2019/03/26 のログ
■ザイヴァー > 顔が貫かれ、悲鳴を上げる間もなく絶命したサキュバス。
その様子を見たザイヴァーとバスカードは…
『ひゅー。やるじゃないか。あの兵士』
「うむ……サキュバスに惑わされなかったとはな……」
そう呟き、仮面の兵士に近づく。
「ご苦労だった。サキュバスの処理、確かに見届けたよ」
そう言いながら、その無残な死体を見やって……
「さーて、死体があると貴族方がうるさいからな……バスカード。灰にしてやれ」
『えー。こんなグロイ死体に俺様の魔法を……』
「黙れ愚剣。元はといえば、お前のせいで取り逃がしたんだろうが……」
そう剣に命令して……
『っち、わーったわーったよ。『ファイア・カーノ』』
そして、剣が赤く光れば、魔族の死体は灰も残らず燃え尽きて……
「さて、兵士よ。君は……もしかして、ゼロ君。かな?」
そう、相手の名前を言って……
「もしそうなら……毎夜の見回り、ご苦労だ。君のおかげで、安心できる貴族もいる」
もちろん、鬱陶しがる貴族もいるが……立派に働く兵士を労うのも、上層部の務めである。
しっかりと少年兵士を労おうか……
■ゼロ > バラバラにされた魔族の死体、猟奇的な状態になっているそれは、他の誰かから見れば、十分に凶行に及んだと言われても仕方がないだろう。
ただ、魔族という存在は生命力が高いから、これぐらいしないと安心できないというのもある。
聖なる魔法だのなんだのが使えれば、また違うのだろうが少年は、魔力は全部肉体に刻まれた強化の刺青に使用されて魔力を持たないのだ。
男と、剣が喋りながら近づいてきていて、剣に魔力が集まるのが見える。
そして、それは炎の魔法となり、死体が燃えて消える。
自分に近づいてきた男、実は見覚えがないのだが――――。
「は、王国軍第七師団所属、ゼロです。
失礼ですが、貴殿は、何方様で?」
その服装、から、高貴な人間だということは判るのだが。
訓練兵の頃からに魔族の国だの、タナール砦だのにいずっぱりの少年は、貴族に疎い。
名前と顔の一致する貴族は出会ったことある人か。
あとは、第七師団の師団長、サロメ将軍ぐらいだったりするのだ。
覚えてもらい、光栄であるが――――問いかけるしかできなかった。
■ザイヴァー > どうやら、兵士君は自分の事を知らないようだ。まあ、第七師団ならほとんどかかわりがないし、仕方がないだろう……
『はは、ザイヴァー。若将軍様も平兵士の間にまで広がって無いみたいだな。良かったじゃないか』
「黙れ愚剣。溶鉱炉に落とされたくなければ少し黙っていろ」
そう言いながら、兵士の方を向き。
「うむ、俺はザイヴァー・グランフォード・カイゼル第一師団師団長である
……第七師団とはほとんど交流が無かったが。良い兵士がいるようだな」
そう言って、将軍として胸を張り、威厳を出しつつも偉ぶらないよう自己紹介をしようか。
胸には、いくつもの勲章が輝いているのがわかるだろうか……?
