2017/07/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にイヴリンさんが現れました。
イヴリン > (肇国節の祝宴も、ついに今宵限り。
何処からともなく華やかな音楽が聞こえてくるものの、祭は終焉を迎えつつある。

そんなハレの日の賑わいからは遠い庭園の一角、四阿を目指して、
憤然と硬い表情で歩を進める、一人の少女の姿があった。
寝間着の上から羽織った青いストールを胸元で掻き合わせ、
もう一方の手には一通の封書を、力いっぱい握り締めて。

『供の者を連れず、おひとりで御出でなさい』

差出人の署名もない怪しげな書簡の、そんな指示に従う義理はなかったが、
下手に供の者を連れて行って、怯懦を笑われるのも業腹である。

『おひとりでいらっしゃった場合のみ、素敵なプレゼントを差し上げます』

暗に、行かなければ不利益になる、と云わんばかりの誘い。
警戒は勿論すべきだろうけれど、ここも立派に城内である。
本当に怪しい人物ならば入れないだろう、と考える、
少女の世間知らずを指摘してくれる誰かは、残念ながら居ない。

目指す四阿の数歩手前で立ち止まって、辺りに人影らしきものを探す。
闇に目が慣れてくるまで、もう少しかかりそうだった)

イヴリン > (しばらくその場に留まってみたけれど、人が来る気配はない。

からかわれたのか、それとも差し出し人に何か、
不測の事態が起こったのか。
いずれにしても、少女は生来、気の長いほうではなかった。
静かな庭園の片隅でぼんやり佇んでいるうち、眠気も襲ってくる。)

……もう、良いわ。
失礼な人、…呼びつけておいて現れない、なんて。
やっぱり、誰かの悪戯だったのかしら。

(だとすれば一番怪しいのは、今日、身のまわりの世話に当たったメイドだろうか。
明日の朝一番に呼びつけて、たっぷり嫌味でも云ってやらねばならない。

そんな考えを頭の中で転がしつつ、少女は自室へと戻って行く。
握りつぶした手紙は、部屋へ戻ると早々に屑籠の中へ。
ベッドへ潜りこんで目を瞑る頃には、そんな手紙の存在など、
すっかり少女の頭から拭い去られて―――。)

ご案内:「王都マグメール 王城」からイヴリンさんが去りました。