2019/06/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にヴェルファールさんが現れました。
ヴェルファール > 小雨あがったマグメール王都、王城内。
今日も今日とて開かれる宴の場、その一つだ。

国内各地の有権者、その関係者が集い、賑わっていた。
もちろん、その中にはそれらが引き連れた護衛や召使い等々も混ざっている。
もしかしたら、それらに紛れた無関係の者も居るかもしれないか。

そうした宴の中で、のんびりと部屋の端、設置された椅子にちょこんと座っているのは一人の幼女。
その手にはいくつかのデザートが乗せられた器と、フォーク。
もぐもぐと、一つ口に放り込んでは美味しそうに頬張っていた。

一応はある街を治める領主の娘との立場、場としては間違っていない。
ちなみに、お供とやって来ていたのだが、現在、そのお供は別件の用事でこの場を離れていた。

ヴェルファール > 宴の場を歩くウエイトレスの一人が幼女に気付き、トレイに乗せた果物のジュースを差し出そうとしていた。
しかし、ちょうど切り分けた果物を口の中に入れようとしていたところ。
その手を止められる訳もなく、ぱくん、と。

「んぐ…!?」

タイミングの悪さに、ちょっと焦る。
しかし、すぐに落ち着きを取り戻し、もぐもぐと頬張り、こくん。
そして、こほんっ、誤魔化すように咳払いを一つ。

「しつれい、ありがとう」

にっこりと笑顔を向け、そのジュースを受け取る。
どういたしまして、ウエイトレスは返すように言えば、その場を離れていった。

「あ、あぶなかったー…こんどはきをつけなきゃ」

ふーっ、と胸を撫で下ろすように吐息を吐きながら呟く。
人の多い場なのだから、落ち着き、礼儀正しくしなければ、と。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にフィニスさんが現れました。
フィニス > きょろきょろと周りを見回す女性。黒いドレスが似合う獣人の彼女。ミレー族と間違われかねず、あまり周りからいいようには見られないながらも田舎者丸出しの彼女はその雰囲気には気づかないだろう。

一応姫であり、国の代表であるとはいえ、ド田舎の国と大国であるマグメールではまるで文化が違った。

若干心細く、誰か話し相手がいないだろうかと見まわすと、ちょうど幼そうな子供が。さすがに年下なら…… と話しかけてみる。

「こんにちは。それ、おいしいですか?」

おいしそうに果物を食べているヴェルファールに声をかける。

ヴェルファール > この場に来れない、義父の代わりにここに居る。
相手が何者と言え、ちゃんと接するのは当然、それは、そんな義父からの教えの一つ。
ゆえに、自分に掛けられた声に気付けば視線を向けた。
ぱっと見は人間と代わらないだろうが、特徴的な耳と尻尾がそれとは違うと理解出来て。
だが、幼女は教えに従い、動くのだ。

「こんにちは。
これ?ああ、とてもあまくておいしい、たべてみるといいだろう」

挨拶と共に、椅子からひょこんと降りて一礼。
手にしたデザートを指している事に気付けば、そう答え、それが並べられていた側のテーブルを示す。
小さいながらも、堂々とした態度での対応を見せる幼女…今は、まだ。

フィニス > 「ありがとうございます。わー、おいしそー」

どちらの方が幼く見えるかというと、体格だけ見たら圧倒的にフィニスのほうが大人である。特にその胸部は豊満であった。
しかし、態度を見ればフィニスのほうがよほど幼げで無邪気である。

お礼を言って、デザートを淑女らしからぬ山盛りに盛ってからヴェルファールの隣に座る。

「いただきまーす」

そしてその大量のデザートをもしゃもしゃと食べ始めた。

「ああ、私はフィニスといいます。よろしくお願いします、mgmg」

食べながらも自己紹介をするフィニス

ヴェルファール > 「いや、かまわん。
だれだって、おいしいものであればたべたいものだからな」

ちら、と幼女の視線は目の前の少女の胸に。
無駄に張り合うように自分も胸を張りながら、デザートを盛りに行く様子を見つつ、椅子へと再び腰を下ろした。
理由は無い、あれを見たらやってみたかっただけである。
が、そんな少女はデザートを山盛りに、こちらへと戻って来た。
しかも、隣に座る。
不思議そうに、かくん、と首を傾げながらも、残るデザートを食べ始めて。

「フィニス…あ、ああ、われのなは、ヴェルファール。
ヴェルファール…フォスル…フォル…まあ、ヴェルファールでよい。
こちらこそな」

こちらは食べる手を止め、少女へと自己紹介を返す。
返すのだが、フルネームを名乗ろうとして、諦めた。
それを諦めたと気付くかどうかは、少女次第だろう。

フィニス > 「ヴァるファールさんですね。よろしくお願いします。ここに来て初めてのお友達です♡」

既にお友達として確定しているのだろう、彼女の中では。
嬉しそうに甘味をほおばりながら、嬉しそうに尻尾を揺らしている。

「田舎出身なものですから、こんなおいしいものも初めてです」

もっしゃもっしゃと食べていき、すぐに山盛りのデザートが亡くなる。

ヴェルファール > ぴくん、と片眉が揺れる。

「ちがう、ヴェルファール…ば、じゃなくて、べ、わかったかね?
ん?おともだち?…え?」

ちょっとむすっとした顔をするも、律儀に濁音部分を分かり易く説明する。
しかし、後の言葉に、幼女は再び首を傾げた。
それはそうだろう、会って数分も経たずのお友達宣言なのだから。
つい、一瞬だけ素が出てしまう。
こほん、と再び咳き込むようにして、落ち着こうと。

