2017/11/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 第零師団執務室」にアーヴァインさんが現れました。
■アーヴァイン > 魔族の国方面への戦いは、芳しくない状態が続く。
あれほど魔族の国を滅ぼさん勢いで行動していた第七師団の、行動の縮小化が大きな要因と言えよう。
本来の立ち回りとは違うが、そこを破られれば義父が願う国の維持はままならない。
質素な調度品に、事務所のような机周り。
状況から次の手を命じ、今は机の前に座り、その報告書に目を通していた。
(「フラニスのクリムゾンクレスト隊がいれば、暫くはどうにかなりそうか」)
本来は、彼等第七師団が勝手に魔族の国へ切り込まぬように見張りをするべく拵えた観測所が、違う用途に使われていく。
他の師団と魔族側の交戦状況の観測、陥落時に追い払うための火炎樽による空爆攻撃と、周囲展開させた狙撃隊での牽制。
余裕があったティルヒア支部のメンバーを呼び寄せ、対応に当たらせている。
砦を守るよりは、砦より先に行くことへの牽制を強く掛けているが、それもあってか、鳥では変わらぬ一進一退といったところか。
(「だが、黒幕を潰さない限りはただの応急処置だ」)
彼等が動けるようにならなければ、魔族の国との国境は劣勢を強いられる。
自分がしているのは時間稼ぎに過ぎない。
そもそも、あの師団長が腑抜けになったなどとの噂があるが、理由なく惚けるような男ではないのも知っている。
何かがあった、だが何があったのか?
思案顔で報告書を片付けていきつつも、色々と思考は巡るも今は確たる方向が浮かばずに居た。
「……」
小さく溜息を零すと立ち上がり、薪ストーブの方へと向かう。
湯気を吹き出すヤカンの取っ手に布巾を被せ、マグカップの中に入れていく。
陶器の冷気で熱湯が僅かに冷めると、それをゆっくりと挽いたコーヒーへと注いでいく。
酸味が立たぬように小さな一手間を加えつつ、コーヒーの香りを楽しみながら、滴るそれが溜まるのを待ちわびる。
■アーヴァイン > コーヒーにミルクを少量だけ入れると、スプーンで軽く混ぜていく。
カップを手に机の前へ戻ると、それを楽しみながら師団ではなく、自分宛てに届いていた封筒が幾つか。
訝しげに首を傾げつつ開封すれば、中には写真と手紙。
届いた封筒の全てはそれで、嗚呼と一人納得した様子で呟くと、薄っすらと苦笑いを浮かべる。
(「こういう物を見せられると、王族になったというのを思い出させられるな」)
妻がいることは既に知られているが、それとは別に妾として娘を差し出そうとする貴族からの手紙だ。
元々はカルネテル家の血を濃く引いていたとはいえ、妻は家の名を持たぬ女性だった。
表向きは有能故としているも、だからか、才あればと寵妾として娘を差し出し、王族との繋がりを求めてくる。
写真に目を通し、手紙をざっと読み流していくも、大体はお断りの手紙を送っていた。
別に自分でなくとも、他に嫁げる相手はいるだろう と。
「……俺も中々無責任なことをいっていたな、ルークに」
義父が認めぬために、立場上の妾に。
本心を殺して迎え入れようとしたのを、あれだけ拒んだのはこういう事だと今更ながらに思い知らされる。
小さく自嘲しながら手紙と写真を封筒へ戻していくと、大きなマニラ封筒へひとまとめにしていく。
後で断りの手紙を送るように、指示書をさっと書いていれれば、コーヒーに口をつけつつ、次の書類を手に取る。
■アーヴァイン > 書類仕事を続けつつ、そのまま夜は更けていく……。
ご案内:「王都マグメール 王城 第零師団執務室」からアーヴァインさんが去りました。