2018/07/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 ・回廊」にイヴリールさんが現れました。
■イヴリール >
お部屋での昼食を終えて一時
後片付けをしている召使いにおずおずと言葉をかけた
王城の外には出ないから、お散歩をさせて欲しいと
召使いは露骨に厭な顔を見せたが、しつこく頼み込むと根負けしたようで渋々許可を出してくれた
「ふふ、今日はどれだけ歩いても怒られたりしないわ」
お城の中限定とはいえ、束の間の自由とはいえ
勇気を出して勝ち取ったそれは少女の中ではとても大きなものだった
白いドレスを揺らしながら、歩くだけなら見慣れた回廊をきょろきょろと見回しながら歩いていく
■イヴリール >
しばらく歩くと大きな階段と、階下拡がるホールが見えた
貴族や兵士に混じり、王城に訪れる冒険者や、商人達の姿も見える
「わぁ…色んな人がお城に訪れているのね…」
いずれ、空位となっている王が定まれば、厳かな雰囲気の謁見なども行われるに違いない
その王座に自分が座ることなど、絶対にないのだろうなぁ…なんてことを考えてしまう
…どの道、そんな器が自分にあるとも思えないけれど──
「…あっちは何があるのかな」
物心ついた頃からお城の限られた場所にしか行かせてもらえなかった
王城の中だけ、とはいえ少しだけ冒険心を擽られ、ほんの少し足取りも軽く
ご案内:「王都マグメール 王城 ・回廊」にゲイゼリクさんが現れました。
■ゲイゼリク > 時刻は昼過ぎ、やっとこさ溜まっていた書類整理などから開放され、やれやれと首や肩を鳴らしつつ執務室を出る。
開放感に浸りつつも、気分転換にブラつこうと緩い足取りで王城の回廊を歩く。時々擦れ違う貴族や王族には形だけ挨拶を。
(…やれやれ、まーた城の中も慌しくなってる気がするねぇ。面倒がこっちに来なければいーんだけど)
と、内心でボヤきつつも歩いていれば…軽い足取りで向こうからやって来る一人の少女に気付く。
「……おや?」
不思議そうに一度碧眼を丸くする。あの年頃の少女が珍しい、という訳ではないのだけれど。
美しく長い金髪に碧眼、長い睫毛に清楚な顔立ち。…白を基調としたドレス。
(貴族の娘さん?…いや、漂う気品が違うなぁ…と、なると王族の子かな?)
と、推測しつつもあちらがこちらの姿にもし気付いたのならば、「や、こんにちは」とゆるーい笑顔で挨拶をしてみようとする。
■イヴリール >
回廊は中庭に向けて繋がっているようだった
窓から漏れ出す陽光が心地よい──
そんな風に歩いていたら、男性に声をかけられた……の、だと思う──
「……?」
思わず、周りを確認してしまって
それくらいこの少女は知らない誰かと会話するという経験も機会もなかった
「…あ、私……です、か? こ、ここ、こんにちわ…」
少しおどおどした様子で、ぎこちない挨拶を返す
■ゲイゼリク > 「あーーごめんごめん。いきなり声を掛けたのはマズかったかねぇ?」
少しおどおどした様子でぎこちなく挨拶を返してくる少女。申し訳なさそうに苦笑気味に謝りつつ。
「うん、俺は別に怪しいモンじゃなくて、王国騎士団の一員なんだけど…お嬢さんは?」
どう考えても怪しいかもしれないが、緩い笑顔のままで彼女の名前などを尋ねてみようと。
名前を聞けば、もしかしたら情報としてだけは知っている誰かと符合する可能性もある。
(…それに…うーーん、この子。…何か無垢というか危なっかしい感じがするんだよねぇ)
と、いうのはあくまで男がそう感じただけの事で実際は分からないのだけれど。
■イヴリール >
「い、いえ…大丈夫です…その…慣れて、いないもので…」
見知らぬ人間、それも男性から声をかけられるなんて、少女にとっては大事件なのだった
──王国騎士団
マグメールの国を命を賭けて守る騎士達
彼らのおかげで、自分を含む王族の人間は安心して過ごすことができる
だとしたら、怪しい人間であるわけはないし、
そもそも厳重に衛兵達が守るお城の中に怪しい人は入れない……と、少女は思っている
「ええと…私はイヴリール…、イヴリール・フォン・カルネテルといいます…」
小さい声ながらもよく通る、透き通った声色でその名を告げる
■ゲイゼリク > 「そっかそっか…うん、まぁ改めてごめんな?君みたいな子が護衛とかも付けずに一人でこの辺りを歩いてるって事はあんまし無くてさ?
