2018/07/25 のログ
■ゲイゼリク > 「成る程ねぇ…道理で君の顔に見覚えが無かった訳だ。一度見た覚えがあれば流石に分かるしなぁ」
彼女の言葉に、少女の生活圏がまさに”鳥籠”の如く狭いというのを感じ取る。
単に王族だから、という理由だけではないだろう…が、あまり深く考察してもしょうがない。
「そうなのかーー。じゃあ、少なくともイヴちゃんって呼び方は俺が初めてかねぇ?」
名前で呼ばれる事があまり無い、という彼女は自身の言葉に気にした様子が無い。
…欠けている、と何となく思う。よほど外界と隔絶されなければこうはならない。
「んで、イヴちゃんは…んーと、この辺りを散策って所かな?俺でよければテキトーに案内するけど」
少なくとも、彼女一人で居るよりは安全だろうし…下手な貴族連中に目を付けられたらロクな事にならない。
■イヴリール >
「…そう、ですね……少し気恥ずかしくも、あります…──え」
その申し出は少女にとって更に意外なことだったのか
元々大きなその瞳を更に丸くして…
「本当、ですか…? あ、でも、公務の邪魔になってしまうのでは……」
胸元に手をぐっと組み、僅かにその視線を落として
■ゲイゼリク > 「そっかぁ。うーん、もし恥ずかしかったり嫌ならちゃんとイヴリールちゃんって呼ぶけど…。」
それでもちゃん付けは変わらないのだけれど。こちらの申し出に目を丸くする少女…うん、可愛い。
「あーー公務はさっき一通り終わらせたから、まぁ暇と言えば暇な訳さ。だから、イヴちゃんの気の済むまで付き合うよ?」
彼女がどれだけの自由時間を与えられているかは分からないが、気楽な笑顔でそう答えようか。
どのみち、公務を片付けて今はやる事も無かったし王族云々関係なく美少女と知り合えたのは良い事だ。
「ま、それに折角なら君みたいな美少女さんと楽しくおしゃべりとかもしたいしねぇ」
と、あっけらかんとした笑顔で男は言うのだ。
■イヴリール >
「だっ、大丈夫ですっ、ほ、ほら今は誰も見ていませんから──」
これでも己の立場は理解しているのだろう
王女に近い者がやり取りを見れば不敬であるとか、騒ぎ立てるのは目に見えていた
「そうなのですか…? それでは、喜んでご一緒しようと思います」
落としていた視線を再び持ちなおし、顔をあげる
表情自体は──これも、慣れていないのだろう──乏しいものの、僅かにその唇に笑みの形を見せた
■ゲイゼリク > 「んーーじゃあ、辺りに人気が無い時はイヴちゃんで。それ以外は…うーん、イヴリールちゃん…いや、様の方がいい?」
正直、男の緩い性格的に表面上とはいえ敬語や畏まった態度は苦手だ。
だが、彼女の事を考えてそこは柔軟に合わせて行こうかと思う。
こちらの不手際で彼女に変なとばっちりを食わせるのは流石に男も忍びない。
「ん、じゃーご案内しますよお姫様?」
と、楽しげに笑いながらそっと手を差し出して少女の手を取ろうと。
バレたら後で大目玉を上から食らいそうだが、まぁその時はその時だ。
最悪、自分が叱責されるだけならそれでいい。少女に責が及ぶ事が無いように立ち回ればいい。
■イヴリール >
「ええと…お、おまかせ、します……」
本当ならば、身分の違いから様をつけて呼ばれるのが相応しい
しかし自分は所詮不義の子…王位継承権があるといっても、形だけのものだ
王座に座るような未来は、絶対に訪れない──
それだけでなく、目の前の男性のそのゆったりとした態度には、どこかそういった堅苦しい言葉は似合わないような気がして……
「……はい、宜しくおねがいします──」
そう言って、差し出されたその手に、華奢な自分自身の手をそっと重ねた
■ゲイゼリク > 「うっし、じゃあ今はイヴちゃんで。あ、誰か来たらちゃんと呼び方は切り替えるから安心してなー?」
あくまで周囲に人の気が無い時、という条件なれど気安い呼び方が矢張り男の性分には合う。
とはいえ、師団長の一人として弁える所は弁えてもいる。切り替えは面倒だがそこはしっかりやるとしよう。
「うん、まぁ本当は白馬の王子様とかがエスコートするのがいいんだろうけどねぇ」
緩い男でごめんなー?と、笑いつつ、華奢な少女の手を取っていく。
ほっそりとしたその手は色白であり染みも傷も一つも無く清らかだ。
「しかし、何処から回るかねぇ…あまり調子に乗ると他の連中に咎められそうだし…んーー」
少し考える。自分のお気に入りのスポットでもある王城の中庭、とかはどうだろう?
