2017/11/01 のログ
■マリー >
しゃなりしゃなり
廊下を歩く姿はそれなりにいいとこのお嬢様にも見えるだろうか
たまにすれ違う太った貴族のおじさまなどは妙な視線を向けてくる
「(まるまる太って血がいっぱい詰まってそう)」
内心そんなことを思いながら、にっこりと笑みを向けてお辞儀する
外面は大事である、それは人間の国でも変わらないのだ
さすがに王城は広い、その分見るところもたくさんあるのだけど───
■マリー >
「……♪」
見定めた
若い、王国貴族らしい服装の青年
端正な顔立ちに整ったスタイル、100点中90点をあげても良い
「御機嫌よう──」
声をかけ、お茶へと誘い……そのまま、夜の約束を取り付ける
一度目で血を吸ったりはしない
ただただ甘美な快楽に堕ちて、堕として
その果てに自分のものにしよう
ついでにお城へと遊びに来る理由も、増える
口の端に小さな笑みを浮かべた少女は、青年と共に姿を消した
ご案内:「王都マグメール 王城」からマリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にマリーさんが現れました。
■マリー >
陽光差しこむ王城の回廊
それに面した一室、王族の部屋から、扉を後ろ手に閉めながら少女がその姿を見せる
「ふあ……はむ」
小さな欠伸を噛み殺して、目尻を軽く擦る
■マリー >
──部屋の中には若き王国貴族の男がまだ眠っている
蜜事の中で交わした言葉
青年は剣の腕も立ち、今の王国の在り方を憂う
きっとこのまま時を重ねれば立派な名君となり得たかもしれない逸材だっただろう
この一晩を過ごすまでは───
甘く堕ちゆく、恍惚とした時間に身を委ねてしまえばそれまで…
傾国の、などとはよく言ったもの、どんな武人であろうと女に堕ちれば骨を抜かれ、それまでである
「…ふふっ」
愉しげに笑って、朝日照らす廊下へと踏み出す
ご案内:「王都マグメール 王城」にオーギュストさんが現れました。
■オーギュスト > 朝。
王城の廊下を不機嫌そうに歩く男が一人。
騎士団総長に呼び出されてのお小言である。
最近、ハデグ方面でたびたび指揮を執っていた事を咎められた。
曰く、お前は北方方面の担当なのだから、タナール攻略に注力しろ、との仰せだ。
「面倒くせぇ……」
タナールなど、取って取られての繰り返し。
そこまでムキになって取り返すものでもなかろうに。
まだ騎士団はあそこを恒久的な要塞にする事を諦めていないのか。
「――ん?」
わざわざ騎士団総長執務室などという城の奥まで行ったせいか、王族の寝室のあるエリアを通らなければいけない。
そこで、女を一人見かけ
■マリー >
「?」
のしのしと歩く屈強な男が目に入る
王族‥といった柄ではない
かといって貴族という風格も見受けられない
一介の騎士、にしては堂々とした立ち姿
さて、とすれば……
「御機嫌ようでございますわ、閣下♪」
スカートの裾をつまみあげて丁寧にお辞儀をする
現場で活躍する将軍が何かの類であろうとアタリをつける
案外と、人間の国に訪れてからこの手の勘を外したことはない
■オーギュスト > 女だ。
それも、とびきりイイ女。
王族の部屋から出てきた、という事は、愛人か何かか。
オーギュストは嘆息しつつ
「おう、御苦労さん」
適当に挨拶する。
しかし……
(貴族にしては雰囲気が軽い。かといって、平民にも見えねぇ……)
疑問に思い、足を止める。
「見かけねぇ顔だな。どっかの貴族の令嬢か?」
一応、探りを入れてみる。
なんの事はない。いい女には目がない、というだけだ。
■マリー >
「申し遅れました」
自分よりも随分と上にあるその顔をじっと見つめて…
「(沢山の戦場を潜り抜けて刻み込まれた年輪を感じさせる、そんな貌…