それで、少し気になったというか…まー、お節介みたいなものだと思ってくれ」
彼女からすれば大事件なのだが、男がそこまで思い至る筈も無く…とはいえ、改めて謝っておく。
「フムフム、イヴちゃんか…あ、俺は王国騎士団の第六師団の師団長をやってる、ゲイゼリク・ヴァン・アルカンシエル。
ま、堅苦しいのは苦手だし気軽にゲイゼリクとかリクと呼んでくれていいさぁ」
小さくも良く通る透き通った声色の少女の自己紹介に対し、変わらず緩く気さくに男も名乗りを。
(カルネテルって確か……あ、あーーやっぱり王族の子か)
詳細は流石に知らないが、その家名など最低限の情報だけは師団長の一人として知っている。
だが、それは顔には出さずゆるーい空気のままで少女と接しているだろう。
■イヴリール >
「はい、少しだけお散歩の許可をいただきました」
普段は部屋から出ても、護衛もついて決められた道筋をなぞるだけ…
今日のお散歩は、そういう意味でも少女にとって特別で──
「イヴ、ちゃん…?
あっ、はいっ、えっと…ゲイゼリクさん…リクさん?
……いえやっぱりゲイゼリクさんとお呼びします…ね」
明らかにそう呼ばれ慣れてはいない、困惑した様子を見せる
そして相変わらずおどおどとしながら、男の名乗る名前を復唱する
──カルネテルの名をもち、王位継承権を持ちながら、
不義の子であるとされ王城の一室に軟禁状態にある王女
その存在は、王城に出入りする者でも噂程度にしか聞いたことはないのかもしれない
■ゲイゼリク > 「”少しだけ”お散歩の”許可”…かぁ」
少し考えるような間を置くが、すぐにヘラリと笑って。何となく彼女の置かれた環境を薄っすらとだが察した。
「ああ、呼び方はそれで別に構わないさー。ん?イヴリールだからイヴちゃん。…あれ、もしかしてマズかった?」
キョトン、とした顔で。相手が例え王族だと分かっても特に気にしない男だ。
下手すれば不敬に値する馴れ馴れしさだが…幸い、今この回廊と周囲にはこの二人だけだ。
彼女がおどおどとするのも無理は無い…少女が慣れていないのもあるが、単純にこの男に”壁”が無さ過ぎる。
(…噂程度には聞いた事はあるけど、まさかこの子が?いやぁ、それは早計かねぇ)
諜報を司り城の内部事情も精通した第九師団の長なら知っているだろうが…確認する気は無い。
男にしても、矢張り噂話程度の情報しか知らずというのが正直な所で。
■イヴリール >
「普段はあまり、王城のこちらの方にはこれないので…」
所謂、冒険者や商人、貴族達が出入りするエリア
王族の私室や、その付近まで──普段の生活圏が広くないことを仄めかす言葉だ
「そんなことはないです。その、名前で呼ばれることが、余りないものですから」
少女は特に何も気にする様子はなく言葉を紡ぐ
その言葉がより少女が置かれている境遇を語ることとなっていても、
それを気にするほどの世間性すらも、この少女には欠けてしまっていた