2018/12/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城(公園)」にフリッツさんが現れました。
フリッツ > 「奥様、お名残惜しいですが、今宵のところはこれまでです…フフ、我儘をおっしゃってはなりません」

夜も更けた王城内公園の一角にある温室――巨大な南方の植物の影で、男女が抱き合いながら睦言を交わしている。
麗しい金髪碧眼の青年が、妙齢の婦人を腕に抱えつつその耳元へ囁いているのである。

「明日には伯爵様がお戻りになるのでしょう?ああ、そんな顔をなさらないでください、僕のほうが離れたくなくなってしまう――」

その後も、何度か間近で甘やかな言葉を交わし、幾度か唇を結んで――女の姿が、温室から消えた。
乱れた服装で、意味深に下腹部をやんわりと押さえたまま走り去る女の口元には、妖艶な笑みが浮かんでいた。

「ふぅ~……たまんねぇ女だぜ、あの伯爵夫人様……しかしあんなに求めてくるたぁ、旦那が不能ってのはマジらしいな」

遅れて温室から王城内公園に、衣服を整えつつ姿を現した男は――先ほどまでとは打って変わった、乱暴な口調で別人のように野性味を帯びた笑みを浮かべていた。

フリッツ > 衣服の乱れを直し、手ぐしで髪を整えれば――見てくればかりは、まともになって。
そうしてしばらく噴水の前で待っているところに――年若い貴族令嬢が姿を現した。

「フフ――今着いたところですよ、姫」

頬染めながら遅刻をわびる少女の手を優しく取ると、相手を温室の方向へと誘い――
ほどなく、南方の植物の影で――

ご案内:「王都マグメール 王城(公園)」からフリッツさんが去りました。