメシス)の後ろから耳元に囁く魔女。
杖を抜かずに無詠唱で主人が召し上がっているアップルパイを少し冷やそうと。

タマモ > 「………おぉ、これならば、いけるのじゃ…!
では、ありがたく頂いておこうかのぅ」

豆腐とイカ素麺を受け取り、満足気な表情。
ついさっき貰った酒にも合うのだから、良い選択である、と。
さっそくと、箸を手に、久々の和食を味わおう。

代わりに、後に食べようとする、デザートの類には、合わなくなるが。
そこは、その時になって気付き、愕然とするのだろう。

影時 > 「なら、その手の輩などを雇う手管など、金を使って募り、押さえておくこった。
 手の内に無いなら、即金でどうにかする方が早ぇ」

無いなら、金を使ってでもどうにかする。それがこの手の社会での身の護り方だろう。
使えないならば、解雇すればいい。使えるようであれば、継続して雇い続けるが最良か。
これ以上は、とやかく言うまい。あとは、よく考えることだと。ネメシスに言葉を送り。

「この酒の具合で有れば、塩でも呑めるなァ。
 過ぎると身体を壊すからおすすめはしねェが。塩辛い奴であれば大概合うだろう」

甘口が強い米酒であれば、魚料理の類も良い。新鮮な魚介類の肴があれば、喰い方と抵抗がなければ馴染むだろう。
去りゆく男の姿を片手を挙げて見送りつつ、米酒を嗜もうという姿にアドバイスを送ろう。

ナイン >  ぁ、は。少なくとも、悪企みという奴に関してなら。
 早々先達の立場を譲っては遣れないな?

 ――――ふぅん。そういえば、前にも。言っていたよな――ぁ。

(ネメシスの言う、カラダの方での、諸々。
最初の会議で答え損ねたのを、未だ、覚えていたらしい。
くつくつと笑いつつ、近付けていた顔を引っ込める間際。囁こう。)

 私は。…私だよ。誰の物でもなく。
 けれど、お互い愉しもうとでも言うのなら――それは、歓迎するさ。

(屹度、肯定。そんな台詞を残して一旦。
新たにやって来た者達の方へと向かっただろうか。
彼女の背後、彼方の付き人なのだろう、魔法使いの少女にも手を振って。)

ネメシス > 「気が利くわね、貴方。
後でご褒美をあげるわね。」

魔女の頭に手を載せて、静かに撫でるネメシス。
この二人の間でご褒美となれば言わずもがなであろう。

そして、程よく冷めたパイをもしゃもしゃと口にする。

メイド > 「かしこまりました。ナイン様
 それでは、タマモ様と同じように、豆腐や、イカ素麺、ほかには、開いたお魚、ホッケと呼ばれる、塩分強めの干物があります。」

 米のお酒に似合うのは、きりっとしたものであると思う。舶来品の食事をいくつかピックアップして、ナイン様に差し出すのだ。

「かしこまりました、紅月様
それでは、舶来の、甘いお菓子がよろしいでしょうか?おはぎ、あります。
 もしくは、シフォンケーキに、クリームケーキもあります。」

 どちらがよろしいでしょうか?と、それぞれの乗ったお皿を取り出すのである。

「かしこまりました、魔女様、ジュースは……、リンゴ、ブドウ、オレンジ、沢山ありますが。
 どれがよろしいでしょうか?」

 とことこ。
 あれやこれやと注文される中、もしかしたら、二人三人に見えているかもしれない。
 それは見間違いなのである、きっと。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…ふむ。それでは、甘いつまみでも頂こうか。糖分が無くては頭も回らぬ。気が利くメイドではないか」

つまみを盆に乗せたメイドにほう、と感心した様な笑みを浮かべつつ、差し出されたものから甘い物を中心に選んで口に運ぶだろう。
甘味に目が無い少年としては、差し出された甘味は己の充足感を満たすに十二分であった。

「…若くとも得られる程度の地位、と言う事だ。己の能力では無く、生まれに起因した地位なのだからな。大した事は無い」

耳聡い、というべきでは無いだろうが、己に向けられたであろう言葉に視線を向けると、その言葉の主であろう男に言葉を返す。
その表情は苦笑い、というよりも幾分自嘲めいたものになっているだろうか。

