2017/07/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にイゾルデさんが現れました。
イゾルデ >  
食事の振る舞われる中庭、
大人達に混ざって白い装いの少女の姿があった

周りの人間達はそのことを特に疑問に思うでもない素振りをみせ、
ある意味ではそれが逆に不思議な雰囲気を場に与えている

ふと、貴方と目が合うと少女は一瞬だけ驚いたような表情を見せる
しかしすぐさまにっこりとした笑みを向けて小さくその手を振った──

顔見知り、というわけではないだろう
ただただ、貴方のことを『見知っている』だけかもしれない

サタン > あちらこちらで肇国節の祝いの席は行われている。
一息ついていたこの中庭も同様に。

煙草を燻らせながら何気なく眺める宴の席。
大人達に混ざった白い装いの少女。

記憶にあるわけではない。
ただ少女は此方を見て手を振った。
ほぼ全ての魔力を封じ、気配を隠してはいるはずだが
此方を知っている『らしい』ならば同族だろうか。

宴席の場に向かいはしないが、燻らせた煙草を僅かに灰に還しながら、男はその少女に向けて小さく手を振り返し、応えた。

イゾルデ >  
しばらくすると少女はグラスを片手に、サタンの元へと歩みを進める
やがてすぐ側までやってくると、再びにっこりと微笑んで

「こんばんわです」

普通の挨拶を交わす
そして言葉を止めると、じぃっと顔を見上げて──

「お仲間……ですよね?」

小さな声でそう囁く

サタン > この時期でなくても城内に入り込んでいる同族の存在は聞いたことがある。
ましてや肇国節で一般にも開放されているなら、入り込む隙など幾らでもあるだろう。

先ほど目合わせた少女がグラス片手に歩み寄って来るのを
男は丁度、煙草が灰になり、口許から離し掌の中でほんの僅かだけ魔力で其れを塵一つ残さず燃やし尽くした。

聞えてくるのはあくまでごく普通の挨拶だったが、続く囁きに、男は一度双眸を瞬かせ。

「こんばんは、お嬢さん。
お仲間、というなら君もこちら側の存在か。
宴は愉しめているかい?」

普段の尊大で硬い言葉ではなく、あくまでの表向きの姿として、何気ない問いを少女へと向けた。

イゾルデ >  
「ふふ、やっぱり結構いるんですねー。
 随分うまく化けているみたいで、ちょっと不安だったですけど。
 ええ、美味しいお食事や賑やかな雰囲気、楽しいです」

くすりと笑みを向ける
どうやら相手が魔族であるという確信はなかったようで

「本来は私なんか、ココには入れないんですけど、
 そうやって普通にしていられるってことはすごい人ですね…?」

言いながら、手首にちゃらりと光るアクセサリを見せる
どうやれこれで王城の退魔用結界を抜けているようで、
自分が随分と下級の魔族であることを教えるように──

本来ならば不敬ものなのかもしれないが、それは今はお互いに人の身を装っている状態
それに合わせるようにして、この少女も普段の物言いや所作ではないのだろう

サタン > 旨く素性を隠蔽しているとは言え、同族相手には感づかれているらしい現状には、もう少し素性を隠す手段を追加しておこうと検討案を考えよう。

「賑やか、か。
まぁ、食事や酒などは貴族達が自身の財力やら権力をひけらかす為の道具であろうしな。
好きなだけ楽しめばいい。」

お陰でこちらもそれなりに儲けているのだからと。

「あぁ、私も普段は近寄らないのだがね。
なにせ魔力を封じて気配も隠してと面倒だからな。」

右手中指に嵌めた指輪でそれらは賄えるのだが、やはり圧倒的な制限が掛かる上、加護の影響も有り長居したいとは思わない。

「まぁ、肇国節の間ならば我々がここに居ても、そうそうバレはしないだろうが、ほどほどにな。」

男の素性はとりあえず隠したまま、一魔族として同族に一応の警鐘は告げておくことにした。

イゾルデ >  
「そうそう、そういった貴族が集まるですし、
 こちらで遊ぶ為のパトロンなんかいないかなって探してみているんですけど」

なかなかいないですね、と笑う
先程までとは違った、どこか少女らしさを感じさせない狡猾な笑み

「もちろん。
 捕まって不自由にされるなんて、お断りですし」

ほどほどに、と言われれば素直にそう答えて…

「ところであちらには混ざらないのです?」

そう言いながら少女が視線を移す先は…、
盛り上がりを見せ始める、退廃的な宴を行う一角だ
離れているとはいえ何をしているかははっきりとわかる上に、声も多少なりは聞こえてくる

サタン > 「パトロンか。それならば王城に潜り込んでる同胞辺りが
情報など持っているとは思うが。」

問題はその同胞を見つけ出すのが聊か面倒な事か。
なにせ同様に気配を隠し、この城の中に紛れ生きているのだ。
男以上に周到に隠蔽されていれば、見つけ出すのは中々骨も折れよう。

一応の警鐘を素直に受け容れたのならそれで由と判断し
少女が視線を移した先の『宴』に男は溜息を一つ零した。

「――あまり好みはしない宴だな。
こんな連中相手に戦をしているのだと思うと、馬鹿馬鹿しくなってくる。」

退廃極まりない醜悪な宴は昨夜もそうであったし、あちらこちらで行われている。
いっそこの場で指輪を外して暴れてやろうかなどと刹那思うも、無意味過ぎると諦め、スーツの内ポケットに手を忍ばせれば、もう一本煙草を取り出し、燐寸で火をつけて燻らせた。

