2017/07/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にレナーテさんが現れました。
レナーテ > 城で宴が行われる中、存在の主張ということも兼ねてなのか、麓にいた魔法銃士隊と剣士隊から数名ずつ選抜され、王城の警護にあたっていた。
それを率いるように命じられた彼女は、気の抜けぬ王都での任務に、いつものような真面目そうな顔で指揮をとる。
二人一組で必ず動くこと、明らかに危うい敵と出会ったなら信号弾を放つ。
屋内なら、思いっきり音を立て、異変に気づかせること。
そうして警護が始まると、既に深夜に差し掛かっていた。

「……風が生ぬるくて嫌です」

ぼそりと、王城の庭を見下ろせる塔の中で呟いた。
自分達の持ち場はこの周囲の警護、そこらを歩き回る仲間たちを単眼鏡で時折確かめつつ、じっと庭を眺め続けるだけの退屈な時間だ。
女を連れて宴を抜け、庭の中で始めてしまうのを遠目に見てしまったり、酔っぱらいが他の少女にちょっかいを出して、やんわり断るのを見ていたりと、破廉恥な事も交じるほどに騒がしい。
傍らには、交替で睡眠をとる仲間の少女がケープにくるまって眠りこけている。
ちらりとその様子を見やりと、涎を垂らしながらもぞもぞと動く様子に子供を見るような心地で微笑みながら口元を拭ってやると、ケープのズレを直していく。

「何もなければ……いいですが」

今のところは何事もない、この国にしては平和な夜だ。
それがただ続くように願いながら、目を細め、夏の花に彩られた庭を見下ろす。