紅月 > 「家庭教師…なんか意外~。
あぁでも、技術があれば何処にでも溶け込むのが"あんさん等"だもんねぇ」

影時の様子にへにゃりと笑みながら、納得したように頷く。

「あ、セイン~!
こんどまた押し掛けるから覚悟しといてねー!」

歩き去る若干くたびれた背中に、ブンブンと手を振りながら声をかける。
…声というか、犯行声明というべきかもしれないが。

ネメシス > 「分かってるわよ。
貴方の先を歩くなんてことはできないし。」

そう、彼女のような芸当はネメシスには到底不可能である。
それを分かっているからこそ、ネメシスが仮にどれだけ出世しようと
ナインに教えを乞うことは終わらないだろう。

ナイン > (手を振った所で、彼方も気付いたようだ。
とはいえギュンターとは常日頃語る事も多い。
…有る意味、影時の思うように。例え歪んでいようとも、貴族として邁進する日々の中で。
その為今直ぐには、此以上言葉を続けるでもなく…機会は幾らでも有るのだし。)

 紅月殿。…貴女も戦の方に――だったか。色々と手を貸してくれたようで助かったよ。

 ぁは、貴女に褒められると…此は亦自信が着きそうだ。
 友人に見立てを手伝って貰った甲斐も有るという物さ。

(紅月の風情…姿形も、纏う物も。随分と遠い異国の物に見える。
同一ではないにしろ、異国情緒という意味では。そんな彼女からの評価が心強く。
新しく追加した、オークション由来の髪飾りに触れつつ。笑ってみせた。)

魔女 > 「恐縮に御座います。では後程」

魔女は頭を撫でられ 褒美の意味を知る為に
少しばかり火照った顔を浮かべて見返す。

さっとネメシスの後ろから二三歩下がった定位置に移動をしてしまう。

先程から二、三人いやそれ以上に見えているこの万能メイドさん。
もしや…いや、視るのはやめましょう、気にしないです。

「では可愛らしいメイド様、リンゴジュースを頂ければ」

紅月 > 「…っ、シフォン!
シフォンケーキがいいっ!
できれば生クリームいっぱいの…!」

目をキラキラと輝かせ、メイドさんの言葉に食いつく。
ほぼほぼ、おやつを前にした御子様の様相である。

ネメシス > 「う~~ん、それしかないわよね。
まあ、バンバン雇っていきましょうか。」

影時の提案はネメシスも考えてはいるが、
何せなかなか難しい。
単純に金を積んだ程度では転ばない相手も多い。

一流の猛者ともなれば、一流の矜持を持っていたりするもので。

タマモ > 当初、この会場の事も、撮影してやろうとの考えだった。
が、従える?式の一人に、余計な事をするな、とか却下されていたのだが…
なるほど、この面子やら会話やら何やら、それを見ていると、それは正解だったのかもと思えて。

とは言え、こうしてのんびりと飲み食い出来るのだから、良しとすべきか。
相変わらずの隅の席、ゆらゆらと尻尾を揺らしながら、渡された料理を食べ終える。
軽く一呼吸、その間に、次に食べるデザートでも選んでおこうと、別のテーブルへと視線を向ける少女であった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > と、グラスを呷る少年に近付く文官の姿。
小柄な少年に合わせる様に身を屈めて何事かを囁けば、小さく溜息を一つ。

「……折角の宴に出す話題でもあるまい。此方から出向く故、先方にそう伝えておけ」

グラスをテーブルへと戻し、文官と共に大広間から立ち去る事になる。
今宵くらいは面倒事が無ければよかったのに、と思っていたのだが。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
影時 > 「然様か。だが、生まれに胡坐せず――……ふむ、いや、これはどうだろうなァ。
 とやかく云うのは、無粋が過ぎるか。お前さんみてぇな気風をしている者は嫌いじゃあない」

少年貴族が湛える表情を見遣り、暗赤色の双眸を細めてその目を見る。
何を思うてか。感じてか。噛み締めるような自嘲の気配を汲みつつ、小さく会釈をしよう。
嫌いではない気風の持ち主だ。如何に長じ、転がるかを眺めるの面白いという類として。

「まァなぁ。色々と教えている。伸びが良くて、先が愉しみな位だ」

もっとも、忍者の――家庭教師というのは、そうそうないだろうが。今は此処で云うべきコトでもない。
三面六臂な動きを見せる小さなメイドの姿を眺め、紅月に答える。
忍びの業のみならず、色々と伝え、教えるべきことはまだまだ多いが。