こんな男が恍惚の果て甘美な淫獄に堕ちたら、…嗚呼、どんな顔をするのかしら)」
湧き上がるものを抑えながら、その姿勢を正す
「わたくし、ダイラスで小さな商会を仕切らせていただいているマリー・ゲーゼルリングと申します。
以後お見知りおきを、閣下」
そう言って小さく頭を垂れる
■オーギュスト > なるほど、商人か。
となれば、先程の印象も頷ける。
貴族というほど堅くはなく、ただの平民という程下世話でもない。
「なるほどな。朝から商談か? 精が出るこったな」
まぁ出された方なんだろうけどな、という最低な冗談はぐっと押さえ込む。
最近サロメの前でそういう事を言うと、容赦なく蹴りが飛んでくるようになったし。
この場には居ないが、下ネタは加減するようになったのだ。
「俺は第七師団長、オーギュスト・ゴダンだ。よろしくな、マリー」
軽く手を差し出しながら言う。
商売人とは仲良くして損は無い。特に、こんな美人ならなお更だ。
■マリー >
「商談というよりは陳情ですの。
最近はあの街も物騒でして、王都から警備のために兵士を派遣していただけないかと…」
嘘は言っていない
今の部屋から出てきたのは別件であるが、王城を訪れた理由はそのとおりである
もっともその陳情が通るかどうかなど、今のこの国では怪しいものなのだが…
王城へ訪れるのにとても良い口実であったのだ
「第七師団!勇猛さはかねがね…。
ふふ、今後ご贔屓にさせていたきますね…?」
差し出された手を両手でぎゅっと握って、にっこりと笑顔を向ける
■オーギュスト > ふわりと手を握られる感触と、ただよう甘い香りに途端に上機嫌になるオーギュスト。
しっかりと握手をした後、港町の事を聞けば。
「警備の為に、か。なるほど、そりゃ大変だな」
とはいえ、こちらも港の警備に避ける人数は無い。
第七師団だけでなく、軍は常に人手不足だ。
北に魔族、近隣諸国との戦争も続いている中では仕方ないのだが。
「是非頼む、良いモノがあったら、師団まで売り込みに来てくれ、贔屓にするぜ」
すっかり笑顔になりながら応える。
現金な男である。
■マリー >
「まぁ、ありがとうございます閣下♪」
胸の前で手を合わせ、喜びに顔を綻ばせる
厳つい雰囲気が和らぐのを感じて、ちょっとした欲求もにじみ出て来るというもの
「でしたら閣下ぁ…、
お時間さえよければ、是非ぜひ、第七師団とのお付き合いも含めて、今後のお話し合いをしたいのですけれどぉ…」
表情を緩ませ、まるで猫撫声のような甘ったるい声色を向ける
■オーギュスト > 「ほう……」
意外と好き物なのか。
なるほど、この手の事も利用しつつ、自らの仕事を拡げるタイプの商人か。
だが、それならやりやすい。
何せ、相手は欲得ずくでこちらと床をともにしようというのだ。
後腐れがなくて、大変結構ではないか。
「へぇ――いいぜ、この後の予定はキャンセルすりゃいいからな」
砕けた口調になりながら、誘いに乗る。
サロメが居れば、鼻の下が伸びていると評した事だろう。
■マリー >
「寛大なお心、感謝致します♪」
満面の笑顔
商売の話などは当然建前、人間の国の仕事がやりやすくなるのは勿論結構なことではあるのだが
その奥には、この男が堕落する成れの果てを無想している
しかしそれを表に出すようなことはせず
「では…どこか二人きりでお話のできるところへ…」
ほんのりと頬を染めて見せるのは演技か、素の姿なのか
■オーギュスト > 「ま、俺の執務室でいいだろ。どうせ誰も来やしねぇ」
彼女の肩に手を置きながら、みずからの執務室へと向かう。
オーギュストが女を連れ込むのはいつもの事だ。警備兵も言い含めておけば誰も通さない。
にんまりと嬉しそうに笑いながら、自らの部屋がある一角へと向かい
■マリー >
部屋へ向かう途中、それなりの人間とすれ違うも特に誰も何も言う様子がない
