2019/01/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/研究室」にリスさんが現れました。
リス > [お約束待機です]
ご案内:「王都マグメール 王城/研究室」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 一先ずはある案件の話を付けた事で、何時も通りのんびりとした日々に戻っていた。
行う事自体は多くはないが、責任問題等が原因で此の場から理由無く離れられないのは辛い処か。
唯一の救いは本当に暇な時間は造り上げた地下研究室で時間を潰せる事だろう。
尤も今はまだ其の時では無い、柔らかな椅子の上で寛いでいる状態だ。

「さて、今日は如何したものか…」

魔力を巡らせる事で温度調整をされて快適な室内、呟きを漏らし天井を眺める。

リス > 先日、彼女と色々と契約を交わしたあと、家に帰って報告すれば、嫁の竜がダダを捏ねる捏ねる。
 自分が提案した方法が気に食わない模様なので、新たに交渉し直しということになったのだ。
 彼女は忙しい身である上に、騎士団の副団長様、事前にアポイントを取っておいて、開けてもらった時間。
 少女はお礼の菓子折りを持って、そこにやって来たのだ。
 王城の入口の兵士に、来城の理由と行き先を伝えて場所を教えてもらう。
 入ってから一本道の先にあると言うことを聞いて、そちらへとぽてぽてぽて歩いていく。

 しばらく進んだ先で、みえてくるのは大きな扉。
 先ほどの番兵の兵士に聞いた特徴と一致しているので、ここなのかしら、と思いながら扉の前へ。

 ―――コン、コン、コン、コン、と四回ほどノックをしてから。

「お忙しいところ申し訳ありません、トゥルネソル商会の、リス・トゥルネソルと申します。
 ミリーディア様はいらっしゃいますでしょうか。」

 静かに問いかけの言葉を扉へと向けて返答を待つ。

ミリーディア > 先日の件において、一部説明が面倒なので間違いを訂正しない侭な部分が在るのを思い出していた。
ふと視線をデスクへと移せば一枚の羊皮紙、其れに書かれた文面を見たからだ。
書かれている内容は、本日此方の時間を少しばかり頂きたいとのもの。

そもそも外出予定は無かったから良かったものの危なかった。
気が付けば、もう予定の時間だ。
だから何をする訳でも無し、少女は寛いだ姿勢の侭である。

「ああ、来たか。
気兼ねなく入ってくれて構わない、前も云った通り堅苦しいのは苦手なんでね」

ノックと、扉の向こうから聞こえてくる声。
其れに答え乍、少しばかり身を起こす。

リス > 暫し待っていたところ、部屋の主から許可の声。
 少女は、部屋に居てくれたことに安堵のため息を吐き出しつつ、扉を開けることにする。
 そして、部屋の内装を眺めながら扉を閉める。

「失礼いたします。
 ええ、気兼ねなくとおっしゃられてもやはりここはお城の中ですから、他の方に私が礼儀知らず、とは思われたくはありませんので。」

 入るまでは、流石にほかの人の目があるので、と小さく少女は笑いをこぼして見せて。
 そして、ゆっくり歩いて、彼女のテーブルの前に。

「早速来る事になるとは思いませんでしたわ。
 手土産が上手く準備できず、詰らないものですが。」

 甘味が好きだと聞いていたので、東方の甘味を揃えてみた。
 羊羹という餡子を固めたものと、どら焼き、というホットケーキにあんこを入れたもの。
 あんこというのが珍しいので、それを揃えて見たのだ―――その二種類のお菓子が入っている箱を、そっと、テーブルの上へ。