第七師団の事はよくは知らないのだが、有能な団長が亡くなったと聞いていて……
「君の話は聞いていた。夜、よく見回りをしている「任務に忠実な」兵士がいると、な」
もっとも、夜に色々したい貴族には不人気のようだが、それは口に出さない。
自分自身は、任務に忠実という噂のこの少年兵士を評価していて……
『で、俺様はバスカード。聖剣だぜ。よろしくな』
「ああ。この愚剣の事は、脳の片隅の端にでも覚えておいてくれ」
『ひでぇ!』
「まあ、とにかく……このご時世だ。君のように夜しっかり見回りをしている兵士は……
残念ながら、少ない。君のような兵士を、我が師団の新人も見習ってほしいものだよ……」
といいつつ……最近の兵士の質の低下を軽く嘆いて…
■ゼロ > 「第一師団長様でしたか、失礼いたしました。
第七は、基本魔族との戦闘のために殆どがタナールに駐留していますから。」
そもそもの話、少年自体が知らない。
第七がどこと仲が良くて、どこと仲が悪いのか、とか。
良くも悪くも、任務漬け過ぎて、いろいろな機微がわかっていないのだったりする。
「兵士ですから、任務に従事するのは当然の義務です。」
少年のもともとの気質がそうだというだけであり、第七の対魔族の部分として、国の中に巣食う、特に、王城にいる魔族が危険であろうと、此処にいるのだ。
貴族に人気がなかろうと、知ったことではない。
多分そのうち、謀殺を図ろうとする貴族も出てくるのだろう、特に、貴族として入り込んでいる魔族とか。
「剣が喋った。」
聖なる力を持っているのは、仮面が知らせてくれてはいるが、喋る剣という、レアな武器。
愕然とする少年は、とりあえず首を横に振る。
「当然のことをしているだけです。」
気負いもなにもなく、少年は言い切る。
任務に従事し、そのために行動する、それは義務なのだ、と。
先程も言ったが、それに集約されている模様、この兵士の中では。
■ザイヴァー > 機械のような兵士だな。それが、ザイヴァーにとっての少年兵士の第一印象だった。
だが、任務中の兵士というものはそれでいい。人ではなく、機械として行動すればいい。
その方が……兵士にとって、心が荒まなくていいから。
「うむ、その当たり前が、できぬ兵士もいるが……その任務に忠実な面、大切にするんだぞ」
そう、任務中に放蕩に明け暮れ、女サキュバスとも気が付かずに交じって……
結果、無残に城の片隅で冷たくなった兵士のようにはなってほしくはない
そして、しゃべるバスカードに少し驚いた風のゼロには、軽く笑んで……
「はは。喋る剣はレアだからな。おどろくのも無理はない……」
『そうそ、俺様すごいんだぜ~』
「調子に乗るな」
そして、ゼロには……
「さて、ゼロ君。別の師団には、あまり干渉はしない主義なのだが……
君をうっとおしがる貴族もいる。君は……帰るべき場所があるかい?」
そう言いながら、ぽん、と肩に手を置いて……
「あるなら……しっかりと守るんだぞ」
何を、何から守れとは言わないが……
貴族どもの闇から、守るべきものを守れというのか。
任務に忠実に、城を見回り、貴族どもを魔族から守れと言いうのか……
どうとらえてもよかった。この兵士が、機械のような兵士ではなく、
守るべきもののある、人に戻れる場所があれば…
それが、少し精神的に老いた将軍の願いで……
■ゼロ > 「はっ。」
檄を飛ばしてくれるのであれば、それに答えるのが少年である。
大切にとは言われても多分少年は、その面を変えることはないだろう。
「……ひとつ、質問をしてもよろしいでしょうか?」
師団長の口元に浮かぶ笑み、そして、自分を自慢する聖剣。
その二つが重なると、漫才になるという不思議な関係であろうか。
少年は、視線を聖剣に向けて質問の意思を顕にした。
それなり以上に、興味があるのだ。
「帰るべき場所は―――守るべき人はいますね。」
帰るべき場所というのは故郷だろうか、故郷は捨てたのでないと言える。
ただ、守るべき相手はいる、それは確かで、少年は素直に答える。
「判りました。」
守るべきと思った相手は守る。
この国の魔族を減らせば襲われる可能性も減るだろう。
国を守ることは、人を守ること。
大事な人を守ることにイコールができるはずだ。
少年はそう考えて、将軍の言葉に首肯した。
■ザイヴァー > 少年兵士の肯定の意に、ザイヴァーは満足げに首を縦に振って……
「うむ、守るべき人のある者は、強くなるからな……」
きっと、彼はもっと「良い」兵士になるだろう。それが少し楽しみであり、
少し、人間味を失わないかも不安であり……そんな複雑な心境は、実年齢が老将軍だからか。
そして、質問を向けられたバスカードは……
『ん?何だい。ゼロ、俺様に質問か?』
そう、あまり口はよろしくないが、しっかりと質問されれば答えるだろう……
そして、ザイヴァーは、周囲を見渡しつつ……
「しかし……俺が入隊を志したころの城は、もっと輝いて見えたが……
今は、すすけて、灰色だな……」
そんな事を口ずさみ、遠くを見ているような目をしようか……
「だが、そんな城でも、国を動かし、国を守ろうと思う者もいる。
ゼロ君。君は……魔族を絶対の敵と思うか?思ってくれるなら……
きっと、第七師団の師団長は、幸せだな。国を思う若い魂が、ここにるのだから」
古臭い考えだとは思う。偏った考えだと思う。でも…硬い意思は、確かにある。
魔族は、絶対の敵だ。数少ない、善良な魔族のために、大多数の人間が不幸になっていいわけがないのだ……
■ゼロ > 強さと、何かを期待しているような言葉。
彼の意図が読めずに、少年はじっと眺めているだけとなり。
聖剣からの返答に、視線を聖剣へ、と。
「貴方は、予め、そう作られたのですか?
