2017/07/09 のログ
■ミリーディア > うっすらと目を開く、月の傾きを確認すれば…頃合だと分かった。
体を上下に揺らし、その勢いで体を起こせばベンチから立ち上がる。
「本当に面倒な話だ…やはり、世の中と言うのは都合良くいかないものだな。
果たして、儂が食べれそうな料理が残っているのかどうか…」
軽く首を左右に揺らし、手足を動かしと体を解す。
そうして、廊下へと向かう。
微風がローブを、スカートを靡かせ、少女は姿を消していった。
ご案内:「王都マグメール 王城」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」にカタナさんが現れました。
■カタナ > 肇国節――本来、王城とは全くの無縁、平民でも城に合法的に出入りできるお祭り騒ぎ。
その裏で権謀術数が渦巻くのは承知しているが、男にとってはむしろ渡りに船。
これを機に何処かの貴族なり王族なりに取り入り、仕官先を確保――と、いう当初の目的は後回し。
普段、まず味わう事の無い上等な飲み物、食べ物、そして甘味。それらを堪能して…。
(…祭は嫌いではないが、こう腹に一物あるようなやり取りの応酬は苦手じゃなぁ)
と、いう訳でさっさと撤退を決め込んだ。一時の避難場所に選んだのは王城の一角にあるバルコニーの一つ。
備え付けのベンチへと腰を下ろし、差していた刀は一度外して肩に立てかける様に。
「…やれやれ、腹は膨れたが…仕官先を見付けるのは難儀しそうじゃのぉ」
苦笑交じりに呟く。それこそ、形振り構わなければ、選り好みしなければ幾らでもあろう。
だが、だからこそ、だ。仕官するなら気に入った所がいいという最低限のラインは崩したくない。
心地よい夜風に白黒の斑模様の頭髪を靡かせながら、さてどうしたものか、と。
「……まぁ、焦ってもしょうがない…まだまだ祭は始まったばかりじゃ)
■カタナ > 「…とはいえ…意外と儂は名前が知られておったのじゃな…うぅむ、意外というか予想外じゃて」
はて?と腕を緩く組んで首を傾げる。この国に住み着いておよそ100年近く。用心棒稼業で名が通ってきた?
いやいや、たかが異国風の用心棒一匹、貴族の目に留まる理由が思いつかない。
異質な能力も無く、魔術は魔力の欠片すら無く扱えず、となれば矢張り…。
「飯の種である剣の腕前を買われている、といった所か…悪い気はせんが…。」
いいように駒にされる、というのも面白くない。金が貰えれば仕事は幾らでもこなす。
が、自分が満足出来なければ…充足を満たせなければ長続きなぞしないだろう。
薄っすらと片目だけを開いて緋色の瞳で宙を見上げ。慎重に相手を選ぶ…疲れそうだ、色々と。
「…あー止めじゃ止め!考え過ぎて頭痛がしてくるわい」
グイーッ!と両腕を伸ばして伸びをしてからベンチの背凭れに深く背中を預ける。流石王城のベンチ。座り心地が地味に良い。
■カタナ > 「……む…?いかん、少しウトウトしてしまったかのぉ」
気が付けば舟を漕いでいたらしい。首をコキリと鳴らしながら、ちらりと中の方へと視線を走らせる。
相変わらず祝宴は続いている…どれだけ賑わっているやら。とはいえ、何度か今後も足を運ぶ事になりそうだが。
「…まぁ、仕官先云々は別としてもタダ飯且つ美味い食事にありつけるのは有難いものじゃて」
と、セコい事を呟きながら小さく笑う。元より仕官先がそう簡単に決まるとは思っていない。
幾らそこそこ名が知られているとしても、ただの一介の用心棒でしかない。
「しかし、独りで管を巻いているのも退屈じゃのぉ…誰ぞ別嬪さんでも来ないものか」
ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」にレヴィさんが現れました。
■レヴィ > 普段とは違う急ぎと言う護衛仕事に金額に釣られて受けたのが昼間。
それからずっと退屈な祝宴を隠れながらに料理をくすねながら続けていたがついにも我慢の限界が来る。
一目を避けるように会場を抜けしくすねた料理を片手に一度高い場所に上がり人の目がなさそうな所を探し。
丁度いいバルコニーを見つければそこをめがけ飛び降りる。
勢いのままに飛び降り大きな音を立て着地すれば笑みを浮かべ。
「脱出成功ッス、後は適当にサボって終わりに顔でも出しておくッスか」
まさか着地をした直ぐ近くのベンチに誰かいるなど思いもせずに息を吐き周囲を見回す。
■カタナ > 「……おや、噂をすれば何とやら…じゃな」
瞳は変わらず閉じたまま、顔だけをそちらへと向ける。音と気配からして上から飛び降りてきたらしい。
常に瞳を閉じている男は、例え目を閉じていても残りの五感が研ぎ澄まされているので状況は正確に把握出来る。
「これまた面白い登場じゃなお嬢さん。生憎とここにはジジィしかおらんがゆっくりしていくといい」
と、見た目どう見てもやや小柄な青年にしか見えない男は、闖入者とも言える少女に暢気に声を掛けて。