ミリーディア > 扉を開き、室内へと入れば扉を閉める。
そんな少女の動きを眺め乍小さく伸び。
座りっ放しと云うのも案外疲れるものなのだ。

「成る程。
周囲を気にしなければ為らない立場と云うのも大変そうだ。
立ち話も何だ、椅子は其処で良いかね?」

トンと指でデスクを小突けば、傍に在った椅子が自分と向き合う様な位置へと移動する。
続く少女の言葉を聞けば、手土産と云う箱に自然と視線が向いてしまう。

「世の中そんなものさ、いや、然し…
こんな早急にこう為るとは思わなかった。
何だか逆に悪い気がしない事もない、ありがたく受け取りはするがね」

デスクの上に置かれた箱から視線を少女へと戻す。
漂う甘い匂いから中身に大体の想像は付いていた。
勿論自分は甘味に選り好みは無く、此の東方の菓子類も好んでいる。

リス > 彼女が椅子を移動させる、その様子を眺めて視線を戻す。
 その目は、『流れ』を見てその『流れ』に沿って椅子が移動したことを理解したのだ。
 人の姿を取ろうとも本質は竜の目なのだから、見えないはずのものが見えてしまうのだ。

「はい、そちらで大丈夫です。
 私なんて、一介の小娘でしかありませんもの、お貴族様の不興を買ってしまえば、直ぐに潰されてしまいますもの。」

 彼女の提案に笑いかけながら椅子の近くまで移動して、失礼しますわ、と、腰を下ろす。
 周囲を気にするのは、単に周囲の貴族の目を嫌っているとも言える。
 礼儀をしっかりするのは、付け入る好きを与えないため、とも。

「それは、どうぞご賞味下さいませ。
 両方とも、こちらの甘味とは違う控えめながらもしっとりとしていて、美味しいものですわ。

 悪い気がするなんてとんでもありません。こちらが無理を言っているようなもの、ですし。
 先日の契約の件、嫁のアッシェが第十師団と関わりたくない、とごねてしまいまして。
 別の部署で登録ができないものか、と、ご相談にお伺いしたのですわ。」

 視線を戻す相手、お菓子の味に関しては、買う前にちゃんと味見をしてあるから、大丈夫だと思いたい。
 あとは彼女の口に合うかどうか、それは―――まあ、別の時に語ってもらうことにしよう。

ミリーディア > 成る程、魔力の流れは自然と見えているのだろう。
少女の視線の先に気付けば其れを理解するのは容易だ。
其れが良いのか悪いのかは、本人次第なのであろうが。

「何時の時代も変わらんものだ、人間と云うものは。
然し上に立つ者が居なければ国が成り立たないのも又事実か。
困ったものだね」

良い者も居れば悪い者も居るのが世の中。
双方在ってこそ世の中として成り立つ部分も在る。
其れ等が在るからこそ、少女の様な立ち振る舞いが必要不可欠なのだろう。
思う処が在るかの様に肩を竦めてみせて。

「では早速頂くとしよう。

……おっと、細かい話は知らないが面識は在ったと記憶していたな。
竜に関わる件なら投げても大丈夫と思ったが、なら仕方無い。
其れなら儂個人で通しておこう、結局監視は儂がする事に為っていたしね」

上役に直接関わると云う意味でも其の方が実は話が通し易い。
第十師団で話を通していたのは一手間でも減ると思ったから、其れだけの理由だったのだから。
箱を手元に引き寄せ開きつつ、少女へと言葉を返す。
開いて中身が見えれば、思った通りの者が目に入り自然と笑みが零れる。
東方の菓子には東方の茶か、視線が棚の一つへと向けられる。

リス > 視得ているだけ。それ自体に良いも悪いもない、それを使おうと思うかどうかという話であり、少女には使う気はなかった。
危険な爆弾という形になるのであれば、彼女に教えを乞うて、そうならないようにあろう、其のくらいの事であった。

「上に立つ者は上に立つだけの価値を示さないといけませんから、ね。
 その価値に肖ろうとするから、国となりますの。
 私は、権力という価値はあまり興味ありませんわ。
 お金という価値は、大好きですけれど。

 困ったものです。」

 彼女の言葉に同意をする少女は、異口同音といっていいだろう言葉で返してみせる。
 彼女の思う所が理解できないから、少女の感覚での返答となるのだった。
 ただ、国というものは、上がいて、下がいる。
 それぞれが歯車となるから、国として存在できるのであろうと思う。
 歯車の潤滑油こそ、リスが好む……お金、なのであろうとも。