イゾルデ >  
「普段から潜んでるのもいるですか…?
 命知らずというか、なんというか──」

捕まってしまったらどうするのか、
それともそれを恐れないぐらいに強い魔族なのだろうか
自分などではとても考えられない

「そうなんですか?潔白な方なんですねー。
 こと、俗な文化に関してはこちらの住人は天才的だと思うです」

くす、と零した笑みはどこか妖艶な、
少女から僅かに淫魔の気配が漏れ出る
こういう部分も含めて、まだまだ未熟な魔族であるとわかるだろうか

サタン > 「そりゃ居るだろうさ。
素性を隠す手段など幾らでもあるし、なんなら人間を洗脳するなり支配するなり、子を孕ませて尖兵にするも良し。
結界があったとしても、人間の欲は果てない物だ。
そこを擽れば、こちら側に靡くのも容易い…。」

王族や貴族、騎士や名のある商人など探せばそれらの何処にでもいるだろうと、男は推測した。

「――あぁ、まったくというか…それには同意するな。
とはいえ、そんな俗な宴が好きな連中だ。
あの阿呆のように腰を振ってる奴などそこそこ資産もある貴族のようだし、君の魅力で堕としてやれば、パトロンの一人にするなら容易い相手だと思うぞ?」

零した笑みが宿す妖艶さ。
少女の身でありながら淫靡さを含んだ其れを見て、恐らく淫魔の出かと察し取った。
微かに気配は漏れはしたようだが、なにせ目の前の宴は淫猥さを隠す気もないのだ。
微かな少女の気配など感じ取れる者は誰一人居らず。
どうやら宴に混じった男の中にはそれなりに名のある貴族も居る様子。
男は混じるつもりもないが、少女の目的の一つを解決するにはうってつけの相手のはずと
宴の輪の中で盛った犬のように腰を振りまくる貴族を教えてみた。

イゾルデ >  
「………」

じぃー…っと前に立つ男の顔を見上げて…

「…あ、もしかしなくても偉いヒトだったですか…?
 もしかして失礼なこと言ってたりする気が」

何やら大物のような物言いに若干尻込みする少女
やっちゃっただろうか、というような表情

「え、あ、あー……。
 こうみえてグルメですのでー、美男子の貴族がいいです、みたいな…?」

確かに性欲は強そうだが、あまりあの場で盛っているような男は趣味ではないらしく

サタン > なにやらじっとこちらを見上げ眺める少女の視線を受け
続く言葉には、クスと声を鳴らして微かな笑みを向けた。

「あぁ、その辺は気にする必要は無い。
ここでは私はただの一交易商人に過ぎん。」

やってしまったという表情浮かべる少女に対し
男は徐に薄紫の髪の上に掌を添えると、軽く頭を撫でるようにしてみせた。
同族相手にはどうもこの魔王は優しい傾向がある様子。
しかし、おすすめ物件だった貴族はどうにも少女の食指が動かぬものだったらしく、丁度良い物件を宴に混じる貴族達を眺めてみたが

「――中々、美食というのも難儀かも知れんな…。」

少女の言う美男子貴族という存在とは程遠い、所謂残念な肥え太った豚系貴族ばかりだった。
豚の盛りなど見るに絶えず、男は宴の輪から視線を背けた。
そして煙草を燻らせ灰にした。

「まぁ…肇国節の間ならそこら中で盛っているであろうし、良いパトロンが見つかる事を祈っておくとしよう。」

王城も王都も含めての祭りだ。
きっと良い物件とめぐり合えるだろうと、心内願いつつ
男はその後少女と軽い談笑を交わし、別れて帰路へとついた――

ご案内:「王都マグメール 王城」からサタンさんが去りました。
イゾルデ >  
頭を撫でられ目を細める少女

成程、ここでは…という言葉も含めて
相応の器を持つ魔族であることは確定と思って良さそうだった

見た目異常に打算的な思考を頭の中で巡らせる少女
人間界でうまくやっていそうなこの男に取り入るのも選択肢の一つか、と

談笑を終えて立ち去る背中にじぃーっと視線を送っているのだった

ご案内:「王都マグメール 王城」からイゾルデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 宴会場」にエインセルさんが現れました。
エインセル > 円錐帽子の小さな少女は、一日中心の底からご機嫌だった。
噂を聞いてやってきた王城の宴会は、どうやら無料で食べ放題らしい。
そうとなれば、いつでも腹ペコな少女は俄然食い気を表に出して。
沢山あった料理を片っ端から綺麗に平らげていくという芸当を見せていた。

そしていつの間にか始まるのは大食いコンテストのような何か。
目立つ心算はなかったのだが、いつの間にか壇上へと押し上げられて。

「え、っと……ん、いっぱい食べれば、良いの?――頑張る!」

やる気十分に試合開始――したのが、二十分程の前の事。
試合終了の後、計測の結果は少女の圧勝。二番手との差が大皿三枚程度という結果だった。

優勝賞品などは特にないため、一頻りの挨拶の後に壇を降りる。
程よくお腹を満たした少女は、序にお祭りの散策をすることにして、てくてく歩きまわるのだった。

エインセル > そこかしこでひょいぱくとつまみ食いをしながらのお祭り散策。
大食い大会でおなかいっぱいだったはずなのに、もう次が入る状態へ。
特に甘味は完全な別腹、どれが美味しいかな、とタルトを一つずつむぐむぐ。

「んっ、これもおいしいし、あれもおいしいし……♪」

もぐむぐ、むぐ、もぐ。小さな黒づくめの少女は、幸せそうに甘味の皿をきれいに平らげていく。

エインセル > しっかり料理を味わい終われば、少女はひょっこり、会場を後にする。
残っていて、因縁つけられて変なことをされても問題だ。
処世術として、危ういところからは早々に逃げる。

こうして少女は、ふらりといつの間にかいなくなっていて――。

ご案内:「王都マグメール 王城 宴会場」からエインセルさんが去りました。