メイド > 「甘いものが欲しいですか?生クリームたっぷりのシュークリームもあります。ギュンター様」

 幼女は、もっと如何ですか?と、ギュンターホーレルヴァッハ様に、別のお菓子も、差し出す。
 マカロンもありますよ、とちぃさなお菓子を取り出して見せた。

「リンゴジュースですね、こちらでございます、マカロンも一緒に如何でしょうか?」

 リンゴジュース、アップルパイを出していた彼女に、お菓子などもどうぞと、少女は差し出すのだ。

「はい、シフォンケーキですね、生クリームサービスさせていただきますね?ご一緒に、シュークリームなども如何でしょう?」

 にこやかに、お盆に乗せたケーキを紅月様にさしだす。

ナイン >  有り難う。では干物…か。其奴を一つ。
 あ、それと――おはぎ、だな。それも後で頂くから、一緒に貰っておこうか。

(米酒を受け取りつつ。合わせる物も選び出す。
…折から、酒と同郷の菓子も有るらしいので。ちゃっかりキープする事にした。
先日、会議が済んだあの後。公言通りギュンターから講釈を受け。しっかり覚えていた代物らしく。

尚。二倍三倍、そう見える気がする…事については。何も言わなかった。
極最近からの付き合いだが。そういう物だと、既に覚えてしまっているのだろう。)

 ………ん…

(そんな中。ギュンターに近付く文官の姿。
屹度亦ぞろ何かが起きたのだろう。忙しなく連れられていく彼の背に。
…亦この前とは別の、甘い物を。差し入れでもするかと思案して。)

ネメシス > 「あら、もう仕事なの?」

ギュンターの後姿を見送る。
彼は割とため息を吐いている姿をよく見るなと思ってみたり。

「貴族ともなるとやっぱり大変なのかしらね。」

と、もうじき貴族になることも忘れて。

影時 > 「そうだなァ。よくよく選って雇うこった。
 然るべき契約を正しく結び、金が支払われている限り、あの手の奴らは何処も忠実よ」

こちらではアサシンか、それともスカウト、シーフともいうのか。
影に潜む者達、裏社会に長じた者達の俗称を思う。
手持ちの酒が尽きれば、テーブルに丁度見かけた魚料理を拾っておく。
故郷風ではなく、当地の香辛料などをふんだんに使ったものだ。知らぬものと遇えるのは、良い。遠くの地に来た甲斐がある。

紅月 > 「あ、はい。
といっても治癒術師の戦場は野戦病院か後方からの支援術式展開ですし…他の皆々様に比べたら微々たるものですよ。

…ふふっ。
帝国ドレスってなかなか難しいようで、お洋服に着られる方々も多いから…何だか嬉しくなっちゃいました」

まさか宴席で女子トークが出来るとは嬉しい誤算。
武働きの方には手を軽く振って苦笑するにとどめるも、ナインの衣装に関しては真っ直ぐ思ったままに"感心した"と話して。

魔女 > 「いえ、ジュースのみで、頂きます」

お菓子を勧められた気がするのですが、それは丁重に断りジュースだけをメイドさんより受け取る。
少し飲んでから 味を堪能していたら魔女に近づく騎士団の団員。
こそこそと話をしたかと思うと、グラスを傾け一気に飲み干し。

「マイマスター、此方失礼致します。」

耳元に囁くと騎士団の団員数名と会場を後にしていく。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」から魔女さんが去りました。
ネメシス > 「そうなのよね。
うちってちょっと独特だから、職場の空気に馴染める人じゃないと
続かないでしょうし。」

影時に対し、困り顔を見せていた。
と言うのも、騎士団は完全なネメシスの私兵。
さらに言えば、信奉者の集まりである。
そんな空気の場所であれば、普通の人ならばやり辛い人も出てきてしまう。

「ごめんね、そっちは宜しく。」

別の現場に向かう魔女と団員達に声を掛ける。
今や騎士団も複数の現場を抱えており、彼女たちの働きが無ければ
とても手が回らない。

ナイン >  支援物資の方等で色々絡んだから。必然其方から話を聞いたもので。
 …ぁは、それでも。私には、術式など何も出来ないし。適材適所とは、こういう時にこそ言うんだろう?

