2020/05/06 のログ
ミリーディア > 「矢張り噂と云うものは直ぐに広まるものだね。
其れも在るが、会議の内容は其れとは別のものさ」

彼女は冒険者では無い、其の為に浮かぶか如何かと思ったが。
考えてみれば冒険者達とも関わるものだろうから当然か、との答えに至って。
件の城塞都市だけでも此れだけの噂に為っているのだ。
余計な心配は掛けまいと、其処は伏せておいた。

「リス君の事だ、儂の予想に違わぬ結果は出しているだろう。
そうなれば、確認次第に次のステップだろうね」

こうした会話の中、彼女が何を考えているのか迄は流石に分からないが。
口元に指を宛がい思案する仕草をしつつ。

「そうか、確かにあそこの食べ物は紅茶依りも茶に合った物が多かったな。
そうだね、其れも君に任せるとしよう」

何でもかんでも任せてしまうのも、と思うが彼女は其れだけ頼っても大丈夫だと云う確信は持っているもの。
其れを伝える迄も無く動き出すだろう彼女に、デスクの上の資料を退かしスペースを作るのだ。
そうすれば、後は其処に甘味とワインが置かれるだろう。
其れを楽しみに待つ姿を隠す事は無く。
彼女が持って来る物は当たりばかりだ、そうなるのは仕方無い事で。

リス > 「アスピダの件に関しては、王国の掲示板に張られてるぐらいですから。噂としても、国が発信してる噂ですもの。」

 会議はアスピダの件では、無かったらしい、内容が出てこないのを少女は問いかけはしない、立場と言う物があるのだからと。
 冒険者達にモノを売るだけではなく、様々な所から情報自体は収集しておく、それをうまく活用してこその商売なのだ。

「あそこは、解放されたら……支店建てたいと思いますし。」

 場所柄、武具が基本となるだろう、そして立地からしてドラゴン急便での荷運びにより、他の店を出し抜ける。ちゃんと、アスピダの領主に渡りを付けて、撃ち落されないようにする必要はあるが。
 それをしてもなお、利益は出ると判断して、少女はにんまり笑うのである、心根の奥底から商人のドラゴン。
 次ステップ、という話には、どんなものが来るのだろうという興味。

「失望されないように頑張らないと、ですわね。」

 魔法に関して素人、教えてもらって、それを頑張って覚えて、漸くなのだ習得の速さに関しては、きっと竜という種族が後押ししているかもしれないけれど。
 でも、ちゃんと学んでいきたいのである、トゥルネソルの皆の為に。

「ふふ、はぁい。
 ではでは、どうぞ堪能くださいましね。」

 シェンヤン風の食べ方に関しては、軽く笑って返事をし。
 彼女の近くに、ワインとお菓子を並べてから、甘い物、珍しい物ばかりを最近は持ってきているな、と少女は思う。ふむ、と軽く頷いて。

「次回は、慣れ親しんだお菓子にしましょう、珍しい物ばかりでは、懐かしい味も忘れてしまいそうですし。」

 ね?と提案をしながら、少女は彼女の隣に腰を下ろすのだ。
 ちゃっかり相伴に預かるのが少女である。

ミリーディア > 「そうか、成る程。……其の程度為らば問題は無いか」

下手に発信すれば探られて落ち度を探り当てられるだろうに。
話には聞いていたが、彼女から改めて掲示板に張り出した事を聞いて認識すれば小さく溜息を零す。

「あそこに支店をか…あんな事が起こっている場所だと云うのに逞しいものだ。
そうであるからこそ、なのかもしれないがね」

元々は解放していたのを再度奪われた現状を知り、其の危険性を知ろうとそう考える彼女に感心した様子で答える。
確かに、立地的に商売が出来れば上々を見込めるのだろうが。

「そんな事には為らないだろうと、そう確信しているがね。
頑張ってくれ給え、期待している」

何度かの付き合いも在れば、彼女の事は其れなりに解るもので。
次の準備をしておかねばな、と頭の隅で考えているのであった。

並べられた甘味とワインに早速と手を伸ばし、ゆっくりと味わい乍。
彼女の意見には賛同を示す様に頷くのだ。

「そうだね、確かに最近は新作を頼んでばかりだったか。
そうした味を楽しむのも良さそうだね、なら次は其れで頼むよ」

モグモグと饅頭を口に含み乍、御自慢の椅子に少し身体をずらし彼女が座れるスペースを空けてやろう。
食べながら喋るのはマナー的に如何かと思うだろうが、堅苦しいのは嫌いなのだ、気にせずに。

