2020/02/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にウンシュルト・ジェミニさんが現れました。
ウンシュルト・ジェミニ > 王城の中庭に、少年が一人居る。
色合いこそ地味だが、質の良い衣服を着ている事から、彼が貴族か、王族か。この王城に自由に出入りできる身分だと言うのは解るだろう。
もしも世情に詳しいものなら、彼がマグメールと国境を隣接している、とある小王国の王子である事も解るかもしれない。

「……寒い」

王族でありながら、メイドや側仕えを置かないその少年は、一人で中庭を歩いている。
特に、意味はない。ただ、邸宅に閉じこもっているとうんざりするので、城の中を歩いてみようと思っただけ。
――友達も、家族も、部下さえも居ない少年は、それ故に自由があった。
何処にでも行けるというだけの自由が。

「……はぁ」

やっぱり家にいるべきだったかなと思う。
少なくとも、こんな寒い思いはしなかっただろうから。
なんで外なんかに出てしまったんだろうと、少年の心のなかに後悔と疑問が芽生えていた。

疑問の答えである、『寂しかったから』という真実に、辿り着くことはないままに。

ウンシュルト・ジェミニ > 少年は、そのまま庭の中を歩き続けている――
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からウンシュルト・ジェミニさんが去りました。