なるほどこれがこの男のいつもの行動ということである
英雄色を好むというが、その類なのかもしれない
益々、この男が堕ちてゆく様子を見たくなってくる───
執務室へ入れば改めて一礼して
「私室への招致、感謝致しますわ。オーギュスト閣下♪」
妖艶なものへとに変わった笑みを向ける
この空間には他に誰もおらず、部屋に入る際には入り口の警備兵にも申し付けていた
マリーにとっては実に、お誂えといった空間である
■オーギュスト > 「なぁに、お前さんのような美人なら大歓迎だ。飲むか?」
部屋の棚からグラスを二つ、取り出す。
こういう時の為に酒は完備してある。
上等なモノを取り出すと、グラスへと注ぎ
「――ま、俺もお前のような奴は大好きでなぁ」
妖艶な笑みに対し、肉食獣のような獰猛な笑みを見せる。
こちらは相手の思惑など知らず、ただ肉欲を満たそうとするのみで。
■マリー >
「ふふっそれじゃあいただいちゃいますね」
二人きりになると少しくだけた口調を見せる
人懐っこいような、猫撫で声
グラスを受け取ると、どこか気品があるような雰囲気を見せながら口につけて
「失礼しますね…♪
ふふ、お話がとっても早そう…それとも手も早いのかしら、将軍様は……」
ソファへと腰掛け、その肢体のラインを強調するように姿勢を崩して見せる
……どう見ても据え膳、というやつである
■オーギュスト > 「なぁに、兵は神速を尊ぶ、ってな」
軍服の上を緩めながら、ゆっくりと自分もソファ、女の隣へと腰掛ける。
据え膳とあらば躊躇する必要も無し。
にやっと笑いながら、その肢体へ覆いかぶさる。
「それにな、こんないい女をほっておくのは、男の恥ってもんだ」
■マリー >
「クス…♪
お口がお上手、女を抱くのもお上手なのかしら…?♡」
真紅のルビーのような濡れた瞳を向ける
覆い被さられればことさら、出るところは出ているものの、その肢体の華奢さが際立つ
「誰も邪魔しないのですから、甘美な一時に耽りましょう?
お互いのことをよく知れば、自ずとお仕事のお話もスムーズに進むものだもの…♡」
そう言うとその首へと細い両手をまわし、こちらからその唇を奪ってゆく
■オーギュスト > 細い身体に豊満な感触。
まるで貴族のような、上物の肢体。
なるほど、商人などしているが、意外と出身は良い所なのかもしれない。
「試してみりゃいいだ――」
言い終わる前に、唇をふさがれる。
情熱的な女は好みだ。負けじと唇を吸い、舌をねじ込む。
甘い唇はまるで蕩けるが如き感触。
いい気になった男は、キスしながら身体に手を這わせはじめ
■マリー >
「ん…ふっ…♪」
手が身体を這い回り、繋がった唇から甘い吐息が漏れる
キスを堪能しながら女の身体を味わう動き
実に手慣れたものを感じる、けれど───
触れれば理解る、この肢体は魔性のもの
撫ぜれば撫ぜる程、触れられれば触れられるほど、『欲』を無性に掻き立てるような───
男の手をするりとかわすようにして、マリーの手もまたオーギュストの股座へと向かう
そこにあるはずの存在感を確かめるように、キスを深めながら細指がまさぐる
■オーギュスト > 「んく――」
これは――
極上、などという生易しいものではない。
まさに魔性の肉体。
触れれば触れるほど、味わえば味わうほど、こちらの焦燥を掻き立てる。
オーギュストの股座は既にいきり立ち、その肉体に相応しい剛直を誇っている。
ふっと真面目な顔になると、乱暴に、まるで剥ぎ取り破り捨てるように女の服を脱がしにかかる。
もう、男は将軍でも軍人でもない。一匹の獣だ。
■マリー >
「あん…お行儀が悪いのですね…♡」
衣服を剥ぎ取られ、真っ白な裸体を晒すマリー
自らの手が触れる、剛直の熱を衣服越しに感じて
その頬に熱と赤みをほんのりと灯らせる
「もう我慢できませんか…?