「イヴちゃんは城の中庭は出た事ある?結構花とか植物も多くて静かでイイ所なんだけど」
少女の手を取ってゆっくり彼女の歩調に合わせて歩き出しつつ、一応尋ねてみようか。
■イヴリール >
「白馬の王子様、ですか?
絵物語で読んだことはありますけれど、本当にいらっしゃるのですね……」
どこかズレた答えを返しつつ、ゆっくりとした歩調で歩きはじめる
「中庭は…上から覗いたことは、あります。
直接足を運んだことはなくって、行ってみたいと思ってました」
王国の庭師が手がける色とりどりの草花
間近でみたらさぞや美しいのだろうと、少しだけ心が躍る──
■ゲイゼリク > 「いやぁ、どうだろうなぁ。俺は少なくとも実際に見た事は無いけど…。
でも、案外本当に居るかもしれないぜ?」
まぁ、少なくとも男は白馬の王子様とは程遠い存在な訳だが…。
彼女のズレた答えに世間知らずを確信しつつ楽しげに。
「んじゃ、そこから行ってみますかー…あ、他に行って見たい場所とかもし何かあったら遠慮なく言ってくれな?」
可能な限りは案内できるとは思う。少女の手を優しくきゅっと握りながら…さて。まずは中庭だ。
この回廊からならば、そんな長くは歩く事もないだろう。だからノンビリとエスコートしていく。
■イヴリール >
「そうでしたら、素敵ですね」
その言葉はどこか蚊帳の外──
自分には無縁の話だと、言っているようにも聞こえて
「そうですね…ええと──」
王城の中は、中庭の他にも行ったことのない場所は沢山あった
けれど、そんな風に聞かれると、つい……
「──本当は、お城の外にいってみたいな、なんて思っていました」
相手の、ゆったりした雰囲気につい口が緩んだのかもしれない
慌てて、はっとした様子を見せて…
「す、すいません。こんなことを貴方に言っても、仕方がないのに…」
ごめんなさい、とその目を伏せた
■ゲイゼリク > 「まぁ、空想が現実に起こる、なんていうのは実は珍しい事じゃないのかもしれないけどなー」
”外”の世界を知っているからこその発言だ。同時に、空想と現実が掛け離れている事も多々あるのだけれど。
中庭に続く方角へと回廊を二人して、ゆったり手を繋ぎつつ歩いていたが彼女の言葉におや?という顔。
「んーーバレない細工が必要かもだけど、俺が連れて行っても別にいいぞ?問題はどうバレないようにするかだけどねぇ」
特に、彼女の身の回りを世話する者や護衛をどう誤魔化すか、という問題がある。
まぁ、皆が寝静まる深夜にこっそり彼女の部屋を訪問して連れ去る…いや、連れ出すという手もあるが。
外の世界を知らない少女が外の世界を知ってどう思うのか…正直興味はある。
外は希望に満ちているだけではない。同じ数だけ絶望もあるのだ。
それを、彼女が受け止めきれるのかは正直分からない。だが、このまま”鳥籠”に少女が囚われているのも…
(…それは俺が面白くないんだよねぇ。どう転ぶにしろ、この子は一度でも”外”を見るべきさ)
■イヴリール >
「そう、なのですか…?」
空想が現実になる……
それは鳥籠の生活の中では、想像もできなかったこと
この男声は外の世界のことを、とてもよく知り、そしてそういう経験もしているのかもしれない……
「っ…い、いえ…ゲイゼリクさんにご迷惑をかけるわけには…ごめんなさい、忘れてください……」
つい、口が滑ってしまっただけ
本当は、外の世界には憧れと同時に、怖いという気持ちも持っている
自分自身で足を踏み出す選択をするには、少女はとても臆病だった
■ゲイゼリク > 「うん、まぁ意外とね。外の世界は良くも悪くも色々あってさーー…けど、今は戦争だ何だばかりでねぇ」
溜息。もちろんそれだけじゃない。醜いモノもあれば綺麗なモノもあり。清濁交わるのが外の世界の常。
