2018/08/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 / 地階」にユールさんが現れました。
ユール > (どうしよう。考えれば考える程、行動や対処を思いつけなくて。
どくん、どくん。緊張と、不安と、きっと恐れ。それ等に心臓が悲鳴を上げている。
せめて外側から、そんな胸の痛みを押さえつけるように。ぎゅ。胸元を強く握り締める。)

「 ……… っ、 ぅ … …。 」

(いつも以上に声が出て来ない。…もっとも。下手に声を発すると、何が起こるかもしれないから。
これで良いのだろうけれど。
…事の発端は。何だか、魔導機械に関するごたごた絡みで、尋問が行われているという地下牢の一つへ。
良からぬ道具を運ぶという、普通の人達は、あまりやりたがらない用件を。逆らう事のないこの少女が押し付けられて。
袋に詰められた、痛みを、或いは快楽を与える、そんな器具やら薬やら。
重たい袋に詰め、石段を下りてきたところで…すれ違った数名の人影だった。

「捕まえた」 「船に乗せる」 「売りに出す」 など。

そんな単語がちらほら、聞こえた。
その者達はきっと。影の薄い少女に気付かなかったか。
逆に少女の素性を知っていたから、余計な事はすまいと決めつけたか。どちらかの筈。
…けれど、聞いてしまった。きっとあれは、同じく今噂になっている、人の売り買い。
城の暗部で、良からぬ貴族が関わるという、その話題。
…見逃して貰えれば良いけれど。それとも、念を入れられて。口を塞げと強いられるのか。)

ユール > (ともかく。じっとしていたら、余計疑われかねない。
然るべき場所に駆け込むかもしれないだとか。更に首を突っ込んでくるかもだとか。
もしくは逆に、先程の人達と同じ側なのでは、だとか。
どちらとも深く関わる気はないし、仮に関わったとしても、出来る事など何もないのだが。
疑心暗鬼は誰にでも存在する感情で。まして、良からぬ事をしていると、自覚している者達だったなら。
きっと警戒もしている筈。そう思う。
そろ、そろ。石畳の上に、足音をすら残さないように。一歩一歩身長に踏み出してみる。
とにかく、荷物を持った侭では、とっさに動く事も出来そうにないし。
きちんと仕事に戻ったと見られれば、余計な勘ぐりを避けられるかもしれないし。と。
廊下の片隅。道具の運搬を頼まれた地下牢は、確か此処から曲がって、奥の方へと或いは辺り。)

「 だいじょうぶ だい じょうぶ …? 」

(恐る恐る。曲がり角の向こうを覗き込む。)

ユール > 「 …… …!? 」

(その途端。背後から何者かの手が伸ばされた。
只でさえ細い声は、口を塞がれ堰き止められて。
ずるずる、そのまま背後へ。数多ならぶ牢屋のどれかへ、引きずり込まれる。
…其処で、口外せぬよう言い含められたのか。命じられたのか。…身体に、心に刻まれたのか。
それとも、売らぬ代わりに、何かの条件を以て脅されたのか。
いずれにせよ、秘密の代価は、決して安くはなかった筈で…)

ご案内:「王都マグメール 王城 / 地階」からユールさんが去りました。