でしたら、一度気持ちよくなっても良いですよ…」
期待するような濡れた瞳の淫靡な笑みを向けてその身を預ける
■オーギュスト > 「――舐めやがって」
カチンときたオーギュストは、責めを激しくする。
荒々しく肢体を弄び、揉みしだき、貪るように責める。
この女を屈服させようという、獣のような愛撫。
「我慢なんぞはなからしない。貪るだけだ」
再び唇を吸い上げる。
今度は荒々しく、咥内のものを根こそぎ舐るように。
■マリー >
「は、んッ♡ すご、っ♪、あうんっ、素敵、です…っ♡」
獣のように、乱暴に自らの肉体を貪る男にされるがまま、
組み伏せられた雌のように嬌声をあげる
───けれど
貪れば貪るほど…味わえば味わうほどに
まるで性欲、獣欲、征服欲といったものが浸食してくるような───
「もっと、もっと激しくして…ぇ…♡」
求めれば、貪れば、それに必ず応えるように
否、それ以上の味を味合わせるようにしてその肉体は男へと応えてくる
それが異常な、麻薬のようなものであること
貪り尽くそうと思えば、底なしの堕落に踏み込むようなある種の危機感を……
「んんッ♡ んー…っ♡」
男がこの甘味を前に感じ取れるのかどうか
■オーギュスト > 貪るごとに、味わうごとに。
渇きが増す。もっと、もっとと。
が、まだ男はその事に気付かない。
男の渇きが深いのはいつもの事。ひたすらに、獣欲のままに貪り、喰らい、味わい尽くす。
「が、はぁっ――!」
獣のような唸り声をあげながら、押し倒し、組伏せ、そして剛直をあてがう。
そのまま、獣のままに、挿入し獣欲を満たそうと。
■マリー >
「はぁ、ふぅっ…♡
ください、閣下の…おっきな───」
華奢な肢体に対しては大きすぎるかもしれない、その剛直
それをうっとりとした顔で、細指が撫でるようにして自らの股座へと導き、熱と熱が触れる
入り口は艶かしくぬめり、ひくひくと男を誘うように蠢いて
単純、かつ強い"欲"の持ち主───
内心、クスリと笑みを浮かべる
欲を持つ者の支配は容易い、その欲が強ければ強いほど
底なしであれば簡単に沼の底まで、その魂を捉え堕とすことができる
逸材だ
王城にこんな都合の良い人間が出入りしていたなんて
■オーギュスト > その女の誘いに抗えるはずもなく。
男は、女と交わる。
華奢な肢体、豊満な胸、甘い唇、淫靡な中。
全てが、男を惑わせ、狂わせる。
「お、お”ぉぉっ!」
獣のような声をあげながら、男は腰を振りはじめる。
ただ貪り、味わう、愛も優しさもない、まさに交尾。
男は段々と正気を失い、欲望のままに貪り。
「が、はぁ――」
■マリー >
「あひっ♡あ゛ッ、は、はげし、ひっ♡、イっ、イっちゃ…ッ…♡♡」
欲望渦巻くままに、獣のように乱暴に
ともすれば女の肉を耕すが如く、野性的な───
嗚呼、甘美
こんなにも欲に素直で、肉欲に溺れてくれる
臓腑を押し上げるような勢いで自らの腹を突きあげる剛直を包み込む
少女の膣は数々の名器を知る男ですら唸るであろう、文字通りの魔器
「(──どーぉ…?素敵でしょう……?
溺れたまま…甘美で…痺れるような快楽の壺の中で…
怠惰で、爛れた…堕落に溺れましょう……?)」
そんな、堕落へ誘う囁きが聞こえるか否か
少女の肢体は男の腕の中で淫らに揺れ、その獣欲は際限なく満たしてゆく
■オーギュスト > さすがの男も、そろそろ気付く。
この女は魔性だ、男を溺れさせる、化生の類だと。
だが。
「が、てめっ――!」
しかし、獣欲に溺れた身体は簡単には止まらない。
さらに深く、奥へ、この最上の肢体を貪りつくせと。
まるで打ち付けるように腰を動かし続け。