「そうなのか?
いなかにも、いなかでのおいしいものがある。
われは、そうきいているのだが…どうだろう?」

ん…と、少し考えるような仕草を取る幼女。
自分の手元のデザートは、言葉を発しようとする度に、それを食べるのが止まってしまう。
隣の少女が食べ終わろうと、幼女の手元のデザートは、まだ残っているだろう。

フィニス > 「ベルフェールさんですね!!」

どうやらうまく発音ができないようだ。

「んー、魚とかはおいしかったですけど、甘味なんてその辺になってる果物だけですね。こういう上品なものとは程遠いです」

そんなことを話しながら完食しても、隣はまだ食べていて。

「はい、あーん」

とスプーンを勧める。

ヴェルファール > 再び間違えられる名前に、うぐっ、と唸る。
考えて、考えて…こうした結果を出した。

「フィニス、われのことは、ヴェル…じゃない、ベル、でいい」

本当は、ヴェルとしたかったが、発音が苦手そうなので、そちらにしておいた。

「なるほど…しぜんはしぜんの、ひとのてによるものはひとのてによるものの、おいしさか」

無理に難しそうな言葉を選び、語っているようで、言葉が時折、途切れ途切れになっていたり。
そこを気にするか気にしないかは、相手によるか。

「………まて、フィニス。
ちゃんとたべれる」

食べさせようとする少女だが、幼女は周囲を気に掛ける。
そんな言葉を言ってはいるも、周囲の視線がないのならば…ぱくっ、と食べた。
もぐもぐ、こくん、と食べてから、そう述べる。

フィニス > 「ベルちゃん、かわいいですねー!!」

一生懸命もぐもぐ食べる姿にロリコンをこじらせた連中が遠巻きに見ていた。

「しかしひまですねー。ベルちゃんあきません?」

ヴェルファール > 「………もう、ぜったいにやらない」

視線の端に、そんなロリコン連中の姿が入る。
ぷぅ、と頬を膨らませながら、少女へとそう伝えるのだった。
ちょっと拗ねたように、残ったデザートを、もぐもぐ食べて。

「おいしいものがあるから、まだ、だいじょうぶ。
それに、なにかあるかもしれないし、ほんとうにあきたらかえればいい」

食べ終わった器を、手近なテーブルへと置く。
次なる料理を取りに行く前に、少女へと、そう言って。
催し物があるかどうかは、分かっている訳ではないが、どうだろうか?
無ければ無いで、言った通り、本当に帰ろうかと考えていた。

フィニス > あいにくちょっとした宴であり、大した出し物もなさそうである。
美味しそうに食べるヴェルファールの姿には、ロリコン連中大興奮であった。

「んー、何もないならボクも帰りましょうかね」

パートナー探しと移住者探しという崇高な使命があるのだ。
全く役に立たないなら帰ろうかと思ったりしながら、大量の肉を皿に盛り、がっつき始めた。

ヴェルファール > ぐるりと、幼女は周囲を見渡す。
楽しめそうなイベントやら何やらは、今回は無さそう。
それでも、美味しいものが食べれたので満足だが。
じろ、と食べ終わった後に、こちらを見ていたロリコン共を、幼女が睨むのだが…
そんな連中なのだ、それさえも、きっと興奮材料に違いない。

「フィニスは、まだたべるのか…
というか、それをたべるのか?」

食べ終わり、見る余裕が出来たからだろう、少女の手元の皿の上のものが視線に入る。
明らかに、自分から見たら量が多過ぎだ。
もっとも、少女にとっては、そうではなさそうなのだが。
半ば呆れ顔で少女を見遣りつつも、帰ろうか、との話が出ていたので、律儀に待つ幼女である。

フィニス > 大量に肉を食べ、お替りまでしてから、帰る準備をする。

「んー、お相手探しは長引きそうです」

家柄などが必要なわけではない。国ではとにかく若い人出が欲しい、この純粋栽培系のお姫様は、食べ終わると嬉しそうにヴェルファールの手を握る。

そのままお話しながら、何もなければ宴から帰るのであろう。

ヴェルファール > あれだけでも多いのに、追加まで加える少女。
隣で見ているだけでも、胃がもたれそうな気分になるかもしれない、普通なら。
しかし、幼女は素直にそれを感心しているだけだった。
これだけ食べれる相手になんて、会った事がないのだ。

「おあいて?
よくわからんが、さがしものがみつかるとよいな」

その言葉の意味は分からない。
だが、何かを探しているのと、それがなかなか見付からなさそうだ、と言うのだけは分かった。
なので、そう言いながら、握られた手を、握り返しておいて。

幼女は、こうした宴等には、時々だが参加している。
しているのだが、大体は食事だけして帰るのがほとんどだった。
この珍しい出会いに、色々と思いを馳せつつも、少女と同じく帰って行くのだろう。

フィニス > 「またお会いしましょうね」

嬉しそうに手と尻尾を振りながら別れるフィニス。

今回の王城での彼女の収穫は、ヴェルファールに会うだけしかないのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からフィニスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からヴェルファールさんが去りました。