「――いんや、むしろイヴちゃんには一度でも”外”を見て貰った方がいいと俺は思うんだよねぇ…だから――。」
だから、少女が足を踏み出せないのなら…こちらからその一歩分、手を引いてやればいい。
「――俺がイヴちゃんに”外”を見せてやるよ…うん”約束”するぜ?」
王族だ何だとそれは”どうでもいい”。彼女の立場とかそんなのは後回し。
臆病な、恐れの気持ちもきっとあるだろうが…それだけならきっと、さっきのような言葉は出ない筈だ。
ならば、小細工は色々必要だろうし短時間になるかもしれないが…彼女に”外”を見せてやろう。
「まーー流石に今から!というのは厳しいかもだけどねぇ。イヴちゃんも自由時間に制限があるだろーし」
苦笑気味に。今から連れ出そうと思えば出来る。が、その後が色々マズいのは流石に予想できる事で。
■イヴリール >
「………」
戦争…争いが起こっているという話だけは知っている
でも知っているだけで、それを肌で感じたことがあるわけではない
自分にとっては、非現実の世界
「……ええと…」
ゲイゼリクの言葉を最後まで聞いて、その口を開く
丁度二人が中庭へと到着するのと、時を同じくして──
そよそよとした風が色とりどりの草木を涼やかに揺らしている中で
「…どうして、そう思う…のですか?」
自分に、外を見たほうが良いと思う、と言う
自分を王城の外へと連れ出すこと、それは…罪を犯すことにも等しいことだというのに
それだけの価値が自分自身にあるとは、とても少女は思えなかった
■ゲイゼリク > 彼女にとっては、まだ見ぬ遠い異国のような出来事だろうか。
そもそも、今の魔族や諸外国との戦争や紛争など、王族にどれだけ真実が伝えられているのかも怪しい。
ましてや、彼女の境遇、というより生活を察するに外部の情報もほぼ遮断されているだろう。
(まさに籠の中の鳥…ってやつかねぇ。…飛べない鳥、か)
そして中庭に辿り着く。そよ風が緑の葉を揺らし花弁を震わせる。
その風の中、彼女からの問い掛けは短く簡潔なものであるが…。
「ん?理由なんて単純なもんさ。”俺がそうしたいと思ったから”。
まー、外の世界は綺麗なモノばかりじゃあないし、イヴちゃんは――王族だろ?まぁ、連れ出すのもリスクは高いよねぇ」
彼女の具体的な状況下は知らずとも、王族だというのはここまでの彼女の態度や言動、己の推測から確信していた。
そして、王族を外に気ままに連れ出す、なんて事はまずあってはならない事だろう。
…が、それはそれ、これはこれ。そもそもこの男は国に属しているが、国に従っている訳ではない。
「けどまぁ…君にはもっと広い世界を見て貰いたいんだよねぇ。
王城だけじゃなくてその”外”の事を。知識だけでなく自分の目や耳で感じて欲しい訳さ。
あと、もっと単純な動機として――」
そこで言葉を切れば、彼女に楽しげな笑みを向けてこうあっけらかんと言おうか。
「イヴちゃんみたいな美少女の”願い”を少しでも叶えてやるのが男ってもんさ。それでじゅーぶんなんだよ…動く理由なんて」
■イヴリール >
──嗚呼、この人は、私と違って臆病ではない
自分の為したいことを、為すがだけ…そうするに相応しい力があるのかはわからない
それでも、そう言葉をはっきりと口にできるのは…それができると信じているからに他ならない
自信……それは少女にとってとても眩しいもので、同時に…疎ましくもあった
「…バレたら、牢に入れられてしまうかもしれませんよ?」
その言葉の通り、リスクは高い
歌うように揺れる草花の中、そのドレスと長い髪を風に撫ぜられて、少女が言葉を紡いでゆく
「…私には、少しわかりません…。怖く、ないんですか…?」
誰かのために、そんなことができるなんて
今日はじめて顔を合わせた、言葉を躱したばかりの相手の為に、だなんて
