2017/10/06 のログ
ご案内:「王都マグメール王城・第七師団執務室」にサロメさんが現れました。
サロメ >  
「洗礼武器の協力申請は済んだが……さて、後必要なものは。
 ……いや、小休止するか」

ふー、とため息をついて、書類仕事の時だけかける眼鏡を机へと置く
相変わらずの書類の量である
半分以上は嫌がらせなのだろうなと思うと気が滅入ってしまう

サロメ >  
「(魔族の国への侵攻。
  城内にも反対派は多くいるようだが、強行するだろう)」

第七師団将軍、オーギュストの意思は固い

自分の正直な意見を言えば…リスクが高すぎる
しかしやると決めたのならば可能な限りそのリスクを減らすよう場を整えるのが
副将軍である自分の役目である
ヤルダバオートの大聖堂へ足を運び、洗礼武器の数を揃え、
無駄な消耗を抑えるため魔族の国侵入までの経路確保も必要だろう

「──となるとやはり要は、タナールだな…」

ギシ、と椅子を軋ませ背もたれに体重を預ける
人間側からすればあの砦は、魔族の国との国境を保つ重要な要砦
しかし魔族側の動きはどうも統制の取れたものではなく、
気紛れに砦を取り返して…というのを繰り返しているようにも思える

「(……城内の、王族貴族にも魔族に通じている者はいるだろうが)」

それは必要な情報を仕入れる相手というよりは、断罪すべき相手である

ご案内:「王都マグメール王城・第七師団執務室」にミュレスさんが現れました。
ミュレス > 王城の磨き抜かれた廊下をアルビノの女が歩く。背筋を伸ばし、微笑みを湛えて。精緻な彫刻が施された重厚なる木製扉の前で立ち止まり、警護の兵士に笑いかけた後、扉を4度叩いた。

「アクアリア副将軍閣下。……ヤルダバオート市より参りました、ミュレス異端審問官です。入室をお許し頂けますか?」

名を名乗り、部屋の主の許可を待つ。その手には封蝋のされた巻物が1巻。その封蝋にはノーシス主教の紋章が圧されていた。

サロメ >  
「───?」

室外からの名乗りを受け、姿勢を正す
……耳がおかしくなっていかなければ…異端審問官と名乗った筈である

「(使者として遣わされるにしては随分と物騒だな)」

──この城への用事、ということで女性が遣わされるということは理解が及ぶのだが
一先ず……

「鍵は開いている。通してくれ」

警護兵に聞こえるように声を張ると、兵士はその扉を開き招き入れるだろう
ミュレスが部屋へと入れば、立ち上がり恭しく一礼する

「第七師団副将軍を務めるサロメ=D=アクアリアだ。
 ヤルダバオート市からよくお越し下さいました」

名乗りと、労いの言葉を送る

ミュレス > 「勿体ないお言葉です、閣下」

此方も胸の前でノーシス主教の印を切り、頭を垂れる。視線を相手に戻した。少女と見まがう……のは、背丈と乳房の所為だろう。誤解する者が多いのも納得である。
だが見る者が見れば、鍛えられた体躯は鎧の上からでも明らか。そればかりではない。しなやかなる脚、安定感ある腰付き……胸が高鳴り、頭に血が昇った。頬が染まるのは隠しようもない。

「っ……閣下の為された洗礼武器の申請は妥当であると判断されました。聖工組合は既に作業へ取り掛かっております。ですが」

 言葉を切った後、相手の執務机に積まれた書類を一瞥する。

「……ヤルダバオート市の大司教3人が、閣下と直接お会いしたいと申しているのです。洗礼武器の納入前に、その人となりを確かめたいと。彼らの名は……」

審問官の口にする名には覚えがあるだろう。かつて王城内に魔族が侵入し、その責を問われた際、彼女の落ち度であると貴族達に強く進言した者達だった。

サロメ >  
「……了解した。その旨、将軍閣下へとお伝えしよう。
 大聖堂の手厚い協力に感謝する」

本音から、ほっと小さな一息が漏れる
渋られでもしたら、最も拗れそうだった部分である

しかし審問官の言葉には続きがあり───

「………大司教殿の要求とあらば、喜んで応じよう。
 無論、将軍閣下にお伺いを立ててからの話になるが…」

名を連ねた者達はどれもこれも、色欲に狂った聖職者の名を語るこの国の病巣
当然自分を地下に閉じ込め人に言うことすら憚られる仕打ちをした当人達でもある
しかしそれとして、遣いであるミュレスという異端審問官の様子が気になった

