2017/07/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 バルコニー」にベアトリーチェさんが現れました。
ベアトリーチェ > 賑やかな、華やかな、祝宴の場から洩れ出す灯りが、
石造りのバルコニーへ柔らかな光の帯を描いている。

日中の陽射しの名残か、両手で触れた手摺は仄かに温かく、
ヴェール越しの頬や首筋を擽る夜風も、何とも言えず生ぬるい。
其れでも、宴の場へ身を置くよりは、此処へ逃げ込んでいる方が、
ずっと、ずっと、気楽に思えた。

此処に留まっていたのでは、態々使者を立てて己を此処へ連れ出した、
父の思惑を満たすことは叶わぬであろうけれど――其処までは、知らぬ。
使者は取り敢えず仕事を果たした、父は娘を祝宴の場へ引き出した。
此れ以上は、付き合う義理も無い筈のこと。
美しいドレスで着飾らず、常の侭の修道衣で訪れたことを、
不作法と誹られる謂れも、無い。

兎に角ももう少しは、此処に居なければならない。
宴の場で杯を傾けている父が、もう少し酔ってしまうまで。

ベアトリーチェ > ―――――どのぐらい、そうしていただろう。

ふと、背後の硝子扉が開く音が聞こえた。
振り返れば先刻、己を迎えに来た使者の男が、おどおどと一礼を向けており。

「どうしました、…ああ、もしかして」

とうとう、父が酔い潰れてしまったのか。
只管に恐縮する使者の前で、己は控えめに、けれど明らかに表情を緩ませる。
バルコニーの手摺から身を離し、彼の方へ、というより、開かれた扉の方へ足を踏み出して。

「……其れなら、もう、私も帰って構いませんわね。
 良かったわ、今から帰れば、就寝前のミサに間に合います」

其れは、困ります、と気弱そうな男が言ったような気もしたが、
敢えて黙殺して脇を擦り抜ける。
彼の身分では、己の身体に直接手を掛け、引き止めることは許されない。

宴の場は先刻よりもずっと砕けた――有り体に言えば、猥雑な状態に陥っていた。
関わり合いになって得をする人種とも思えず、自然眉根が深く寄る。
彼らの誰とも目を合わさず、修道衣の裾を翻して立ち去り――――。

ご案内:「王都マグメール 王城 バルコニー」からベアトリーチェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 宴の外れ」にイゾルデさんが現れました。
イゾルデ >  
身につけた、退魔の結界を通り抜けるアミュレット──
貧民街で手に入れたその胡散臭いアイテムの効果時間が如何程か…

そんなことはまったくといって良いほど考えず、
小さな淫魔──といっても人間にしか見えない変装はしているが──はただひたすらに宴を満喫していた

「ふわぁ…人間の食べ物って本当に美味しいデスね…
 栄養にならないのが残念なぐらいデス…」

祝宴、人混みからは外れた、壁際の椅子へと座ってそんな感想を漏らす

王族が振る舞う宴の食事は当然のようにレベルが高い
すっかりお腹も満腹になってしまった

──といってもあくまで食欲が満たされているだけ、
淫魔として、本質的な食事とはいえない

イゾルデ >  
「(にしても……まともな宴やってるトコのが貴族とか王族は多い感じするデスね…)」

正直平民達がこぞって集っているものと思っていたが、
なかなかどうして、綺羅びやかなドレスや燕尾服の美男美女も散見されるではないか

「(地下でやってた宴はブタとデブとハゲばっかりだったってゆーデスのに)」

むふーっと溜息をつきながら、人混みと遠巻きに眺める
いっそここでフェロモンを撒き散らしたらどうなるだろう、と考えては見るものの、
地下とはワケが違い、多分バレて、多分捕まる
オープンな祝宴の場だけあってあたりを見渡せば屈強な兵士があちこちに立っているもの

イゾルデ >  
「(おっ、あの貴族っぽいヒト、いい顔してるデス。
  ……でもなんか腰細すぎデスね。肉喰ってるデスか、なんかトロルのローキックで折れそうデス)」

ああいうのはいまいち好みではない
ちょっと吸い取るとすぐに死にかけてしまいそうだ
やはり顔も大事だけれど男は体力が資本なのである
なにせ体力は性欲にも直結する…大事なのだ

「(性欲だけなら昨日のブタデブハゲ達は最強だったデスけど…)」

天は二物を与えないものなのデスね、とひとりごちて、
隅っこの席でお皿にたっぷりとってきた料理をもぐもぐしているのだった

イゾルデ >  
こうやって眺めているとそうそうお眼鏡に叶う相手はいない

顔が良くて、タフで、お金持ちで──

欲張り過ぎなのは明らかだが、
せっかくアイテムを入手してまで王城に入り込んだのだ

「(…やっぱり最低でも金持ちデス)」

人間の街を遊び歩くにはやはり金銭は必須であるらしい、
ということを以前会った、人間の世界での生活に為れた魔族から聞いたある意味最も有益な情報だ

いい感じのお金持ちを見つけて…自分の虜にしてさえしまえば後は楽なものである