2019/08/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にレナリアさんが現れました。
■レナリア > 幾度招かれても、酒宴の席には慣れる気配が無い。
賑やかな楽団の音色にも、姦しい貴婦人たちの笑い声にも、
酒に酔った紳士たちの下品な冗談にも、己は直ぐに音を上げてしまう。
とは言え、此処へ己を連れてきたのは夫であり、
夫の赦しも得ずに、独り屋敷へ帰る訳にも行かない身。
然も、夫はいつも気がつくと、己の傍から居なくなっているのだ。
せめて、と早々に広間を辞して、喧騒から逃れるように歩を進めていれば、
いつしか、ひと気の無い薄暗い廊下へ入り込んでいた。
もしかすると、入ってはならない場所へ来てしまったのでは、と思う反面、
眩い灯りに晒されていない静けさが心地良くもあり。
夫からは不評だが、どうしても露出を少なめにしてしまうイヴニングドレスの肩へ、
更に薄手のストールを羽織って胸元で掻き合わせると、
疲労の滲む白い顔を俯かせ、ほう、と小さく息を吐いた。
■レナリア > 『―――奥様、こんな所にいらしたのですか』
不意に背後から声が掛かり、反射的に背筋を伸ばして、
―――精一杯の微笑みを顔に張り付けながら振り返る。
果たして、声の主は夫の従者の一人であった。
「ごめんなさい、捜させてしまったのね。
ええ、……大丈夫、今戻ります」
戻りたくはないが、夫の命令とあらば。
強張り気味の笑顔であろうとも、素直に頷いて彼について行くより無く。
広間が近づくにつれ強くなる頭痛に、僅か、眉を寄せてしまいながら。
そっと蟀谷を押さえ、一度だけ頭を振って。
侯爵夫人としての務めを果たすべく、広間へと舞い戻った―――。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からレナリアさんが去りました。