「失礼…少々顔が赤いようだが。体調でも崩されておいでかな」

ミュレス > 「あ……此処までやってきました折、息が上がりまして。お恥ずかしい限り」

 顔色を指摘され、笑みを深めつつ頬に手をやった。小さく頭を振った後、改めて相手を見つめる。

「司教達の話しぶりからして、ヤルダバオート市への召喚は急であり、かつ長期を要すると見受けました。となれば、閣下のご予定に障ります。これは……よろしからざることかと。そこで」

 一息ついた審問官は、凛然たる女魔法剣士を真正面から見据えた。

「閣下さえお望みならば、私がこの……出来事に対処致します。3人の大司教はハイブラゼールを訪問した際、少々……好ましからざる行状に及んでいるのです。それを提示すれば、閣下の召喚を思いとどまるでしょう」

 曖昧な表現を多用しつつ、相手の様子を窺う。此方の言わんとすることをくみ取ってくれると良いが。

サロメ >  
「……そうだな。
 師団の副将を務める身としては長く不在にすることは難しい。
 それこそ、将軍閣下の了承を…ということになるだろうが」

勿論将軍も司教達の名は知っている
彼らが自分に何をしたかも知っている
突っぱねるだけならばいいが、オーギュストのあの性格である
……大事に至らないとも言い切れない
洗礼武器や兵装、聖職者の協力は対魔族戦闘には欠かせないもの
なるべくならば軋轢は残したくないところであるが……

「…貴殿が?
 可能ならば我らとしては有り難い話ではあるが…」

異端審問官は、ノーシス教ではどうだったろうか
比較的高い位に置かれ、意見の通る役職ではあるという認識はあるものの…

「好ましからざる状況というのを、差し支えなければ聞いておきたいところだな。
 貴殿に危険な真似をさせるわけにもいかないだろう?」

ミュレス > 「大変不幸なことですが、ヤルダバオート神に心身を捧げた者も、時には過ちを犯すのです。……とだけ」

 具体的な行状について問われ、そのように言葉を濁す。今話したことは明確なる告発ではなく、教会内の力の均衡を利用した小細工であるため。
 そして師団の副官ならば、異端審問官が聖職者間の権力争いにおいて非常に微妙な役割を果たす、ということを知っていたとしてもおかしくない。部屋を訪ねた女が仄めかしているのは、正にそういうことだった。

「しかし閣下、このようなことを提案しておきながら心苦しいのですが、私としても閣下の潔白を確かめておきたいのです。無論、アイオーン信仰には関与していらっしゃらないと信じておりますが他の……そう、例えば邪教の儀式に携わっているか、否か」

サロメ >  
「──成程、貴殿の立場もあるだろう。了解した」

これ以上藪を突かずとも良いだろう、と

「なるほど、つまり…」

目の前の女性へと視線を向け直す
遣いの者が異端審問官である理由はそっか、と理解する

「形式的なものかどうかは兎も角、
 私を異端審問にかけるということだな。
 無論、私は邪教徒などではないが…どうそれを証明すれば良い?」

ミュレス > 「ご配慮に感謝いたします」

此方の意を汲んでくれた相手に対し頭を垂れる。そして再び顔を上げて。

「勿論、形式的なものです。そしてお時間は頂きません。というのも、閣下の審問に関しては既に調書があるのです。邪教の印も、疑わしい波長の魔力も見つかっておりません。残るは」

笑みを強張らせた後、完全に消し去る。これから話すことは笑いごとではないのだから。内なる悦びを悟られてはならない。

「……肛門性交で快楽を得るようなことが無かったか、のみです」

サロメ >  
「そうか、ならば───」

不浄なる紋様を刻み込まれた事もあった
しかしそれも周囲の協力の果てに完全にレジストすることができた
今の自分の身の潔白は証明できているはず…だが

「肛…っ!?」

続く言葉にさすがに頬に赤みが差してしまった
そんな言葉が出てこようなど予想もしていないのである

「な…にを言い出すかと思えば…からかっているのではないだろうな…?」

ミュレス > 「無論です、閣下。多忙を極める御身に、冗談など申し上げるはずがありません」

 至って真剣な表情で言葉を続ける。実際に真剣なのだ。己の、歪んだ性欲に対して。

「邪教徒と対峙していると、実にこの……痛ましくも不浄なる儀式について見聞きするのです。詳しくは分かっていませんが、犠牲者の苦痛と恥辱によって魔力を抽出するのでしょう」