「はい。
 もしお気に召しましたら、また来るときに持ってきますわ。

 私も、うちの娘に聞いていたので、第10の騎士団であれば、個々の顔も覚えてもらえて、面倒が少ない、と思ってたのですが。
 アッシェが個人的に諍っていたなんて知りませんでした。

 ご迷惑おかけします。」

 困ったように少女は眉根を落としてため息一つ。
 交渉を頑張って、それをすぐに覆すなんて、少女としても少々思う所があるのだ。
 箱を開けて中身を確認する相手。
 何はともあれ、嬉しそうな顔を見るのは、商人としても好きなので、当たりだったかしら、と、嬉しそうに微笑んだ。

「―――お茶ですか?よろしければ、入れますけれど。」

 道具とかの場所を教えてもらえれば、と視線を移動させて棚に向いたのを見て、少女も同じ棚を見て問いかけた。

ミリーディア > 確か少女は力を使う事を好みそうには見えてなかった筈だ。
只、力の大きさ故に最低限度でも扱う技術は必要であろう。
何れは機会を作らねばなるまい。

「其れもリス君と云う存在で在るからこそ。
何に価値を見出すかは、其の者それぞれに在るものさ。
其れを考え始めてしまっては限が無い。
だからこそ君が君で在る事、其れで十分だと儂は思う」

人間が此の国を作り、生き続けるのを眺め続ける存在。
否、人間だけではない、他の種族さえも。
国だけでない、世界そのものが在って為らない存在なのだ。
其の大きさを語るには時間が掛かり過ぎる為に控えておくが。

「そうしてくれると儂が喜ぶ。
新しく出来た物とかも在ると助かるか、態々出向く必要も無くなるしね。

構わんさ、無理して進める様な話でもない。
互いに納得出来てこそだ、一手間程度なら大丈夫だ」

結局の処、此方としては上の連中が納得出来るものが在れば良し。
少女としては思う処も在る様子だが。
茶に関しては如何やら此方の仕草で勘付かれたらしい。
視線を棚から少女へと戻す。

「あの棚に並んでる、こんな事も在るだろうと色々と集めててね。
好きなのを使ってくれて構わない」

本来は客に振舞うべきなのだろうが、淹れてくれるならば願ったりだ。
指差す棚、近付けば数多くの道具が揃っているのが見えるだろう。
只、ちゃんと分けて並べていないのが大雑把な性格を現わしているかもしれない。

リス > そもそも、力とか持ってるとか、喧嘩を売られてしまいそうで怖いのである。
 最低限の身を守るのだって、護衛にお願いして……というレベルでしか考えてないのだ。
 本当に、喧嘩したら、そのへんのチンピラに負けるレベルなのです。竜なので殺されることはないでしょうが。

「ミリーディア女史の言うとおりだと思います。
 私はお金、貴族様は権力……。

 私が私である事。
 私は変わりませんわ、人であろうとも、そうでなかろうとも。」

 お金と女の子大好きな、商人ですもの。
 元人間の少女は、くす、と笑ってみせる、自分を構成しているものは、肉体ではなく、心なのだ、と。
 その考え方を本人が意図はじつはしてない。

「ふふ、これも賄賂になっちゃうのでしょうかね?
 ミリーディア女史の笑顔が見たいので、次もいろいろ考えて持ってきますわ。
 新作のお菓子も、いろいろ見繕ってみますわ。

 ありがとうございます。
 戸にもかくにも、今後とも宜しくお願いしますわ。」

 交渉の返答、許可の言葉に、隠しもしない安堵のため息。
 断られたらどうしよう、本気でそんなふうに思っていたから。

「では、お礼の意味を込めて。
 ……流石に、熟練とは言いませんのでそのへんはお許しくださいね?」

 嫁が知っているから教わっただけで、あまり上手くはできないと思う。
 先に言っておきながら、お茶と茶こしと、急須を取って。
 先に急須にお湯を入れて温めておく。
 温める間にお茶の葉を茶こしに適量用意しておき、最初に入れたお湯を捨てて、急須にお茶の葉を入れる。
 上から熱いお湯を注いで、軽く回すように。
 それが終わってから、暫く蒸す間に、お茶碗を手にして、お湯で温める。
 お湯を捨ててから、お茶を均等になるようにゆっくり注いで、彼女の前へ。