「……びしょうじょ…あ、は、はい……ありがとう、ございます…」
それも言われ慣れていない言葉
ほんのりと頬を赤く染めて、視線を外してしまう
──中庭にいる二人
つながる回廊からは珍しいものを見るような視線が注がれている
普段こんな場所に訪れる筈もない姫の一人がそこにいるのだから、目を引くのは仕方ないかも知れないが
ご案内:「王都マグメール 王城 ・回廊」にゲイゼリクさんが現れました。
■ゲイゼリク > 「あーー牢屋生活も一度味わってみるのもそれはそれでいーんじゃないかなぁ、と」
矢張り男は気楽なままで変わらない。緩い笑顔のままで暢気にそう答えて行く。
風が彼女のドレスと長く艶やかな金髪を靡かせる。男の銀髪も僅かに風に靡いて。
「――んや、怖いし冷や冷やするさ。下手したら周りに結構迷惑掛けるしねぇ。
それに、俺がイヴちゃんに外を見せられたとしてその後はまた同じ生活に戻るだけかもしれんし…けどまぁ」
美少女、という言葉にほんのり顔を赤くして視線をはずすお姫様を眺めて笑う。
「――だからこそ、さ。見ないまま踏み出さないまま、ずっと押し込められて終わるなんて…駄目でしょソレ」
仮にも王族の一人である少女相手でも。笑顔のままそうきっぱりと言い切る。
周囲からの視線を感じるが、幸い会話内容は聞こえていないようだ。聞こえていたらそもそも大問題になる。
一度彼女から視線を外し、周囲の視線に笑顔で会釈を…見れば知った貴族などもいらっしゃる。
なので、”第六師団の長が城内を散策する彼の姫を護衛している”という面目にさりげなくしておく。
■イヴリール >
「!? い、いけませんよ、そんな…!」
少しだけ慌てたように、わたわたと身振り手振りでそんなのはいけないと表現する
牢屋生活を味わってみるのも良い、だなんて…信じられない言葉である
「……私に、ゲイゼリクさんの半分ほども勇気と、自信があったなら…」
自分自身の世界を広げる勇気
今日、城の中の一人でのお散歩をお願いしたことですら、少女にとってはなけなしの勇気を振り絞ってのことだった
お城の外の世界を見る───
みたいという気持ちと、みるのが怖いという気持ちが、交錯して……
『──イヴリール様』
二人の後方から女の声がかかる
そちらへと目を向ければ、眉を顰めた、召使いらしき女性の姿が見える
ほんの僅かに、太陽が傾き始めて──お散歩の時間は、終わるようだった
■ゲイゼリク > 「えー、いい人生経験になるじゃない?それに…や、何でもない」
仮に牢屋にぶち込まれても処刑や師団長の解任はないだろう。理由は単純、代わりの人材が居ないからだ。
ただでさえ第七師団の再編などで色々と慌しく、諸外国の動きやタナール砦の状況の事もある。
使える人材はおいそれと潰す真似はしないだろう…と、そこもちゃんと見越している。
「勇気と自信よりもまず…外を見たい。その気持ちが大事なんじゃないかねぇ」
ぽつり、と呟くように。自信も勇気も大事だけれど、まず外を見たいという気持ち…原動力が無ければ意味が無いのだから。
――と、どうやら”時間切れ”らしい。背後から掛かった声は知らない声だが…おそらく彼女の召使いだろう。
あちらに気取られない程度に「やれやれ」と小さく呟いて。野暮だなぁ、と思うが口には出さず。
「…さ、イヴリール様」
口調を切り替える。正直窮屈だが仕方ない。召使いに不審な目で見られると後が面倒だ。
だが、さりげなく彼女の手にあちらに気付かれないように一枚の紙片を握らせようと。
「…それ、魔法のお手紙ね。書いた内容が俺の執務室へと通じる仕組みだから。折角だし、”また”お話とか色々しようぜ?」
と、囁いて軽くウインクを。そうしてからキリッとした第六師団の長としての顔を”作る”。