「が、だれ、が、ぐっ――!!!」
無限にも思える渇きと快楽。
気付いた時にはそれが男の意識を蝕みはじめ。
■マリー >
「──あはッ♡ あッ、スゴい♡素敵っ♡♡ ねぇ、もっと──」
言葉は甘く
いつしか蛇のようにその細い手足を男の屈強な肉体へと絡めて───
「もっと私を食べて…♡ 犯して…♡
気持ちよさと心地よさで、どろどろに、溶け合いましょお…♡」
その瞳はいつしか美しいルビーのような光を讃えたものではなく…
まるで処女の経血のような、ドロリとした質感を思わせる、妖美なる血の色へ
まだまだ喰らえる
まだまだ快楽は底なしに男を誘う
沼と呼ぶにも生易しい快楽の檻が、男を囚えようとしていた
檻の中には極上の餌、喰っても喰ってもなくならぬ美味な肉
しかしその肉には毒がある
まずは肉体を───そして、心へ
じわりじわりと染み込むような……快楽の、毒
■オーギュスト > 止まらない。
止められない。
男はひたすらに女を貪り、その真紅の瞳に捕えられる。
もっと、もっと貪れ。欲望を満たせ。女を己のものにしろ。
まるでそう囁かれているかのように。
そして男は、恍惚の中で果てる。
白濁を女の中にぶちまけ、この上ない快楽へと誘われる。
だが――まだ、足りないとばかりに。
男の剛直は衰えず、そのまま第2ラウンドとばかりに腰を打ちつけはじめる。
まるで、快楽の底なし沼にとらわれたかのように。
意味を為さない、獣のような咆哮をあげ、ただひたすらに女を貪る。
■マリー >
「んきゅっ…♡ ひぁ、熱っ♡ イっちゃう、イッ……♪」
大量の熱を吐き出され、
そのまま引き抜きもせずに、再び突き上げられる
少女の華奢な身体がどうなるかなどお構いなし
まるで遠慮の感じられない、その獣のような欲の満たし方───
「ふふっ…♪ この、出会いは素敵ね…オーギュスト…♡
もっともっと、溺れて…♪
だぁれも嫌な思いをしない、お互いが気持ちのよいことなのだから…溺れたって、
狂ったって……だぁれも文句なんて言わないの…♡」
甘い、蕩けるような言葉を呟きながら
まるで精処理道具のように扱われる白い肢体が、男の腕の中で揺れる
文字通り、オーギュストの精と欲が果てるまで、尽きるまで…
少女もまた何度も絶頂に達し、その度に男の剛直から精を吸い上げるように淫肉は生物が如くうねり、吸い付き──
深い深い、快楽と獣欲の沼へと誘い込んでいった
■オーギュスト > 隙があったと言えばそうだろう。
対人族戦線での功績に天狗になっていたと言ってもいいだろう。
だが、それ以上に。
この魔性の肉体は、オーギュストの予想を超えていた。
「あ、が――」
もう何度射精したのか。
もう何度絶頂したのか。
日は既に中天を超え、夕方へと差しかかろうかという時。
部屋中に精臭が満ち、まるで多人数で交わったのかという惨状になりながら。
ようやくオーギュストの性欲は収まりを見せた。
その頃にはすっかり男の精神は犯され、その瞳には何も映していない。
■マリー >
「ん…ちゅ♡ あむ…、じゅるっ…♡」
淫臭漂う中、ソファに身体を預けぐったりとしたオーギュストの股座へ、少女は顔を埋めている
まだ僅かに硬さと熱の残る、男の剛直を丹念に舐りあげ、尿道に残ったそれを啜り───
白濁に汚したその顔でうっとりと微笑む
「はぁ…おいしー…きもちいー……♡
昨日の夜過ごした貴族の男なんか、目じゃないくらい…素敵で…たくましくて…」
男の身体を這い登るようにして乗りかかり、半勃ちのそれを自ら膣内へと埋めてゆく
「ねぇオーギュスト閣下ぁ…♡
私まだ貴方の血を吸いたくないかもぉ……♪
このまま…人間のまんま、堕ちていきましょう…?
