2018/07/04 のログ
ご案内:「王城・第七師団執務室」にサロメさんが現れました。
サロメ >  
静かにドアを締める
そのドアの前に立つ衛兵も、第七師団の衛士ではない

……再建と、再編
ほとんど王国軍として機能しなくなっている状態から立ち上がらねばならない

「……この部屋へ来るのも久しぶりだな。砦に駐屯兵団を送った時以来か」

僅かに懐かしむように、執務机へと手を触れる

サロメ >  
魔族の国への侵攻作戦が本決まりしてからと言うもの、随分と気の休まる時間がなかった
おかげで、様々な状況の変化と厳しい現実を嘆く暇がなかったのは良かったことだったのか、そうでないかはわからないが

「──…ふぅ」

椅子へと腰を落ち着けて、小さく一息
…机の上は、書類が中途半端に整えられている

オーギュストが仕事をした後、そのままだ

サロメ >  
ぎっ…と背を背もたれに預け、後を振り返る
大きな棚、そこには第七師団にかつて送られた勲章が並ぶ
その下には、なぜか大量の酒瓶も

「……これも、片付けなければいけないな」

そう言いつつ、寂しげに笑う
自分も酒を飲まないわけではないが、付き合いに嗜む程度であった
第七師団での生活の中では、その付き合いが割としょっちゅうあった気はするが

ご案内:「王城・第七師団執務室」にアーヴァインさんが現れました。
アーヴァイン > 先日の奪還戦と、その後の魔族の襲来。
敵は直ぐ側にあり、こちらの喉元へ切っ先を突きつけたままと見せしめるにちょうどいい結果となった。
追加の要員雇用出資に貴族たちを頷かせ、人員移動と雇用、教育と忙しくなりそうだと思いながら廊下を歩いていく。
そして、道中に通りかかったのは第七師団の執務室の前。
主なき部屋は静かなままだったが、僅かに高い声が耳元へ届いた。
衛兵達もこちらの顔を見れば、わざわざ止めることもないだろう。
入るぞと今だけは祟り神のフリをしつつ扉を開き、中へ入っていくと、椅子に腰掛ける彼女の後ろ姿が見えた。

「……彼ほど、戦いに秀でた将は見たことがなかった。この国で交えて恐れるなら、彼だとずっと警戒していたぐらいだ」

最後に上げた花火は、そんな彼への手向けの花代わりだった。
出撃した夜を少し思い出しつつも、挨拶代わりに彼を褒め称える言葉を紡げば彼女の元へと向かっていく。
扉が閉ざされれば、祟り神の振りをする必要もなく、普段どおりの仏頂面を浮かべていたが。

サロメ >  
「その言葉は彼への餞となることでしょう」

振り向かず、そう言葉を変えす
その言葉その声色から、客人が誰かは理解っていた

ゆっくりと、後を振り返る

「…いや、餞などあの男が受け取るわけもないか。
 ──久しく見せる顔がこんな顔で申し訳ない」

散々と地下牢で尋問という名の拷問を受けた痕跡
その顔に至るまで、赤黒い痣を残していた

アーヴァイン > 「餞か、確かに言葉より、そこの酒をもってこいと言われそうだな」

色んな種類の酒の銘柄も、ここまで大きくなる前に幾度も手にして、調べたが故に味も知っている。
彼らしい趣向の棚を見上げながら、しみじみと答えていった。
普段と変わらぬ様子で紡ぐ姿は、今だからこそか気を張り詰めているようにも思える。
ゆっくりと振り返る姿、その顔は氷の姫君といった美麗を叩き崩すように腫れており、酷い仕打ちに思わず瞳を見開いて驚く。

「……君が謝ることじゃない。寧ろ、その顔に八つ当たりが出来る輩の気がしれないというものだ」

彼女を罰して何になるというのか、それすらも分からぬ輩に淡い憤りを覚えながら奥底にしまい込む。
痛々しい爪痕を見やりながらも、小さく紡ぐ言葉は古い者達が語る失われた言葉の欠片。
それと同時に瞳が蒼眼の様に代われば、周囲に風のようなものを感じるかも知れない。

