2018/07/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にブランシェさんが現れました。
ブランシェ > (夜会の賑わいからも蜜事のさざめきからも、一先ずは隔絶された領域。
星明かりを唯一の光源とした青い薄闇に沈む居室の中で、己は今宵も、
容易に覚めぬ夢の中で身悶えていた。

天蓋つきの寝台、ティーテーブルと小さな椅子が二客、壁際のライティングビューロ。
絨毯や壁紙、カーテンなど、上質なものを用いてはいるが、主である己の趣味を反映し、
決して豪奢とは言えぬ調度に囲まれた部屋。
薄絹の帳が降りた寝台の上、己が身を掻き抱く格好で背中を丸め、
横臥の体勢をとった己の眠りは、此処最近、常に安眠とは程遠い有り様である。

ある時は何処ぞのならず者に、またある時は普段、身のまわりの世話をしてくれている従僕に。
そしてまたある時は、母違いの兄弟に――――更には、物言わぬ異形さえもが。
相手はその時々で変わるけれど、共通しているのはいつも、彼らに追いかけられ、
組み敷かれ、凌辱される夢だということ。
見知らぬものが相手である場合は、それでも未だマシである。
知己や親類、きょうだいが相手となれば――――目覚めた時の罪悪感、
本人と顔を合わせた時の気まずさと言ったら、ない。

己は一体、どうなってしまったのだろう。
とんでもない阿婆擦れに成り果ててしまったのか、と思い悩みながら―――
今宵もまた、恐ろしい夢の中に放り込まれて。
もはや誰から、何から逃げているのかもわからずに、ただ、走る。
光の無い闇の中を、無様にもがきながら――――覚醒を促す夜明けを、一心に待ち望んで。)

ブランシェ > (――――夏の夜は短い筈だけれど、己にとって、朝は未だ遠い。
夢の中の相手が誰であれ、何であれ、逃げ切れたことはほとんど無いのだ。
捕らえられてしまえば、其処から先にあるのは―――――長い長い、夜の深淵。)

ご案内:「王都マグメール 王城」からブランシェさんが去りました。