ふふ…ほら……もうすぐ夜みたい………朝までに…私のコト、忘れられなくしてあげる…♡」
爛と光る真紅の瞳
既に光を灯さないオーギュストの瞳を覗き込み、その唇を深く深く重ねる
───夜が開けると、まるで夢の出来事であったかのように少女は消え失せていた
男に残ったのは、それを否定する惨状めいた部屋の様相と、身体の芯に灯った疼くような欲求の欠片、
そして机の上の「ブラッドベリー商工会をどうぞご贔屓に♡」と書かれた小さな便箋だったという
■オーギュスト > この日を境にオーギュストの行動が一変する。
ふとした時にボーっとしたり、何か考えごとをしたり。
また、大事な軍議を途中で退席したりなどの行動が多くなる。
世間では「まるで覇気がなくなってしまった」とも噂され。
そして何より、この日からオーギュストの進めていた軍事行動が全て凍結されてしまう。
キルフリート遠征どころか、タナールへの定期出兵までも。
その報は不安と不気味さをもって王城を駆け巡った。
ご案内:「王都マグメール 王城」からマリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からオーギュストさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にルクレースさんが現れました。
■ルクレース > 王城内にある庭園。
人工的に引かれた小川のせせらぎの音と、虫の恋歌う音色。
小道には、等間隔に柔らかな明かりを灯す魔石が置かれ、四季折々の花々や植物が植えられている。
風情ある庭園は、徐々に秋色から冬の色へと変わりつつあった。
小道に落ちた落ち葉が、一陣の風に舞い上がるとバサリと大きな羽音が響く。
王城の塀の上に、大きな白い隼が降り立つとその背から羽のような軽さで庭園の上へと着地する人影が一つ。
「ありがとうございました、ドリィ。」
『何、このくらいお安い御用だよ。よく体を暖めて風邪をひかないようにするんだよ。』
庭園から塀の上にいる隼を見上げる形で、ルークが礼を告げると優しい声が脳裏に響く。
子供に語りかけるような口調と、気遣いは夫となった彼とはまた違った母親のような暖かさを、それを知らないルークに与えてくれているようで。
実際、永い時を生きてきた神の眷属たる隼の彼女は幾度も子を産み育ててきた経験があるのだろう。
彼女にしてみれば、特別気を使っての言葉ではないのかもしれないが、こうやって気遣われるのはどこか擽ったい。
『では、おやすみ。』
「おやすみなさい。」
声とともに再び力強い羽ばたきをすると、塀から隼の体が浮き上がり庭園の上を一度旋回して空の彼方へと飛び立っていく。
隼が見えなくなるまで見送ると、肩がけにかけていたカバンを肩にかけなおしてルークは踵を返した。
中にはドラゴンフィートからの大事な書簡が収められている。
急ぎの書簡があるため、取りに来てほしいと依頼され九頭龍山脈の麓にある集落へと向かい、書簡を受け取り戻ってきたわけだが、その手にはお土産にと持たされた紙袋があった。
ミレー族の少女が焼いたアップルパイと、林檎に葡萄と季節の果物が詰め込まれた紙袋を葡萄の柔らかな実が潰れていないかと、中を覗き込んで確認する間、小道の真ん中で足が止まる。
ご案内:「王都マグメール 王城」にアーヴァインさんが現れました。
■アーヴァイン > 城の中に残る痕跡、それが日に日に増えてきている気がした。
魔族と相反する存在となったことで、彼らの来訪の痕跡が感覚的に理解できるのは、想定していなかった副次効果と行ったところか。
私室や寝室など、生活圏のところには侵入を防ぐ符号を紡ぎつつ、城内の保全に努めていた。
身重になりつつある彼女に面倒は掛けたくなかったのだが、それ故に手が回らず、使いを頼み……全てが終わる頃には日も暮れていた。
「……」
羽ばたく大きな風の音、それに気づき、窓の外を見やる。
大きく回り込みながら城から遠ざかる白い隼の姿を確かめれば、僅かながらに口角が上がった。
部屋を抜け出すと、廊下を抜けて庭園へと向かい、優しい光に満ちた世界の中、辺りを見渡して彼女を探し求める。
「……おかえり、疲れてないか?」
いつもと変わらぬ様子だが、その分に無理して隠させないためにも、都度都度気遣っていく。
柔らかに笑みを浮かべながら近づいていくと、甘い香りが少し感じ取れる。
袋の中を確かめている様子から、その中身だろうかと傍までよれば、中を覗き込もうとする。
