2017/12/19 のログ
レナーテ > 「そ、そんなことはないですよっ! あの、私におしゃれとか、戦い方とか、色々教えてくれた人…も、同性愛者…ですし」

それが禁忌だと分かっても口にしたと言うような様子に、慌てて紡ぐのは、自身はそうだと思っていないが故。
自分がそうだといえるかは分からないが、理解はある。
頭を振って、慌てて言葉を重ねるていた。

「はしたなくなんて…ないですよ。ですが…」

自分の真面目さが彼女を大きく変えたとは思いもしなかったが、現実として結果が目の前にある。
そして、貪る側だった彼女が、逆になってもと求めること場に、突っ撥ねる理性がグラつく。
そこまでいうなら、それならばと求めたがる心を抑えようとしても、指先に絡む感触がはっと現実に引き戻す。

「……忠告、しましたからね?」

出会った日のようにはっきりとした言葉で答えられれば、苦笑いで最後の宣告を囁いた。
貪りたい、壊したい、爪を、牙を突き立てたくなる。
獣の本能が目覚めるように、ずくずくと疼く感情を溢れさせれば、彼女の額に唇を寄せて優しく唇を押し付けた。
重ねた掌を太腿の方へと導きながら、ゆっくりと解くものの、彼女の掌は自身の手の甲へ。
するりと内股に掌を這わせながら、身体を押し付けるように重なっていく。
そのまま今宵、この密室で奏でられた出来事は二人のみぞ知る秘め事となるだろう…。

アンネリーゼ > 「そうなの?……その、レナのこと、好きでいていいのかしら?」

禁忌だと分かっていたから、受け止めてくれるならばこれ以上はない。
理解してくれるなら、それでいい。思いを受け止めてくれなくてもいい。
自分はきっと彼女を見送る。だから、その時に辛くならなくて済むのだ、きっと。
自分の言葉を否定してくれる彼女の存在が、今はとてもうれしくて。

「……ん、ありがとう。私、今とても幸せよ?」

お互いがお互いの影響を受けて変化する。それが人と人とのつながりだ。
故に普段は責め気質な少女が、こんなにも受け身で、彼女の毒牙を望んでいる。
抑え込もうとするものをすべて、飲み干すと宣言しながら誘えば。

「――私をあげる。レナの欲望、全部受け止めたげるから」

忠告はされた、その上で踏み込んだ。だからすべて自分の責任。
爪もでも牙でも突き立てるがいい。彼女の欲望ならばそれもまた良い。
額への口づけは優しく、重なる手の平は導かれるように内腿へ。
これから始まる甘美な時を予感させる、淡い愛撫に彩られながら、二人の夜は過ぎていく――。

ご案内:「王都マグメール 王城 ドラゴンフィート派出所」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 ドラゴンフィート派出所」からアンネリーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/テラス」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (肌を弄る夜風がことさらに堪える、深更の夜。
賑やかな夜会の場を背に、ガラス扉一枚を隔てたテラスに佇む己は、
チャンスさえあればこのまま遁走してしまうことも視野に入れて、
ドレスの上から外套を羽織った姿。
両手で包みこむように持った大振りのカップからは、甘美な香りを孕む湯気が立ちのぼる。
庭園を望むテラスの手摺へ両肘をつき、そろりとカップに口をつけて、
香辛料をふんだんに混ぜこんだ果実酒を啜り―――うええ、と顔を顰め)

――――味覚、やっぱり変わってるよなあ…。
酒、全般が美味しくないもん、……これが、コドモ舌、ってやつか。

(呟きは淡く白く、棚引かせた霞はすぐに、冬の夜気に紛れて消え)