リス > 納得してくださっている模様、彼女は掲示板に張られている内容に不満があるのだろう、と言うよりも……そう、正しく伝えられないことに不満を思っているような気もする。
彼女の様子を見て、少なくとも掲示板に張り付けられているあの張り紙は不本意なのね、とおもうのだった。

「あら、あんなことが有るからこそ、ですわ?何故なら、物資が奪われているという事は需要が生まれます。食べ物も、服も不足してますわ?
 其処に売りに行く……彼らの需要を満たす供給が与えられるなら一番ですわ?
 それに、私達だからこそ、危険を知り、向かえるのです。

 ―――でしょ?」

 口にはしない、秘密にもしてない、トゥルネソル商会は、竜が店員として沢山いるのだ。
 なんせ、創始者の嫁がドラゴンで、その娘も、人竜、生半可な剣や魔法では、危険にさらすこと自体が出来ないし、そんなことが出来るものが有られれば。
 終末が訪れるであろう、比喩表現ではなく。
 少女自身、望んでそんな目にあいたいわけでもないが、ああいう場所に一番適してると言えば。
 少なくとも、生半可では傷つかない少女のような存在や、人を超えた人々であろう。

「ふふ、では、頑張って、見事にできたご褒美下さい、センセ?」

 ちょっと悪い弟子―――いな、生徒はおねだりして見せる。
 いいでしょ?と、ジィ、と、先生の綺麗な青の瞳を見つめつつ。

 少女は彼女が開けてくれる柔らかな椅子に、ちょこんと腰を下ろす、唯、体格差もあるので少女のほうがずぶり、と沈んでしまうだろう。
 ちょっとだけショックを受けるのだった。
 私こんなに重いの敵に。

 マナーに関しては、少女は気にしない、不快にならなければいいのだ、とそんな適当な思考。
 少女は、平民なので、マナーの重視は然程ない。

「はぁい。では、今度来るときは、美味しいお店、でも新作じゃないので行きまーす。」

 うふふ、と何にしようかな、と次のお土産を考える少女

ミリーディア > 尤も結局の処は人間通しのイザコザだ。
自分は其の流れを見ているだけに留めるつもりなのだが。
あの場で協力を申し出たのは、自分為りの考え在ってのものなのだ。

「君の言い分は尤もだ。
其れでも、絶対ではない。
儂が認める程のものでも、若しかしたら、との可能性も考えてしまうものさ」

知っている、彼女たちは竜族。
其れでも可能性は零ではない。
そう、自分と云う存在や、魔王と云う存在が在る様に。
まだまだ知るべきものが此の世界に在るかもしれないのだ。

「御褒美か…そうだね、其れを確り確認したら考えよう」

其れを先ず示したのは自分自身だ。
為らば、彼女が其の主張を行うのは当然の事で。
彼女の言葉に頷き了承を示すのだった。

隣に座る彼女だが、何やら奇妙な違和感。
其れは仕方の無い事なのだが、気にしてやらない方が良いのかもしれないと考える事をせずに。
マナー云々についても其れを行うのは彼女がそうで在るのを解っていての行為なのだ。
そうして言葉を交わしていれば、目の前の饅頭もワインも味わい終える事だろう。

「さて、リス君が次に何を持って来てくれるのか、其れも又楽しみにしているよ?」

ワインの最後の一口を飲み終えればコトリとグラスをデスクに置いて。

「そろそろ時間も遅いな、まだ大丈夫かね?
泊まっていっても良いんだが、流石に其れは無理そうだろう?」

満足そうに口元を拭き乍、彼女へとそう聞いてみるのだ。

リス > 「ええ、ええ。たしかに、心配ありがとうございます。
 ミリーディア様の言うとおりに、魔王など出てきたり、竜王が出てしまえば私たちは。
 でも、人の世に住まわせてもらいつつ、人の戦に手を貸さないのですもの。
 こういう時に、こういう場所に行くくらいは、怒られませんわ?」