「その傷、治してもいいか?」

苦笑いで妙なことを問いかけながら、彼女を見つめた。

サロメ >  
「この程度で済んでいる。というべきなのだろうが」

こうやって第七師団の立て直しとして、首輪つきとはいえ戻ってこれていなければ、
おそらく今も地下牢で拷問の日々だったことだろう

「──ああ、というよりはこれくらい自分で治しておくべきだったな…。
 どうにも、頭の中がこんがらがっていてうまく考えが回らないんだ」

言葉を返しながらすっとその瞳を閉じ、委ねる

アーヴァイン > 「そんな事をしている暇があるなら、君をもっと大切にする方が先決だろう。罪の所在など、平和になってからやればいいというのに」

立て直すのに必要な柱を、罪と罰として甚振ることになんの意味があるか。
本当に償わすなら、全力で仕事を全うさせるほうが余程いい。
そう思いはするも、多くの貴族王族は己のことしか考えていないのも事実。
呆れたように小さく溜息を零しながらも、彼女の言葉に頷けば、掌をかざしていった。

「…気にしなくていい。こんがらがっているのも、仕方ないことだ」

何故仕方ないのか、それは今は触れられない。
幾つか聞き慣れないだろう言葉を紡ぐと、冷たい風が体を撫でていく。
すると傷は、瞬きの合間に存在しなかったかのように消えていき、正常な彼女の体が現実として残るのみ。
ゆっくりと瞳を閉ざし、改めて見つめる頃には瞳は青色から普段の茶色へと戻っていく。

「……すまない。結果として…サロメには辛い思いをさせる事になった」

ずっと君呼びだった言葉が、今までどおりの名前呼びへと戻る。
小さく頭を下げながら謝罪したのは、春先での事だ。
彼と彼女の関係は、仕事だけの間柄ではないだろうと刺激した。
その気持ちがどうなったにしろ、余計に彼の死を悲しむ結果に陥ったのは間違いない筈と。

サロメ >  
「それでは納得のいかない者も、王国の上の方には多くいる、ということだ」

清らかなな風が撫でるように包めば、痛みや熱が取り去られてゆく
再び瞼を上げれば、いつもどおりの相手が目の前に

「…いや、どの道いずれはこうなるだろうと、在る種の覚悟は出来ていた。
 ──あの男が戦場以外で死ぬことこそ、考えられないからな」

……だからこそ、はっきりとさせなければならないこともある
彼が本当に死んだのか、タナールに能われた仮面の将軍のことも…
そのためには、まずは師団を建て直さねばならない

アーヴァイン > 「だが……それは、本音ではないだろう?」

戦う以上は、綺麗な死に方はできないだろう。
あの猛将が静かに床に臥して死する事も、想像し難い。
だがそれは、彼を将として見る者達の言葉だろうと思えば、本当に思う言葉は別にあると思えた。
それを確かめるように問いかけると、考え込む様子に眉を顰めながら嘆息する。

「今し方、貴族と王族たちにこちらの追加増員を頷かせてきた。500人程度ではあるが、ティルヒアの人員もこっちに呼び寄せて、練度は維持する。それと……こちらの人員が去った後の砦が、あっという間に取り返されたと聞いたが…」

あの手向けの戦いの後、こちらの人員が去ってから後詰めに入ったのが彼女達の師団と傭兵達だ。
弱らされたとは言え対魔族の師団が、それだけ被害を受けたのも心配なところである。
……それもあって、増員に承諾が降りたわけだが。

サロメ >  
「で、あれば尚のこと。
 本音を漏らさぬのが女というものであれば」

そう言って、湛えるようにうっすらと笑みを浮かべて見せる

「それについてはこれから情報を整理する段階だ。
 …いくつか、無視のできない情報も上がってきているから、な」

やれやれ、と肩を落とす
文字通り問題が山積み状態である

アーヴァイン > 「……そうだな、だがそれは一段落つくまでにしておいたほうがいい」

今は出さずに抑えられても、留まった感情は何時か内側から彼女を蝕む毒となる筈。
彼女の痩せ我慢な笑みに言葉の間があくも、今はそれ以上に掘り返すのを止めていく。

「無視できない情報……?」

こちらもまだ詳しくは調べていないが、おおよそ腕の立つ魔族か魔王の軍勢が来た…というだけではないとは思っている。
訝しむように首を傾げながら、その先を問いかける。

サロメ >  
「では、この剣を置く時が来たらばその時に」

それがいつになるかなど、自分でもわかりはしないが…
そう返すのもまた、この女騎士らしくはあるだろうか

「一度は地下牢で魔族の手の者と疑われた私が簡単に釈放され、連中の首輪つきとはいえ第七師団の長の座につく。
 相応の理由なしでは、王国貴族達が首を縦に振るわけもない」

