2017/08/03 のログ
レナーテ > そうですねと同意するように頷きながら、負い目があるから行けないというもう一つの理由は伏せておいた。
それは森で件の少女と出逢えば、分かることだからで。

「…好きな人の傍にずっといたい事が、我儘だなんてないと思います。あの人、気づくと無茶したりするので傍にいて手綱握っておいてくれたほうが安心です」

自分に全て任せて離れると決めた時、彼は少し不安げに見えたが、時折戻ってくると普段と変わらぬ柔和な笑みを見せてくれる。
それは目の前にいる彼女のおかげだろう。
少し冗談めかした言葉を紡ぎながら、クスクスと笑いつつそんなセーブ役をお願いした。

そして、彼女に問いかけるのは国の人々について。
耳と尻尾を見せたのは、それを持つものがどういう気持にあるかを示すためだ。
じっと見つめる中、つぶやかれる言葉は国の決まりとしての言葉。
少し落胆したように視線を落としたが、続く言葉は、それを覆していく。
暖かく、心地よい。
その言葉が不安を解いていくが、同時に胸を締め付けられる思いで、瞳を閉ざした。

「……ルークさんも純で優しい人だから…リーゼさんがお話したいって言ったんだと思います。頑張っても、いろんなことをしても他の人が変わらなくても…その気持ちを忘れないでください」

後はあの人が全て話してくれるだろうと思えば、暗くなりそうな話はそこそこに、瞳を開くと微笑みながらルークを見つめる。

「あの組合長が妙に気にかけるなと思っていましたけど…あの人の好み直撃な感じですね」

戻ってきてからの雑談の最中、なにかあるとちょくちょく彼女の話を話題にあげていたのを思い出しつつ、その顔を、格好を一瞥して微笑んでいた。

ルーク > 「………。欲を抱くことがあの方の負担になっていなければいいのですが…。」

『好きな人』とストレートに指摘されるのに、ほんの微かに琥珀の瞳が揺れる。
それは恐らく主なら気づいた変化であっただろうが、彼女が気づくかどうか。
冗談めかして笑いながらの言葉に、手綱を握ることなどできるのだろうかなんて真面目な顔で考え込んだりして。

「…私が優しい、ですか…。あの方の考え方を目にして、それに倣っている部分が大きいのだとは思いますが、集落で感じる安心感や暖かで心地よいと感じるものは大切にしたいと思います。」

優しいのは、ミレー族を想いその立場を悲しみ、その運命に抗おうとする人々だと思う。
その優しさに触れた感覚は、とても大切なものなのだと思えば彼女の言葉に素直に頷いて。

「…好みに直撃、ですか…。その、どのような感じを好まれるのでしょうか…。」

まじまじと見られて、また微かに首が傾げられる。
そして、遠慮がちに彼の好みを知っているような口ぶりの彼女に問いかけて。

レナーテ > 「……大丈夫、間違いなく負担になってないと思います」

瞳の揺れ、それが何処と無く恥じらいや照れくささと言った初々しさに感じられる。
そういうところもまた、彼の心に触れるものだと知っているがゆえに、悪戯な微笑みを少しだけ浮かべていた。

「それでも、そう思えてるのはルークさんだから…いいと思います」

彼に影響されとは言うが、影響というレベルではなく、自身の考えと感触を交えた言葉は、間違いなく彼女自身の言葉だろう。
続く言葉に小さく頷くものの、問い返された好みの話には、年頃の少女達と変わらぬ楽しげな笑みを見せる。

「弟さんからきいたまでですけど…まず、体付き。胸とかお尻とかが膨よかな感じよりも、スラッとした体付きが好きみたいですね。それと庇護欲を唆るタイプ、可愛がりたいとか、大切にしたいとか、そういうのを感じるタイプですね。ルークさんは…何だか、儚げな感じがするので、ど真ん中といった感じがします」

言葉遣いは丁寧気味だが、中身は集落の少女達と変わらぬ色恋沙汰に高い声をあげる娘達同様。
体付きと、月の様な儚く綺麗な雰囲気は、彼の望んだ者こそ好みだったと肯定するようなものだ。
他の娘づてにきいていたのか、変わらぬ笑みのまま指先を口元に当てると、言葉を続ける。