「………多分、こういう入れ方、だったはず……。」

 慣れてないがゆえに、自信なさ気であった。

ミリーディア > 力は在ろうと、扱う術が無ければ無用の長物。
其れが今の少女に当て嵌まるものなのだろう。
尤も、力を扱えるとも無駄な事が多い自分の様な存在も居るのだが。

「そうさ、其れで良いんだ。
其れでも住まう場所には最低限合わせる必要が在るものでね。
人の国では人で在り、魔族の国では魔族で在る。
……そうだな、機会を作ろうと思っていたが丁度良い。
少し時間を作れる為らば其の術を教えてやろう。
無理なら後日にでも構わん、儂は此処さえ離れなければ問題無いんでね」

少女の言葉に頷いてみせる。
少しばかり考える素振りを見せ、取り敢えずと聞いてみた。

「賄賂として儂に物を送る様な連中は居らんよ。
したら如何なるか誰しも知っているからね。
そんなもので喜べるなら、幾らでも持って来てくれ給え。

いや、偶然でも君達と会えたのは此方としても助かった。
でなければ、何か在ってから態々出向かわなければ為らなかったからね。
問題在って対処するのが面倒なのは理解してくれてるだろうし、信じているよ」

安堵する様子に、少女が抱いていた不安要素は何となく認識出来た。
確かに相手からすれば色々と考えを巡らせるのは在るだろうと。

「安心してくれ、儂も葉を入れて湯を注ぐ程度しか分からん」

少女の言葉に、自分も理解してる程度なのを伝えて。
簡単にはそう云うが、実際にはそう簡単なものでないと理解している。
茶を淹れている間は椅子に再び身を預け寛ぐ。
其れが終われば再び身を起こして。
目の前に置かれた御茶、特に問題無さそうに見える。

「大丈夫さ、余程変な事をしない限り飲めない茶なんて出来やしない。
……ほら、ちゃんと飲めるじゃないか、美味いな」

御茶の入った湯飲みを手に自信なさ気な少女に云う。
淹れている様子を見てもおかしな点は無かった。
先ずは御茶から一口啜る、そして素直な感想を述べた。

リス > 「この国は、魔族の暗躍がお負い、とも聞きますけれど、ね。
 ミリーディア女史の言うとおりであれば、私は魔族の国に行くべき、なのでしょうか?

 あ、と。確か、私の危険なところを、なくす術、でしたか。
 そう、ですね。よろしければ。
 とはいえ、後日もあわせて希望はしますわ。」

 時間は少しだけはあるけれどたっぷりとは言い難い。
 今回では覚えきれないかもしれないので、後日も合わせて教えて欲しいと願いでる。
 触りを聞いて本格的なのは後日でもいいだろうとも。

「……まあ!素敵。
 ふふ、また持ってきますわ。

 まあ、そもそも話が……アッシェが100匹なんという数を連れてこようとしたところでしょうし、ね。
 私が窓口で言い聞かせますので、やんちゃな子が多いので。

 あっしぇは、こういう話し合いの場はすべて私に投げるんですもの。
 あの子自身がトップなのに。」

 そういえばあっしぇは自分を旦那としている。そうなると自分がトップなのだろうか、と首を傾ぐが、違う気がする。
 うーん、と今は思考は止めておいた。
 お茶を手にして飲み始める相手が、言ってくれた言葉に、ああ、よかったと胸をなでおろす。

「では、先ほどの甘いお菓子と一緒にどうぞ。
 引き立って美味しいと思いますから。」

 紅茶の入れ方とは全然違ったし、それでも大丈夫だと分かって安堵して椅子に座って。
 自分も失礼して、お茶を一口貰うことにした。
 失敗はしてないようで良かった、と、息を吐く。