それとも、後から、意識を獲得したのですか?」
そう、喋る剣はレアである。喋る聖剣はもっとレアである。
だから、よくある知恵のある道具に聞いてみたいことを、聞いてみることにした。
ちなみに、少年自身は、知恵のある道具に遭遇したことはない。
「魔族は敵でしかありません。
駆逐するための存在です。
そして、そのために、対魔族の軍として、第七は有ります。」
少なくとも、少年はそう認識している。
魔族を敵とせずは第七の存在そのものの否定だ、と。
国を思うというには、少しずれてるような気もするが、今は重要なことではないだろう。
なので、言わないことにする。
それに、彼の視線と言葉。
何かしら思う所があるのだと、思ったから。
■ザイヴァー > 自分が元々から喋る剣だったのかと聞かれれば……
『ああ、そんなことか。いいや。俺様はもともとから喋れたわけじゃねぇよ。
まあ、ザイヴァーの年齢を固定しやがった魔女さんが、嫌がらせついでの嫌がらせに、
俺様に意識としゃべる能力をくれたのさ』
そう、どこか自慢げにしゃべるバスカードと、溜息しか出ないザイヴァー。
「はぁ……しかも、呪いにしか見えない魔法だが、
この魔法は聖剣にとっては、呪いと受け取られなかったようでな。忌々しい、あの魔女め……っ!」
『はは。まあ、そんなに邪険にするなよ。俺様がしゃべるおかげで、助かった場面もあっただろ?』
「そ十倍くらい、忌々しい目にもあったがな……さて。」
そして、ザイヴァーは話を区切って……
「君の職務を邪魔するのもあれだしな。俺はそろそろ去る。しっかりと、見回ってくれたまえ。
そして、少しでも、魔族に怯え震えるものが少なくなるよう……な。」
そういって、去って行こうか……
■ゼロ > 「……魔女による呪いで、意識の獲得……。」
嫌がらせらしいことが判った。
とはいえ、会話ができるというのはそれはそれで便利ではないだろうかと思う。
聖剣をまじまじと眺め、視線を師団長へと戻す。
「いえ、有益な時間をどうもありがとうございました。
それでは、任務に戻ります。」
彼は、師団長だ、自分よりもはるかに忙しいのであろう。
わざわざ時間を割いてくれたことに感謝の念を返してみせて。
そして、少年は敬礼をひとつ師団長に向ける。
彼が去っていくのを確認し、それから少年も任務に戻る事にする。
夜の見回りを、魔族の捜索、駆逐の任務を。
まだ、魔族は沢山いるのだろう、から。
ご案内:「王都マグメール 王城」からザイヴァーさんが去りました。
■ゼロ > 「嫌がらせ、か……。」
廊下を進みながら、少年は小さく呟く。
嫌がらせと言っていたけれど、本当に嫌がらせだったのだろうか。
剣に人格があると便利にも思える。
しかし、分からない事なので、思考をやめることにする。
今はタダ、任務をこなす方が優先なのであるから。
ノルマとかはない、だからこそ、全力で行うべきなのだと少年は思う。
――――カツン、カツン、とまた、響き始める
■ゼロ > 思考は霧散し、少年は、いま現状の任務に集中することにした。
魔族を見つけ、それを退治していくという現状の任務。
少年は考えるのだ、どんな存在だとしても魔族は魔族であり、倒すべき存在なのだ、と。
先程の師団長の言葉で思い返して思い直す。
少年はそのまま、ゆっくり取ろうかを進んでいき。
今宵も任務に邁進するのだった―――――
ご案内:「王都マグメール 王城」からゼロさんが去りました。