2019/01/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にコルガナさんが現れました。
コルガナ > 新年を迎えてから数日、宴会の話題も騒ぎも収まり始めた頃の誰もいない王城の内部。
酒の酔いにふらつく足音が多くで聞こえる中、珍しく革靴の堅い音が規律を持って響く音が聞こえる。
全く乱れていない衣服と長い黒髪を揺らしている男は、去年から他の王族がようやく持ってきた
書類に目を通していて、ようやく新年も過ぎて今頃になって仕事終わりの雰囲気となる所であった。

「貴族連中の馬鹿達はようやく全ての書簡を渡し終えたか、確認までに新年を超えてしまった」

乱れの無い衣服と動きに疲労感は見られないが、僅かながら眉間に見せる堅く寄せられた皺だけが
彼の疲れを表していた。その半分は他の者達への不満だったが。殆ど急進派に影を潜め、表向き
目立たない彼であったが、丁度誰もいない所だったので思わず苦言を吐くために口が開いた

「何時かその時が来たら、全員並べて火かき棒で顔が無くなるまで殴りつけてやろう」
そう言った所で薄い唇は静かに閉じた。一言二言ではあったが、誰もいない場所でこういった
自分の本当の姿を現すのも、遅れてはいるものの新年を迎えた自分への労いだった。

ラウンジの代わりにもなる開けた場所に置かれた調度品の椅子に腰かけると
隣の机に書簡を静かに置いて、慣れた手つきで火打ち石を叩けば持っていた紙巻きたばこを炙り
その紫煙をゆっくりと吸い込んだ

ご案内:「王都マグメール 王城」にナインさんが現れました。
ナイン > (年を跨ぎ繰り返される乱痴気騒ぎ。
過年の労を労う為、新節に備え英気を養う為、であるのならば良いのだが。
甘露も過ぎれば毒という物にしかならず。
酒池肉林にも食傷気味。火照る頬に風の一つでも求めてか。ふらりと一人宴席を辞した。)

 こういう時ばかり、疲れ知らずな連中には。つくづく辟易するよ。
 ったく、そうだな――行きすぎる嫌いが目立つなら。あの指、一度につき一本圧し切ってやる。

(…もう一つ、出て来た理由。
貴族として。享楽に溺れ姦乱に耽る事も、とうに納得し受け容れているが。
それでも、時と場合という物が有ると思う。
仮にも王侯の訓示が賜られる中、胸へと手を伸ばしてきた某氏を思い出して悪態一つ。

…目当てとしていた場所だったのか、ラウンジに到る辺りで零した台詞は。
不穏当という意味では先客と大差無かったが。
大きな違いが在るとすれば…誰かが居るなど考えていなかったから。
まるで声量を抑えていなかった、という事か。)

コルガナ > 呆けたように天井を少し見上げ、口から僅かずつ吐き出される紫煙を眺めながら
こちらも声が聞こえたのを感じる。エルフの耳が長いのは神の声が良く聞こえるようにという
何処か小さな村で聞いたのを思い出す。とはいえ自らの幼い頃にその村は燃え去っていったが

聞こえた内容は随分と愉快な物だった。自分が発する以外には滅多に聞こえない言葉だ
貧民や平民地区を除けばだが

「人の事は言えんが随分と真実を声高に発する者がまだこの王城にいるとは思わなかった」

目線にも入っていない相手に呼びかける様な声量で口を開いてそう発した。
どうせ宴会の騒ぎにかき消され、そして今この周りには誰もいない。

まだ先のある長い紙巻きたばこの吸い口を咥え、深く吸いこめば
先ほどよりも濃い紫煙が塊になって天井にゆっくりと昇っていった

ナイン >  ―― …!

(正直。完全に油断していたと言って良い。
それは時として、致命的な事態を招きかねない…殊、この魔窟に於いては。
在る筈もないと思っていた、返答めいた声に。弾かれたように貌を上げてみれば。
閑散としたラウンジを独占しているのは――致命的、と称したその可能性に。
直結し得る公算が高いのだと、まことしやかに囁かれる人物だった。
だからか。紫煙越しに肩を竦め、小さな吐息を零した後に。)

 ――さりとて、真実ならば罷り通る物ではない、という事など。大公殿なら良く良くご存じなのでは?
 まぁ…私が言う程度の事柄なら。起きても所詮些末事、でしょう。

(そして。仮に彼の者が裁を下すとすれば。血腥く、惨々たる、破滅的な事柄となる筈だ。
指一本失う程度など、正しく、些末でしかないだろう。
軽く頭を下げ、向かいの椅子へと腰を下ろしつつ。戯れ言を紡ぐ唇と裏腹に。
眇めた瞳は、一応は同じ王族筋、遠い遠い血縁ではあろう人物を…油断なく窺っていた。