その理由の一つが記された報告書、テーブルの上に重ねられた一番上のそれをすっと前へと差し出す

タナールを襲った、第七軍を名乗る大剣を携えた仮面の男と、アンデッドの軍勢
そしてそれと交戦し生き残った第七師団の面々の証言
彼らは気が触れたとして、自分と入れ替わるようにして軟禁状態を余技なくされている

「国は私に全ての責を被せ、オーギュストを英雄視させる算段だったようだが…
 そう一筋縄ではいかなくなった、ということらしい」

アーヴァイン > 「サロメがいうと、遠そうに聞こえるな」

彼女らしい硬い言葉に、困ったように笑いながらもこちらも冗談めかした言葉で答えていく。
まだ気丈に振る舞えるなら、今暫くは大丈夫だろうと。

「……」

魔族の手先と疑われた挙げ句、投獄されていた彼女が開放され、それどころか師団長と祀り上げられた理由。
確かに不可解ではあるが、今更現実に気づいたとでもいうところかと、今は思っていた。
しかし、差し出された書類へ目を通していくと、信じがたい言葉が並んでいく。
第七軍を名乗る仮面の男と、不死者の群れ。
そして生き残りの証言から察するに、気が触れたのではなく事実としか言いようがない。
魔族ならそれぐらいの事はできるだろうし、彼ならば手の内を知る相手を倒すことなど、容易いだろうと納得がいく。
ゆっくりと書類を彼女の方へ戻せば、掌を額に当てて俯いていった。

「それどころではなくなった、そういうところか。随分と趣味の悪い意趣返し……」

改めて思い起こしていくと、証言の中に一つ気になる部分が浮かぶ。
生き残りは名を呼ばれ、彼と言葉をかわしていた。
そして、生き残りもそのやり取りだけで、彼であるとハッキリと断言している。
彼が彼たらしめる要因があるならと、掌が下っていき、顔を上げた。

「……もし彼がオーギュストそのものであるなら、彼を戻せるかも知れない。とはいえ、サロメがいることが前提で、且つ、戻せる条件が満たされれば…となるが」

仮説の上に仮説を重ねた程度のものだが、凶報では無くなるかも知れないと呟きながら、神妙な表情で彼女へ視線を戻す。

サロメ >  
「…結論を急ぎすぎて良い状況でもない、だろうなとは」

顔の前で手を組み、重苦しく息をつく

「先にやらねばならないことも多い。
 "もしも"を重ねた先の話は、今は考えている余裕はないでしょう」

本来ならば、いの一番に確認すべく魔族の国へと再度足を踏み入れたいところだ
しかし物事には順ぞがあり、あまりにもその数が、多かった

「本当にオーギュストは戦死したのか…。
 タナールに現れたのは本当にオーギュストなのか。
 どちらが真実でどちらが嘘で、あるいはその両方が真実なのか、嘘なのか。
 何も確証を得られないままにあれこれと考えることはできない……」

──王国貴族の慌てようを見る限りは、信憑性の高い項目も勿論あるのだが…

「卿の言葉は、胸に留めておこう。いずれその時が来た時の為に」

アーヴァイン > 「だが、そのもしもを考えておかないと、今になった時に手詰まりになる」

常に先を、常に想定される未来を考える。
Ifの繰り返しではあるが、Ifの前提に信憑性をつなげておく。
薄っすらと笑いながら宣うのも、その前提に大きな裏付けをかんじているからだ。
彼女の言葉に耳を傾けながらも、その確かめるべく内容の多くは答えが出ていると考える。
彼の生死はこの場合大きく問題にはならない。
その理由が、証言とその後の扱いである。
取るに足りぬ狂言であるなら、わざわざここまでの完璧な情報封鎖をする必要がない。
勿論、恐怖を広げないためというのもあるが、それなら同時に嘘を広めれば良いのは、昔の仕事で習ったことだ。
隠せば隠すほど、そして、無音を貫くほどにそれは真実と肯定するのと大差ない。
何より、ここ最近に顔を見せた第九師団の師団長の情報も重なれば、これらが繋がっていないほうがおかしい。
生きているなら操られている、死んでいるなら何らかの方法で蘇生させられた、と見るべきだろう。
わざわざ、第九師団が完璧に伏せようとした情報に嘘などないとみるなら、生き残りが相対した彼には、彼たらしめるものが残っているのだから。
言葉を聞く最中、改めてそれをなぞる様に脳裏で確かめるも、条件を満たしきるまでは話す必要もない。
小さく頷く程度に留めると、次の手は決まっていく。

