2019/11/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 とある王族の邸宅」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 深夜、誰もが寝静まった頃。
邸宅の塀を乗り越え、その男は庭に侵入した。
庭は、花や生垣が植えられてはいるが、しかし王族の価値観としては寧ろ質素な物。
しかし、それ故に足跡が残りやすい――男の靴は、底が平らになっている特注品で、靴跡から男の存在をたどる事は難しい筈だが。
周りを伺い、ゆっくりと建物の方へと。
「……バレてない、みたいだな」
口の中だけで現状を確認する。
今日の仕事は、とある王族の身辺調査である。
男は、その身柄については聞いていない。依頼主の名前も知らない。
ただ、その王族の情報を少しでも得るという仕事内容だけを聞かされている。
「(ったく、面倒な仕事だ……)」
今の所、人影はないが、もしも冒険者や騎士の護衛がついていたら、戦わなければならない。
否、メイドや付き人、それに縁者に見られても、それはそれで面倒だ。口封じの必要が生じる。
「(まあでも、しょうがねえか……何とか、中に入らないとな)」
出来れば、音の出るピッキングなどは避けたい。
建物の窓などから入れないか、ゆっくりと建物の周りを回る。
■クレス・ローベルク > そもそも、本来剣闘士である男が、こんなことをしているには理由がある。
それは、脅迫じみた取引。
貴族時代の『友人』に、自分のアジトを知られたのが原因だった。
『お前のアジトをローベルク家にばらされたくなきゃこっちに協力しろ。
なあに、悪いようにはしねえよ……』
である。
一応、報酬として、政治的な問題が発生した場合に口添えしてくれるとの事だったが。
「……割に合わないよなあ」
溜息一つついて、男は建物の周りを回り終えた。
どうやら、鍵が開いている窓や、人間が入れそうな通気口はなどはないようだ。
期待はしていなかったが。
「しょうがない、窓を破るか」
ポーチの中から、錐の様な道具を取り出し、窓ガラスに突き刺す。
普通、音を立てて割れてしまいそうなものだが、そんな事も無く。
静かに、錐はガラスを貫通した。
「(よーしよしよし!良い子だ!)」
少しずつ、少しずつ。
錐を動かして、窓を切り取っていく男。
とはいえ、時間がかかりそうだ――その間に、誰かに見つからなければいいが。
■クレス・ローベルク > 錐でガラスを円形に切り取り、出来るだけ力をかけぬように押す。
すると、ガラスがずれた。
そのまま力を入れて、ガラスが落ちて、床に落ちる寸前に、
「っ……」
ガラスを掴む。
掌が少し切れたが、犬が居ないのであれば問題ない。
念のため、布を見つけるまでは、血痕を残さないためになるだけ右は使わないようにしなくては。
「それでは、お邪魔します……と」
中に入る。
外から見た限り、此処は書斎らしい。
片手なのが面倒だが、少し探せば色々と見つかる事だろう。
「精神衛生の為なら、悪人であることを祈るべきかな……」
まずは、机の引き出し辺りから探そう。
■クレス・ローベルク > ――その後、男は無事帰ることができた。彼が何を持ち帰ったのかは、本人のみぞ知る
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】 とある王族の邸宅」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > ――――― あ、れ。
(既に朝と呼ぶべき時間ではない、というよりもほぼ昼時だが、
夜通し狂乱の宴に興じた王侯貴族なら、まだ寝床でグダグダ過ごしていてもおかしくない頃合い。
寝台を覆う天幕が部屋の片隅に作った深い影から、にゅ、と手を伸ばし足を踏み出して、
きょとんと目を瞠り、なんとも間抜けな声を洩らした。
きょろきょろとあたりを見まわせば、目深に被っていたフードが肩にずり落ちる。
くしゃ、と片手で前髪を掻きあげて、そっとため息を吐き)
ありゃ……久々に、やっちゃった、かぁ。
ここ、まだ城の中だよね……。
(マントの懐へ隠し持った書物を抱える腕に、そっと力をこめる。
城内の図書館へ、こっそり、無断で、本を借りに来た帰りであった。
王都に最近できた塒へと、まっすぐ戻るつもりだったのだが―――。)
……ていうか、
(そよ、と傍らの天幕が揺れるのへ、ぎくりと身を強張らせる。
天幕は上等な素材ではあるが、窓辺から差し込む陽光を透かして、寝台に己の影が差しているはず。
中に眠っている―――かも知れない誰か、がいた場合、侵入者である己の立場は非常にマズイ。
しばし、息を詰めて天幕の奥の気配を窺う。
―――――あまり、というよりもまったく、ひとの気配を読むのは得意ではないけれど。)
■リュシー > (―――――しばらくじっとしていたら、中からイビキが聞こえてきた。
イビキ、と言っても可愛らしいものじゃない、酔っぱらい特有の派手な――
なんというか、もう、コレで中に居るのが女性だったら、
昔の己であってもオトコに走りたくなりそうな、ものすごい騒音だ。
ともあれ、見つかる心配はなさそうである。
抜き足差し足忍び足、そろり、そろりと部屋を横切り―――――)
最近あんま飲んでないけど、アルコールってやっぱ怖いなぁ。
(そんな呟きを残し、廊下に面した扉を潜る。
今度は確実に、誰も居ないところから帰ろうと――――――。)
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からリュシーさんが去りました。