 ――とある公主からの頂き物で。…見目も良いから、お陰で重宝しているよ。
 ……最初「貴女のような細身のお方には似合うかと」と言われた時は。手を挙げてやろうと思ったが。

(紅月が同性だからか。服飾に詳しそうな故か。…つい、愚痴のような物が出た。
この手のドレスには付き物とはいえ。それこそ、異性などにはとても言えない悩みである。)

メイド > 「かしこまりました、では、干物でございます。
 おはぎは確保しておきますね。」

 小さくお辞儀をして、汚れた皿をしまって、ナインに、干物を差し出して、隣に注ぎたての冷たいお酒に、人肌にしたぬる燗、もう少し熱い熱燗。それぞれお試しくださいまし、と。お辞儀をしてするりと、下がる。

 すでに去っていく彼ら、使用人とはいえ、今は仕事が中心、その場にいてもいないようなものなのだ、視線を送り、会釈のみにする。
 個別に声をかけられたわけでなければ、それは、過ぎた事なるがゆえに。

 落ち着いてしまえば、少女は下がり、汚れた皿やグラスを洗い場に持っていき、新たなものをどんどん出していく。

紅月 > 「わぁっ、わぁあっ!
ありがとうっ!」

キラキラ、キラキラ…
最早完全に、一分の隙もなく、色気より食い気。
空になったグラスをメイドさんに預け、入れ違いにケーキ皿を受けとれば…その幸せさを隠す気が微塵もない笑顔を振り撒きつつ、シフォンケーキを一口。

「……ん、ん…?
あぁ、なぁるほど…!
…同じ文化圏のよしみよ。
何か必要なものとか、困った事とか、紅にも声かけてくれていいからね~」

影時とメイドを二度見、三度見…何やら一人納得したように頷けば、相変わらず緩い調子でけらりと笑った。

ナイン > (ありがとう、と。控えるメイドに声を掛ける。
グラス一つに留まらず。適宜、幾つかの飲み方を試せる…其処迄記を使ってくれるのが有難い。
この辺従者としても間違い無くプロなのではないか。そう思う。

…彼女の師であるという影時氏に。是非ともご意見賜りたい所。

アップルパイを残して退くネメシスの従者を見送って。
…パイの方も、量があるなら。また後でご相伴に与ろうかと。)

紅月 > 「うふふ、確かに…!
グリューブルム様も何か困り事等々御座いましたら、お気軽に呼びつけてやってくださいましな。
マジックアイテムや魔法薬なんかも守備範囲ですのよ、私!

…グリューブルム様、それアレです。
シバき倒していいヤツです。
紅ならグーでいきますグーで」

彼女とは一度ゆっくり話してみたかった事もあり、それはもう楽しげな笑顔で…ちょっとした自己紹介を兼ねて得意分野を幾つか挙げて。
…けれど衣装の、体型の話になれば。
若干口の端をひきつらせながら真顔になり、ぐっ、と拳をつくってみせる。

ご案内:「祝勝会会場 王城【イベント開催中】」にビョルン/仮面さんが現れました。
影時 > 「その辺りは仕方が無ェな。俺なんぞがとやかく言う段じゃァない。
 手駒が用に足るよう育つのを待つか、よぉく契約を詰めて雇うか、だ。思うにそのどちらかよ」

アドバイスとしては、この位か。余り送り過ぎてもいけない。
忍ぶものなれど、忍んで侍とも浪人ともつかぬ様に身を装っているのが、無駄になってしまう。
香草や酸味のある果実を和えて、魚の臭みを消している調理人の腕が見える味わいを愉しみつつ、新しい酒を調達しよう。

「ははは、そうさな。今度華のある話でも付き合ってくれや。
 得物の鑑定とかもおまえさんなら得意そうだが、香木だのなんだのを尋ねるなら、その方が良さそうだ」

今は然るべき処に預けた太刀の再鑑定やら何やら、その知見に頼ってみたい事項はある。
だが、答えの出しようもない点も絡むことより、先々にも通用できる他の話を頼る方が最善だろうと。
緩く笑う姿に、手酌で空いたワイン瓶を綺麗な酒杯に注ぎ、中身を空にしよう。
赤くない白のワインであれば、確かに魚料理に合う。その味わいを確かめつつ、女貴族の方をちらと見遣って。

「おはぎもあるとは、なぁ。それを食べるなら煎茶や抹茶の類が合う。……あるかね?」

致せりつくせりな有様に、合う飲み物を補足しよう。酒よりも茶の類が良いだろう。

ビョルン/仮面 > パーティーとなると人出は多い。
会場の隅で酔った貴族と世間話の相手、そうするのが一番の身の隠し所のようだった。

ぽつぽつと帰路につく出席者が出始めれば柱の陰で顔に覆面をかけて、近づくのはネメシスの背後。
背中合わせに立つ格好で、低く告げる。

「──件の、背後がわかりそうだ。
 そのことに関し、アジトを用意した。
 あんたはどうする」

視線はあらぬ方向。同席の諸君には怪しげな距離感に見えるかもしれない。
ネメシスがどう取り合うかは、相手任せなのだが。

ナイン >  そうさな。
 …近頃は何かと物騒だから。もしかすると、貴女のような人にも。
 手を借りる事は有るかもしれないよ。
 ……幸い王都の中に限っては、未だ大丈夫なのだけど。