■ルクレース > 城に残る彼に見送られ、隼に乗って空へと飛び立っていったルークといつもとは逆の光景だった。
体に負担をかけないようにと、高速での飛行は控えたがそれでも速度は十分で直線距離をとれることもあり、馬車よりも数段早く目的地に着くことができる。
書簡だけ受け取って、そのままとんぼ帰りをしようとするルークを引き止めたのはミレー族の少女たちで、彼女たちとお茶をしてきた分帰りは遅くなってしまった。
以前のルークであれば、お茶に誘う彼女たちに対して「急ぎますので」の一言で付き合うことはしなかっただろう。
まだ他者と関わる事に、不慣れで不器用ながらも彼女たちの気遣いに応えられるようになったのは、小さな変化の一つだった。
マシンガンのように繰り広げられる、少女たちのお喋りについていけたかどうかは、別として…。
「只今戻りました。大丈夫です。秘書の方から書簡を三通お預かりしてきました。」
人の気配と足音に、紙袋の中へと向けていた視線を上げると丁度彼が庭園へと姿を現した。
魔石の明かりがともされた小道の上に、ルークは立っていた。
冬用の生地で作られた、彼から贈られたワンピースの上には同じように彼から贈られた落ち着いた赤のロングケープが羽織られている。
ワンピースのウエスト部分は、コルセットのように背中側のリボンである程度調整ができるため、まだ着用できているが元々タイトなデザインのため、そろそろ別の衣服を考えないといけない時期に差し掛かりつつあった。
歩み寄ってくる彼が、気遣うように問いかける言葉に小さく頷く姿には、言葉通り疲労は感じ取れないだろう。
「お土産にと、沢山いただきました。アップルパイは自信作だそうです。」
袋から漂う果実の甘い香りに気づいた彼が、中を覗き込めば見えやすいように袋を差し出していく。
二人でお茶でもしながら食べてね~と渡された、底のほうに入っているアップルパイの事も補足しながら。
■アーヴァイン > ティルヒアでの支援活動から、業務斡旋と技術回収の結果は呼び止められた少女達にも小さく反映していた。
加入から結構な時間がたった少女達は、各々義妹や秘書、二代目の指南役の少女からその衣装に使われていた素材を知り、可愛らしい専用の戦闘衣を拵えている事が多い。
もちろん、指先の器用さも必要なため、裁縫が苦手な少女達や日の浅い娘は、だいたい動きやすくありきたりな組合の支給衣に身を包んでいる。
しかし、ツーカラーで仕上げられたダブルボタンのワンピースに、胸元に飾られた大きめのリボン、頭には隊章が飾られたベレー帽かコサージュ飾りといった格好が増えていた筈。
色合いは好みで色々と異なるが、シンプルながらに可愛らしい物に一新されていただろう。
「お疲れ様だ。そうか……何かあれば直ぐに言ってくれ? 俺もこういう事は初めてだ、気付かないこともあるかもしれない」
いつもの格好に赤色のロングケープを羽織った姿を捉えれば、可愛らしさに頬を緩める。
疲労を感じる様子はないが、それでも身籠った女性の取り扱いは初めてに近く、一層気にかけた様子で眉をひそめつつ笑った。
「まさに実りの秋だな。アップルパイか、お茶でも淹れて頂くとしようか」
林檎と葡萄が詰まった紙袋の中身を確かめつつも、強い香りの正体を知れば、嗚呼といった様子で小さく頷いた。
そして何気なく肩を抱き寄せつつも、ふと今の格好と現状に気づく。
元々、彼女の細いラインを活かしたデザインの服をオーダーしたのもあり、身籠って数ヶ月経過した今、起伏を感じつつもある。
視線は紙袋に向かっているようにも見えるが、見ている場所は掌が触れた通り、下腹部の辺りを指し示す。
「そういえばルークからは何もいっていないが……キツくなってきていないか? その、タイトなデザインというのもある…からな」
あまり女性にウェストの話をするなと言うことぐらいは知っているが、渡した日のことを思い出すと、喜んでくれた分に無理に袖を通していないか少し心配にもなる。
言いづらそうに少しだけ言葉をつまらせながらも、問いかけた理由を添えれば、彼女の様子を確かめた。
■ルクレース > しばらく訪れていなかった集落は、相変わらず王都とは異なる活気に満ちていた。
組合に所属する少女たちも、相変わらずの元気さと賑やかさだった。
以前から、可愛らしい専用の衣装を身にまとっている少女も多かったが、全体的に可愛らしくなったように見えたのは支給服のデザインが一新されていたからだろう。
少女たちの中でも、幼年に近い少女たちが数人「見て見て」と新しくなった支給服を自慢してきた。