「そうだな、何にしろ直ぐにどうこう出来ることではない。貰った情報でこちらも動くとする……また何か分かれば、連絡しよう」

部屋の時計を見上げれば、結構な時刻を指し示す。
そろそろ戻ろうかと思えば、彼女へ背を向けて歩き出し、ドアノブを握る。

「何か必要なことがあれば言ってくれ、ではまた……」

扉が開き、熱の残る夜風が流れ込む。
衛兵たちには普段の祟り神の顔を見せながら、何を言うわけでもなく廊下へと抜けていく。
今宵は、次の手を進めるべく机のランプはなかなか消せそうにないだろう。

サロメ >  
「貴公には助けられてばかりだな………ありがとう」

向けられた背にそう言葉を返し、再び一人となった部屋の中で嘆息する

「……さて、没頭できる任があるだけ、良しとしなければな」

地下牢で貴族の玩具扱いに逆戻り、などということは御免被る
そのためには監視下で充分に足る仕事と結果を見せること──

自分のために動くのは、それからで十分だ

ご案内:「王城・第七師団執務室」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「王城・第七師団執務室」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」にネルソンさんが現れました。
ネルソン > (人目につきにくく、さぼ……休憩ををするにはもってこいの中庭に、今日もティーポットとティーカップ、消化に良さそうな軽食を持ってくる。ポットとカップ、お皿をテーブルに置き、カップへとポットから胃痛に良いと言う薬湯を注ぎ、息を止めながら一口飲む)

「うぅぁぁぁぉぉぉぉぉ……まず……い……良薬口に苦しとは言うけど、苦すぎる。……でも、何か効きそうな気がする……それにしても次から次に問題が出てきて……死ぬ……死んでしまう……」

(椅子に腰かけぐったりして、口直しと軽食を取り、夜食を終えたところでぐったりとテーブルに顔を伏せてしまう。仕事が減らない、減らないどころか増え続ける無間地獄に胃痛は増すばかりである)

ネルソン > 「おかしいなぁ……適当に仕事をしてそれなりの給料をもらう程度の筈だったのに、仕事を押し付けられるというか回されるというか……吐血しそう。あぁ……仕事辞めたい……でも辞めるにやめられないんだよな……」

(適度に贅沢するくらいの稼ぎでいいのに、何故か仕事をやらされ給金が上がっていた。辞めてしまいたいものの、周りの同僚を想うと辞めるに辞められず、いまだにずるずると働き続けている。矛盾を感じつつ、またカップに薬湯を注ぎ息を止めて飲む)

「うぉえええおおええおお……渋いと苦いと渾然一体となってて……身体に良さそうだけどまずい……」

(一口飲んでは悶え、吐血しそうな勢いでときどき噎せながら人気のない中庭に呻き声が響いていく)

ネルソン > (ポットから薬湯を注いで飲み、飲むために呻き声を上げる。そのうち、あの中庭には得体の知れないモノが住み着いていると言う噂が立ちそうである)

「夜が来て、ずっと夜のままだったらいいのにとか、朝なんて来なければいいのにとか、寝る前に偶に思うんだよなぁ……あぁ、明けない夜はないっていうのが、こうも悪い意味に感じる日が来るなんてな……うっ、げほっげほっ……薬湯の匂いが染み付いてむせる……」

(呼気や着ている服に薬湯のなんとも言えない匂いが染み込んで、その匂いで噎せる。明日も仕事で明後日も仕事で、辛い。いっそのこと、辞表を出したくなるときもあるけれど仕事を失うということも怖く、ずるずると続けてしまっている)

ネルソン > 「はふ……さ、現実逃避もこれくらいにして、宿舎に戻ろうか……明日もまた、馬車馬のごとく働く日常が待ってるからな……」

(早く寝ないと明日が辛い、細菌は腸食、いや、最近は朝食をとるのも寝るのが遅くなると辛いときがある。朝を抜くと仕事中に倒れかねないから、早めに寝て体調を整えないと本当に倒れてしまう……睡眠薬も処方して貰おうかなんて考えながら、帰路へと着いていく……)

ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」からネルソンさんが去りました。