(紅月の言葉が頼もしいと。笑って頷いた。
王都は安全。裏を返せば其処以外は、未だ問題山積みという事だ。
実際九頭竜方面、アスピダ城塞の問題は、一進一退の侭なのだし。
万一被災者や負傷兵の数が増えれば。彼女のような力は、屹度他よりになるだろう。)

 だろう?あぁそうか、矢張り、遣ってやれば良かったな。
 …でも矢張り、貴女はこういう事に詳しいようで。
 機会が有れば亦何れ――此に合わせ易い香だとか。教えて貰っても構わないかな?
 流石に、なかなか聞けそうな者も少ないので…ふふ、どうせだから、一席設けでもしながら。

(うむ。頷く。
同意を得られた事が、実に心強かったのだろう。
なのでついつい。もう少し知恵を借りようかと圧してしまう。
もう己の中では同志と確定したのだろうか。甘いものに眼をキラキラと耀かす彼女の為。
そういう品も用意しよう…と決意しつつ。)

ネメシス > 「私? 当然参加するわよ。」

背後に現れた気配に対し、ネメシスはまるで警戒が無かった。
先日の会議でもそうだが、日頃敵が多い割には神経が図太くて。

真後ろで聞こえる声に、小声ながらノリノリで答える。

ナイン >  煎茶、抹茶、なぁ――ふむ。どうだろう。

(ちゃっかりとキープしているおはぎが、影時の目に留まったようだ。
此処暫く、某貴族が開いた花見の影響だろうか、こういった菓子類が流行っている。
米酒も有るのだし、合わせられる茶の類も、当然セットとして存在しているのだろうが…と。

早速メイドを呼び戻し、問うてみるだろうか。
有るなら有るで用立てて欲しい、熱い冷たい等の塩梅は、采配に任せるから…と。)

タマモ > さて、次なる狙いを付け、別のテーブルに手を伸ばす。
そこに並ぶのは、デザートの類。
菓子やら切り分けられたパイやら、なかなかの品揃えだ。
それらを、ひょいひょいと適当に摘み、もう片手に持った皿の上に。
山のように積み上げれば、それを持って元の席へと戻った。

とりあえず、知る顔は居なくなった…一部の、違和感は除いて。
ここに来る前に、打ち合わせた通り、普段と違うのはそのせいで。
だが、それを察せさせぬ為に、あの時は受け答えをし、後は静かに料理を楽しむ。
とりあえず…もう少しだけ、ここに居なければならないのだ。

ネメシス > 「じっくり育てていくしかないかなって思ってるわ。
だって、私を慕って集まってくれているのよ。
だったら育ててあげるべきじゃない?

貴方みたいな強者を最初から入れるのも魅力的なんだけどね。」

この辺りは毎回悩まされる。
即戦力となる者を雇い、駄目なら手放すのも合理的なのだが。
集まってくれた者たちを大事に育てていくのもまた面白く。

メイド > 「喜んでいただいて、恐悦至極にございます。」

 目を輝かせて、お礼を言ってくださる紅月様に、少女は軽くお辞儀をしてから、汚れた皿を下げるのだ。

「いらっしゃいませ、お酒や、ジュース、なんでもお申し付けくださいまし。」

 仮面をつけたビョルン様、少女はここに来るものはすべて来客と考えてる。
 しかし、お酒ばかりではなくお茶などの提案もする、仕事中だと思うので、喉の渇きだけでもと。

「はい、景時様。
 お茶もあります、この国の物,他国の物、東の物も取り揃えております。」

 緑茶もありますよ、と、メイドは彼に、湯飲みとともに、お茶を差し出すのだ。

「かしこまりました、ナイン様、お土産に用意しておきます。」

 おはぎと共に、緑茶も準備することにした、というか準備はもう、できている……!