召使いさんにはそのまま静かに会釈しつつ、少女を促すように…こういうの堅苦しくて本当に嫌だな、と思うが仕方ない。
残念ながら今回はここまでだが…決めた以上はいずれお姫様に外を見せる。そう思いつつ彼女を見送る形になるか。
■イヴリール >
「……?」
言葉を噤む様子に小さく首を傾げるも、追求することはせず
「…あ」
散歩の時間が終わったようです、と言葉を呟く前に、その手に紙片を握らされる
──魔法の手紙、それは少女が初めて得た、誰かとの繋がりかもしれなくて
「──ありがとう。ゲイゼリクさん」
見違えたような精悍な顔つきとなったゲイゼリクに小さく微笑んで、ゆっくりと踵を返す
召使いはお散歩のお話を押し切られたこともあって若干不機嫌そうであった、が
普段なら萎縮し、歩幅も小さくなってしまうところ…今日は、その足取りは少しだけ軽い
召使いに連れられ、その場を後にする間際、
もう一度だけゲイゼリクの方向を振り返り、小さく手を振るのだった──
ご案内:「王都マグメール 王城 ・回廊」からイヴリールさんが去りました。
■ゲイゼリク > どういたしまして、と答えたいが召使いさんの目があるので答える事は出来ない。
だから、ほんの僅かにキリッとした顔のまま頷く事で答えとしようか。
そして、召使いに連れられて立ち去る少女――去り際に、一度だけ振り返りこちらに手を振ってくれる少女に。。
(またなー)
と、作った顔を崩して右手をヒラリと振ってから今度こそ見送り…その姿が見えなくなれば。
「……ふぃ~~…や~初対面の王族の子に我ながら結構色々ぶっちゃけたなぁ…。」
気が抜けたように一度その場に座り込んで。まぁ、魔法のお手紙を渡せただけで御の字か。
ちなみにこれは前に第二師団と共同作戦を展開した時に、その折に貰ったアイテムの一つだ。
まさかこういう形で役立つ事になるとは思わなかったが…だが、まぁ”繋がり”は出来たと思う。
(うーーむ、王族の美少女をナンパしてるみたいになっちゃったけど…大丈夫かこれ。…あー今更だよねぇ)
■ゲイゼリク > 「…さーて、ぼちぼち俺も行くとしますかねぇ」
ついでに、目撃した貴族連中にさりげなく口止めしとかないといけない…面倒だなぁ、と思う。
が、これも自分の為、というよりむしろあのお姫様の為だ。男は美少女の為なら頑張れる!
そんな訳であれこれと思考を巡らせながらブラリと歩き出して。”昼行灯”の第六師団長もその場を後にするのであった。
ご案内:「王都マグメール 王城 ・回廊」からゲイゼリクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 ・夜」にイヴリールさんが現れました。
■イヴリール >
「……ん、……ふぅ…」
夜、いつもどおり早めに就寝に入ったものの、何だか寝付けずに寝返りを打つ
──何度かごろごろしてみたけど、眠れない
此処のところ、色々あったから、だろうか
ベッドから起き上がり、ネグリジェの上に薄い布地のマントを羽織り、内鍵を開けてそっと部屋の扉を開いて
「……少し夜風に当たりたいのですが…」
小声で、部屋の扉の前に佇む衛兵にそう告げてみる
『あまり長くはいけませんよ、怒られてしまいますから』
そう言ってくれた衛兵さんは、優しい声をしていた
■イヴリール >
回廊に出て、その窓を少し開けてみると、涼やかな夜風が吹き込む
その風の音以外は、何も聞こえない
「…夜のお城ってこんなに静かなのね」
心地よい風を受けながら、そう零す
そうしていると、衛兵さんが二人で歩いてきた
巡回中らしく、何をしているのか聞かれてしまった
理由を話すと、部屋の近くといえど長居はしないようにと釘を刺されてしまった
でも、ああやって見回っている人がいるのなら逆に安心もできるというもので…