気の利いたセリフを言えるでもなく、可愛らしいですねと抑揚のない声でのルークの褒め言葉に、少女たちは自慢げに満面の笑みを浮かべてくれた。
戦うための衣装でも、お洒落に着飾りたいと思うのは女の子ならば当然に抱くものなのだろう。
「…制服を、自慢されました。とても、嬉しそうでした。…まだそれほど、動くのに支障はないので大丈夫、だと思います。」
集落での出来事を思い出して、そんな報告を付け加える。
困ったように笑いながら、気にかけてくれる言葉に頷いて答えるが、ルーク自身も妊娠という初めての経験にわからないことは多い。
徐々に子宮周辺の内臓が圧迫されてきていて、以前よりもトイレが近くなったりといった小さな変化はあるが言うほどでもないだろうと、考えるのに少し視線が動く。
「雨が少なかったので、とても甘い実が実っているとのことでした。はい、お淹れしますね。紅茶でよろしいでしょうか?」
甘く香ばしいパイの香りに納得したように、彼の小さな声が聞こえてくる。
甘いものでお酒を嗜む者もいるらしいが、彼はどうだっただろうかと思い出しながら少し首をかしげるようにして彼を見上げれば、自然な動作で肩を抱き寄せられる。
触れる手の温度は、肩とそしてもう一方が下腹部の微かに服の上から膨らみのわかるようになってきたそこへと触れる。
「……?…あ、はい…。背中側のリボンで少し調整ができたのですが…すこし…。ですが、その…できるなら可能な限り着用していたい、と…思いましたので…。」
言いよどむ様子に、どうしたのだろうかと更に首を傾げたところで彼から投げかけられた質問に数回瞬きをする。
触れた手の位置と、言葉の意味を繋げると少しだけ彼から逸らすように視線が動いたあと、小さな声で素直に告げて。
彼に魅せる為に、彼の好むデザインのものを着用したい、彼がくれたものを身につけていたいという動機は、対象が限定的とはいえ集落の少女たちと変わらない。
■アーヴァイン > 普段から纏い、手にして、共にあり続ける物だけあり、気に召す方がモチベーションに大きく影響を齎す。
制服の話が彼女の口から伝えられると、そうかと嬉しそうに微笑みつつ、身体を寄せながら優しく黒髪を撫でていく。
「ティルヒアの魔法学校にあった特殊布の量産に成功したからな、全体に広めたんだ。ルークのみたいな、細かな装飾は流石にできなかったが……気に入ってもらえてて安心だ」
その言葉に、ほっと安堵の吐息を零す。
彼女や各々に準備した少女達と比べれば、ワッペンや飾り刺繍もほぼ無い。
量産となれば、流石に手の込んだ者は難しく……それだけ、彼女に送ったドレスは仕立てるのが大変だったことを物語る。
彼女のためだけに作った唯一のモノなのだと。
続く言葉には、それならよかったと小さく頷きつつも、気になるものは気になれば、少しだけ視線が下腹部の方へ向かい、一瞥していく。
「良いことだ、良いものが出来れば、事よくいろんなものが巡る。あぁ、だが淹れるのは俺がやろう。外回りから帰ったばかりだからな」
見上げる視線に笑みで答える辺り、甘いものが苦手ということではないのだろう。
紅茶はあまり砂糖を入れずに口にしていたが、ただその方が舌に馴染むといったところか。
……流石に、集落の幼い少女から送られた砂糖の塊のようなクッキーを口にした時は、目を白黒させていたが、それでも平らげたのは真面目も度が過ぎる。
書類を取らせに出掛けさせて、挙句戻ってきてから茶の用意までさせるのは、身重な彼女を思えば少々気が引ける。
ゆるく頭を振りながら答えると、続けた問いに素直ながらも、しどろもどろに言葉が返った。
可能な限り、そう言い続けてくれるのは嬉しいが、圧迫させるのもよくない。
くしゃりと改めて黒髪を撫でた後、肩を抱き寄せたままあるき初め、二人の私室の方へといざなっていく。
「ギリギリまでそれだと苦しいだろう? そろそろ違う服を仕立てようか。デッサンの感覚も取り戻せてきたことだし、丁度いい」
先程の安堵の理由もここに繋がる。
意味深な言葉で答えながらも、彼女の想いに心が擽られるような心地で確りと笑みを形作るほど。
オムレツを作った夜に語った、殻ごと食べてしまった少女達のように、彼女もまた、自分の気持ちに答えるべくギリギリまであり続けようということなのだろう。
嬉しいが、やはり苦しいのはよろしくない。
故にそんな言葉を返しながら私室へ向かい、薄暗い廊下を抜けた先の扉を開くと、茶器の置かれた一角へと進んでいき、紅茶の準備を始めると、徐々にアールグレイの心地よい香りが広がっていく。