「……組合長のフェチとか、そういうのも酔っ払った弟さんから聞き出してるんですけど、知りたいです?」

先程までの真面目な雰囲気は何処へやら、楽しそうに笑っていた。

ルーク > 「…そうだと、いいのですが。あの方は、きっと負担になっていたとしてもそれを表には出されないと思います。」

きっと微笑みながら受け止めてしまいそうな気がする。
人との関わりが希薄であったため、芽生えた自我から生まれる感情や欲をどの程度相手にぶつけてよいものか加減がわからない。
大丈夫だと、負担になっていないと第三者である少女に言ってもらうのにどこかほっとした様子が滲む。

「そう思っているのは私…。」

彼女の言葉を反芻するようにつぶやきが溢れる。
初めて集落を訪れたとき、ミレー族のあり方に疑問を呈し行動を示した彼の考え、意志に添う事が従者としての務めだと思った。
けれど、集落でのミレー族のあり方は駒として生きてきたルークのあり方に一石を投じ、組合の少女たちと関わる中でその安心感に触れた。
彼女たちに笑っていて欲しいと思うのは、主がそう思うからだけではなくルーク自身の願いに変化していた。

「……その、体型などについては直接あの方からお言葉を頂いたことがありましたが…。」

柳のような、月明かりのような女性が好きだと彼から贈られる言葉が世辞の言葉ではないことが彼女の言葉で裏付けられて、胸の奥を擽られるような心地になる。
頬が染まるまではいかないまでも、視線が先程よりも明らかに彷徨うようになり照れているのが伝わってしまうかもしれない。

「………。フェチ、ですか……。…………可能であれば、把握しておきたいと、思います…。」

落ち着いた雰囲気で丁寧な口調だが、なんだか組合の少女たちと話しているのと変わらない気がしてきた。
ふふ、と楽しげに口元に指先を当てながら彼の嗜好に興味を抱かぬはずがなかった。
逡巡するように瞳が彷徨ったあと、頬が微かに染まりながらそう答え。

レナーテ > 「寧ろ、甘えられる方が好きそうなので、ベタベタにくっついていいと思います。念話の時、凄かったっていってましたから、そんな感じで」

それだけ日常のストレスが強いともいえるだろう。
だが、彼女が常に傍で癒やしてくれるなら、それはまさしくお互いに満たし合ういい関係だろう。
念話の話をネタにフリながら冗談を告げると、ホッとした様子に柔らかに微笑んだ。

「ふふっ、直接きいてるなら尚更ですけど珍しいですよね? 造形美が綺麗なのが好きだって、細い感じが好きみたいですからね」

照れていく様子が仕草から確実に察知できるようになれば、クスクスとその様子を微笑みながら見つめる。
続く問いかけには、聞きたいと素直な言葉が変えれば、恥らう仕草に、珍しくにんまりとしたほほ笑みを浮かべながら、得意気に語り始める。

「恥じらう顔とか仕草が好きらしいです、あと極端なのが好きみたいですね。凄く艶やかな下着姿も好きだけど、逆にとても子供っぽくてお人形のようにふわふわの格好とかも、見てて好きらしいです。その他にも…」

恥じらう彼女に知る限りの情報を語っていく。
最初の目的よりも長話になるであろう趣味趣向の話は、深夜を過ぎても続き、しばらくしてから今宵の執務室を後にするだろう。

ルーク > 「ね、念話は…その、慣れていなかったので思考が念話に混ざってしまっていたようで…。」

ベタベタにくっついてもいいと、念話のときのことを持ち出されるとその時のことを思い出して恥ずかしさがぶり返してくる。
思っている事がそのまま相手に筒抜けになってしまった居た堪れなさといったら…。

「グラマラスな方が、生殖活動を行う上で有利だと判断されると教わったことがありますが、その考え方からすると男性のお好みとしては珍しい、のでしょうか…。」

彼女の言葉にそう答えながらも、無意識に手が胸元へといく。
彼がグラマーな女性が好みであった場合、完全に範疇外になったであろうことを考えると、少し他の男性とは違った好みであったのは運が良かった…のだろうか。

「…恥じらい、ですか…。極端なもの…そういうのが、フェチというものなのですか…。」

恥じらいの表情や仕草が好きらしいというのは、思い返せば納得がいくことがあるのか頬が赤らんでいく。
彼の好みを語ってくれる彼女の話一つ一つに時間も忘れて聞き入り記憶にしっかりと刻んでいく。
それが実行できたかどうかは、また――別のお話。

ご案内:「王都マグメール 王城」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からルークさんが去りました。