 そう、上には上が居る、彼女はしないだろうが、彼女がその気になれば少女は、きっと生きては行けまい。
 野生の竜に有りがちなプライドは、美徳として覚えてはいるものの、それを発揮はしない。
 人の世に住まうなら、人のルールを守る様に、そして、強いものとして、戦に出ないなら、危険な所での商売位は笑って行おう。
 人の危険は、自分たちの安全なのだから、困っている人のために手を差し伸べる、その位は。

 それに、お金稼げるという下心が有るから、これで何があっても自業自得ですわね、なんて言って笑う。

「やった。」

 わぁい、と嬉しそうに少女は目の前にいる先生に抱き着いた。
 ご褒美は、何が良いかな、何をくれるのかな、年頃の子供のように喜ぶ少女。
 その前に、ちゃんとテストに合格しないとね、と言われるのだろう子供。

「お任せくださいまし。ちゃんと、良いものを持ってきますわ。

 と、そうですね、予定としては組んでおりませんでしたし。
 今宵は、この辺で失礼いたしましょう。」

 もともと、貴族への徴収のために来ていたのだ、思った以上に時間がかかっていた。
 徴収は明日以降でも良いかとそんな風に思いながら、立ち上がる。
 有難う御座いました、ペコリとお辞儀をして、少女は、その部屋から出て、家に戻るのだった―――

ミリーディア > 「……尤も、其れもさせない意味の儂の眼だがね。
今や君達の存在は、此の王国に住まう上での必要性は高いんだ。
無理は起こさない程度に自愛してくれよ?」

彼女達の了承を得て行う監視だが、其れを向けているのは正しくは彼女達で無く其の周囲。
強いが故に起こされてしまう問題が在る事を良く知るから。
其れを細かくはっきりと云う事は無いのだが。

「全く、前にも云ったがあんまり期待はしてくれるなよ?」

小さく吐息を付き乍、抱き付く彼女へとそう伝えて。
まだ決まっていないのだから、其の態度は其れを意味するもので。

「ああ、此の返答はさっき云った通り後で送っておくさ。
其れでは、気を付けてな?」

心配は無用だろうが、するに越した事はない。
立ち上がりお辞儀をする彼女にもう一度だけ手を振って、部屋を出て行く後ろから見送るのだった。

ご案内:「王都マグメール 王城 廊下」からリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 廊下」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアントワーヌさんが現れました。
アントワーヌ > 「――――御理解頂きまして、心より感謝致します、殿下」

そう告げて深く頭を下げれば、相手からは鷹揚な反応が返る。
曰く、

『殿下、は要らぬよ、他人行儀は止めにしよう、婿殿』

其の言葉を聞いた刹那、俯いた儘の面に微かな苦味が滲むも、
再度背筋を伸ばし、相手に向き直った時には、穏やかな微笑で塗り固められていた。

「有難う御座います、……其れでは、舅殿。
 また日を改めまして、御挨拶に伺います」

姫にも、くれぐれも宜しく―――――そんな台詞を辞去の挨拶として、
己が後にしたのは、とある王族の執務室。
両開きの扉を閉ざし、一歩、二歩、後退って対面の壁に背中が触れると、
無意識に唇から細い溜め息が零れ落ちた。

「……全く、余計なことをしてくれたものだ」

低く小さく、洩らした呟きは亡き父への恨み言。
御蔭で気を使わねばならない相手が増えた、と、軽く壁に凭れかかって天を仰ぎ。

「……喪が明けるまで、というのは、時間稼ぎにはなったけれど。
 先ずは、暫く腹の探り合いかな……」

うんざり、といった表情を、万が一にも人目に晒しはしないけれど。
内心、酷く重いものを飲み込んだ気持ちにはなっていた。

アントワーヌ > 茫とした眼差しを天井に向けて、どれだけの時間そうしていただろう。
何処か遠く、人の声らしきものが聞こえて、ふと我に返る。
人の声なのか、人の形をした獣の声なのか―――――兎に角其れは、
此処が長居すべき場所では無いと、己に思い出させるには充分な音。

凭れていた身体を起こし、ステッキをこつりと床に軽くついて、

「―――――早く戻らないと、心配させてしまう」

呟く声を其の場に落とし、ゆっくりと歩き出す。
城内から出るまでの間、擦れ違う既知の顔、幾つかと挨拶を交わし。
待っていた馬車に乗り込んで、城を後にした―――――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からアントワーヌさんが去りました。