顔を赤らめた相手に対し、ここぞとばかりにまくしたてる。

「ご安心ください。肛門と腸内を摩擦されて快楽を覚えるなどあり得る筈がないのです……邪教の魔女でなければ、ですが。勿論御身が傷つかぬよう、細心の注意を払います。そもそもが、形式的な審問ですから……それで、如何でしょう?」

サロメ >  
「………」

つ…と、冷ややかな汗が頬を伝う

もう、王城の地下で王族や腐敗貴族達から受けた仕打ちは過去の話
しかし薬を使われ、ありとあらゆる手段で以て快楽を貪る肉奴隷にされていたのは事実
あれから時が経っていはいるものの……

「──ミュレス異端審問官殿と込み入った話がある。しばし外してくれ」

執務室のドアへと歩み寄り、ドアの向こうへと声をかけ施錠する
万全とは言い難いものの、取り敢えずこれで誰かが入ってくることはないだろう

「───騎士として不名誉な審問だが、許諾しよう」

身の潔白が証明できなければ、話は先に進まない
自分が、将軍の計画の足枷になるわけには絶対にいかないのだ

ミュレス > アルビノの女の頬が緩み、笑顔が戻ってきた。自ら扉を施錠し、密室を作った相手に頭を振ってみせる。

「閣下の忠実なる兵士は、勿論ご命令を守るでしょう。しかし突然押し掛けた異端審問官と、誰の目も耳も届かぬ所で長時間……というのは、閣下の名声に関わるかと存じます。時間を頂かないと申し上げたのは、数日も要らないという意味ですから」

 緊張している相手に頷いてみせた後、2歩離れる。

「1個人として、私は閣下を信じております。なので、審問は後日、閣下の御都合の宜しい時を待ちましょう。無論、洗礼武器や従軍僧侶の手配は予定通りに」

サロメ >  
「……了解した。
 その間の宿は此方で手配しよう」

相手の此方への配慮を感じるその物言いに、
それが形式的な異端審問であることに疑いを持ってはいない
しかし確認は大事だろう、と

「……その、肛門への…それは、ノーシス教徒ならば心得ているものなのか?」

そうであれば、自分の部下にも聖職者は大勢いる
異端審問のやり方について伺うことも可能であるが

ミュレス > 「閣下のご配慮に感謝いたします」

 微笑みと共に、先程の言葉を繰り返す。そして続く問いかけには頭を振った。

「いいえ。ですがノーシス主教のみならず、異常な性行為と邪教の儀式との接点は数多くの宗派、教義で指摘されている所です。現に、西方の大国では国教によって肛門性交を禁じております。かのおぞましい行為が邪教徒特有の行為であることには、最早疑いの余地はありません」

 嘘ではないが混じりけ無しの真実でもない言葉の羅列を披露した後、ノーシス主教の印を胸の前で切り、頭を垂れる。

「では、閣下。お会いできる日を楽しみにしております。本日はお忙しい中、お時間を頂戴致しまして……」

 決まり文句と共に扉へ半身を向け、退室の許しを得ようと。

サロメ >  
成程
ノーシスの教義については詳しくはないものの、相手は異端審問官
こうやって書筒を御用聞きする以上その身分は確かなものである
その者はこうもはっきり言うのであれば……

「んん、わかった。
 此方こそわざわざヤルダバオートからの出向き、感謝する。ミュレス異端審問官殿」

再度一礼し、先に歩んでドアの施錠を解いて開け放つ
ミュレスが退室し、その背を見送ったなら扉を閉め、
いましばらくの間、思い悩むように頭を抱えて机に座り込むことになるのだった

ご案内:「王都マグメール王城・第七師団執務室」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール王城・第七師団執務室」からミュレスさんが去りました。