恥じるような事は無い。だが、法に背き罰せられる可能性という物には。
幾らでも心当たりが有る身の上だから。)

コルガナ > 相手を見る目には深く皺が寄っている。目の疲れからなのか僅かにぼやけているようだった。
男はやむ無しに仕事用の眼鏡をかけると、見た事がある容姿に記憶を手繰らせている。
自らと同じく王族に端を発する一族であったハズ。うろ覚えながら現れた人物に対して

「グリューブルムの新鋭な当主……」

そう呟いた。

「勿論、悪態で首が飛んだ人間などいない。少なくとも【正しい政】の中ではな。ココにソレがあるかは
恐らく想像の通りだろう…」

紫煙はすっかりと短くなれば、隣にあった灰皿にゆっくりと、しかし強く押し付けてもみ消し
煙が遂には昇らなくなるまでその様子を眺めていた。メガネは相当に仕事の為かけられていたようで
耳にかかる重みが怠いのか細い親指が僅かに浮かせている。

眉間への重みをいくらか紛らわした後、白く細い手が机に置かれている煙草入れに伸びていく。
器用に紙巻きたばこと火打ち石を掌で転がすと、ココでようやく相手の姿を静かに視線に収めた

「宜しいかな?また一本」
煙草に嫌があるかを尋ねた、気遣いの一言ぐらい無駄など無い。

ナイン >  気付いて貰えたのなら光栄至極。よしなに?コルガナ大公殿。

(少なくとも。目にすら留まらぬ程、ではなかったようだ。
彼の者の役目柄でしかないのかもしれないが…一度は失せたに等しい、グリューブルムという家名を。
大公という立場有る人物が、言葉としてその唇に乗せた。そんな事実に、さも満足だと言わんばかり。唇を綻ばせ。)

 残念ながら。真実はともあれ、事実には重々心当たりが有り過ぎるもので。
 ――悪態を理由に、首を飛ばせるか否かには。割と興味を覚えますが。

(本来は在り得ない、と男は言ったのだ。その上で可能性を。方法を模索したがるのだから。想像などする迄も無いという所。
座してしまえば、当初の目的。宴席から、幾許かでも距離を置いたなら。相応の涼気を感じられるのか。
あらゆる意味で熱を覚えざるを得なかった膚を冷まされていく心地良さに。
低く、長く息を吐く。肩から胸を緩やかに上下させる深呼吸に。紫煙の残り香が絡み付けば貌を上げ。)

 …えぇ、どうぞ、気兼ねなさらずに。
 此処はその為の場でもあるのだから。

(これが。例えば、馥郁たる花の香りや、清冽としたスパイスの刺激を愉しむ場であったなら。
例え相手が大公であれ魔王であれ、断固として反対してのけただろうが。
王城の万人に開かれたラウンジは、茶や煙を喫する為の場所に他ならない。
これも亦。時と場に応じる、という事なのだから。仔娘への気遣いは無用だと。)

 寧ろ、叶うなら此方も、お一つ拝領賜りたい気分――でも、あるので?
 …そんな事を言ったら。大公殿からすると【法に反した】不良娘だとでも。取られるかもしれません、が。

(くく、と喉を揺らした。娘と呼ばれる若輩だが。それでも、酒も煙草も…毒も、悦も。
一通りを体験してはいる――せざるを得ないのが。この国の王侯貴族に加わるという事なのだから。)

コルガナ > 「ココでの政を見ているならそれも有り得ない事ではないと思わないか?戦争が一段落ついたら
そういった連中から真っ先に始末しなくては」

全く笑っていない表情に口角だけが静かに、そして僅かに吊り上がった。
それと同時に相手が【除去】される情景を語る時だけ、僅かに目が輝いた。
男はその言葉を聞くと静かに慣れた手つきでタバコに火を灯すと
またゆっくりと紫煙を吸い込んだ。

「私の【法】はそんな目先の事を見たりはしない。普段の位置という都合上、一服できないというのであれば
嫌いな香りでないなら私の持っている物を分けるのも別に構わない。」
「些細な罪を理由に手篭にされたいという顏でもないしな、そなたの表情は。そなたの服の下を想像して
私が鼻息を荒くしているのだと思っているワケでもなさそうだし」

変わらない表情のまま男なりの冗談をいくつか交えると、よかったらと
煙草入れにある数本の紙巻きたばこを差し出している