 

ビョルン/仮面 > ネメシスの言葉が耳に届けば、あらぬ方向を見ながらではあるが頷く。
パーティー中の歓談の言葉に交えてならば相手が言葉を交わすのも不自然ではなく聞こえる。

「言うと思った──…、

 こっちは相変わらず、兵隊は割くことはできない。
 個人的には、やるがな。
 そっち向いたまま後ろに手を出しな」

ぽつぽつと、言葉を続ける。
ネメシスが手を出しなら、礼服のポケットから真鍮の鍵を取り出して握らせるつもりだ。
鍵には住所の書かれた荷札がついている。

住所の先は、血盟家いち幹部の所有する空き事務所である。
現在は施錠されているが怪しげな団体を追うべく、壁には大判の地図が貼られ情報共有のための分厚い帳面が置かれている。

ナイン > (そうして、菓子の話をしていれば。視線の先のネメシスに、軽く、瞬き。
…どうやら影時と話しているらしいと思っていたが。もう一人居たようだ。
ただ、小さな声は此方迄届かなかったし、その様子も窺い知れない。
寧ろ顔形を隠すかのような立ち振る舞いに、応じるネメシスの、勝手知ったるような素振りから。
先程の魔女と同じく、彼女の関係者なのだろう――そう踏んでおく事として。)

 あぁ有り難う。…そうだ、先程のギュンター殿の分も、一包み程。
 追加出来るなら宜しく頼むよ。おはぎと…折角だからシフォンケーキも。

(流石に手際良さで、既に土産を包んでいるメイド。
謝意を伝えもするのだが、この手際ならばと、追加の仕事も頼んでしまう。
任せるべきは任せて、その分、信じるべきは信じる、それが少女なりの人の使い方。)

影時 > 「……ふむ?」

抜け忍なれど、忍びのものの端くれには違いない。
人の流れとそれを弁えて、何事かと未来の女侯爵に対して告げる仮面の姿が。
唇の動きを詠み、拾えるか。それを試みようとして、止める。知った処で何を己が為すか。感知外の事項となれば、猶更だ。

「なけりゃ恐らくシェンヤンの茶の方が、合うだろうが――、あるのかよ。
 つくづく、品揃えが徹底してンな。王城だからか。茶にはなにも入れずに呑むとイイ」

緑茶や抹茶を嗜むという茶の作法等が、この地まであるのか、至っているのかにもよる。
代用品となるものがあるとすればと思考を巡らせれば、あるというメイドの言葉に、目を瞬かせる。
その後、恐れ入ったとばかりに両肩を震わせ、笑って。

「では、腰を据えてかかるこった。
 生憎と今の俺は誰にも雇われたいという気がなくてなァ。下手に雇うと、其方の大事なものを手籠めにしかねん」

そうとなれば、自ずと方針は決まることだろう。
雇われるにしても色々と勿体着けることが必至だが、仮にそうとして面倒が何かと出かけねない。
故に冗談ついでに、肩を竦めよう。

ネメシス > 「まあ、私が居ればちょっとはマシでしょう?」

鍵を受け取ると、団員の中でも優秀な親衛隊の者に預ける。

「ま、結局やることは一つ増えるだけよね。
城塞都市はまだまだ時間がかかるでしょうし、
また他方面作戦になるわね。
その時は貴方は出てくるの?」

先日の遭遇戦ではよく働いてくれただけに、どうしても
戦力として期待をしてしまう。

紅月 > 「わ、香木!
勿論勿論、なんなら影さん用に香炉作っといてあげよっか?
お弟子さんにも。
こう…持ち運びが楽な、ちんまりした子とか。
多少嵩張っていいなら二重底とかも面白いかしら」

子供のような顔、年相応の顔、職人めいた顔…ころころと一人百面相。
なんにせよ紅月の中で影時は友人であり、友人の弟子は親戚の子みたいなものだ。
再び何処かで会う気満々…当然、語らう気満々である。


「あらあら…紅で良ければ公私ともに何時でもお伴致しますわ!
本職は冒険者ですからね、国立ギルド経由か…まぁ、何なら第六師団経由でも呼んで頂ければ。
……グリューブルム様を、飾らせて、いただける…?
是非、是非!
お待ちしておりますの!」

可愛らしい方に雇って貰えるチャンス、しかもひょっとしたらお茶会なんか出来そう…そんな振って降ってわいたご褒美を逃すはずもなくグイグイと食いつく。
楽しいことは大好きである故に。

ネメシス > 影時の視線に気づくと、口の端を吊り上げて。

「多分、また忙しくなる日が来るかも。
当然ながら、城塞都市とは別件よ。」

ひょっとしたら、どこかのルートで影時にも依頼が入ることがあるかも知れない。
そんな予感に、楽しみなのが顔に出てしまう。