■レヴィ > 誰も居なさそうという油断から警戒心なしで周囲を見回して。
そんな時に声を掛けられてビクっと驚いたように身を震わせし背を向け。
「あ、あはは。いたッスね。急なお邪魔するッスよ」
妙に似合う年寄り言葉を使う青年の姿に驚きながらも注意をさせる事が無い事に同じサボり仲間なのかと見て。
ゆっくりと言われるからには大丈夫だろう、そう考えて歩み寄り。
青年の隣に腰を下ろせば一息つき、追い払われなかったお礼とくすねてきたサンドイッチの入った籠を向けて進めてみる。
■カタナ > ビクッと身を震わせる少女を楽しげに笑み交じりに眺めていよう。
彼女がさほど警戒していなかったのもあるだろうが、男の気配が常時薄いのも一因だろう。
少女の独特の口調は興味深いけれど、男も中身はジジィなので口調は年寄り臭い。つまり人の事はどうこう言えない。
「いやいや、こちらも暇していた所じゃし構わぬよ。…で、お嬢さんも祝宴から抜け出してきたクチかの?」
暢気な笑みは崩さずに尋ねながら、隣に腰を下ろす相手を瞳を閉じたままで観察する。
見えては居ないが大体分かる。衣擦れ、足運び、匂い、纏った空気…判断材料は無数にある。
「…おぉ、これは有難いのぉ。では頂くとしよう」
サンドイッチの籠を向けられれば、笑み交じりに小さく頭を下げてから一つ籠の中に腕を伸ばして手に取ろうか。
■レヴィ > 飛ぶ前に気配を探った時には誰もないかったはずと人がいた事に驚きを隠せずに青年をつい観察をしてしまい。
そのお陰でこの青年が不通に比べ気配が薄い事に気が付く。
「そうッスか?それなら遠慮はしないッスよ。そうッスね、私は警護だったッスが暇で抜けてきたッス」
陽気な笑みを浮かべる青年に人懐っこい笑みを向けてそんなところと答え。
近づいていけば布擦れの音を殆どに立てず、間合いを図るような足取り、冒険を生業とするには少々強く香る血の臭いなどを青年に感じさせ。
「せっかくのサボり仲間ッス。遠慮せずに食べるッスよ。ワインもあるッス」
サンドイッチを取る青年に酒もあると進め、二本くすねた一歩を青年に。
もう一本は自分と栓を抜けば直接に口をつけて一口、その後にサンドイッチを楽し気に口に運んで。
■カタナ > 彼女の気配察知に引っ掛からない程度には気配が薄い。だがそれは存在感が無い、という訳ではなく。
長年の鍛錬と実戦の積み重ねで自然と気配を薄めている…つまり無意識の所業で。
流石に、この距離ともなればあちらも男の気配が常人より薄い事に気付いただろう。
「うむ、変に遠慮されるよりその方がこちらも気楽で良い」
男からは血の匂いは実際にはしない。が、数多の修羅場を潜り抜けた者特有のソレは消そうとしても消しきれない。
少なくとも、只者ではないという指針くらいにはなるかもしれず。
とはいえ、件のその男はやんわりとした笑みを浮かべたままの自然体だ。
「サボり…とは厳密には違うがのぉ。儂の目的は仕官先を探す事じゃし。まぁ、あながち間違いでもない、か」
祝宴は良いが、貴族連中の腹の探りあいの空気にウンザリしていたのは事実。
サンドイッチを軽く頬張りつつ、ワインの酒瓶を一本受け取れば、片手で器用に栓を開けてラッパ飲み。
「んぐ…んぐ…プハッ!いやぁ、やっぱり王城御用達だけあって良い酒じゃのぉ」
■レヴィ > これだけの気配が薄いのが居た事に驚きを隠せはしないが今は敵対している訳ではないので深くは考えず。
「私も気楽で助かるッスよ。城の騎士は堅物が多いから面倒ッス」
近くに来れば判ってしまう修羅場を潜り抜けている特有の空気。
一瞬腰を浮かせそうになるがそれでは失礼と腰を下ろして深呼吸し。
青年のやんわりとした笑みにこちらも笑みを浮かべて。
「仕官先を探してるってここでッスか?それなら会場で貴族に売り込まないと駄目ッスよ?」
貴族たちのくだらない自慢話や腹の探り合い、気が付けばメイドを連れいなくなっているなどを見れば警護をする気がなくなると肩を落とし。
片手で器用に栓を抜く姿に拍手をして見せて。
「酒も料理も一級ッスよ。ただ参加者が最低なのが多すぎッスね」
だからこそこうしてサボり、運良く出会えた青年とこうして話す方が楽しいと本心から告げて。
ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」にカタナさんが現れました。
■カタナ > 無論、気配があるだけまだマシだろう。男はその気になれば気配を隠蔽できる。
気配を遮断するのではなく、周囲に紛れ込ませるという迷彩…それが男の気配の消し方。
この時点では勿論披露する意味は全く無く、ただ気配が薄いだけだが。
「…まぁ、堅物なだけマシじゃろ。王城内部も風の噂では割とガタガタじゃと聞いておるが」
一癖も二癖もある連中が犇く魔窟…王城だからこそ、面倒な事もあちこちで水面下で進行していよう。
それを感じ取れないほど鈍くは無い。だがそれは自分にも彼女にも特に関係ない事だろう。少なくとも今は。
「…それじゃよ。どうにも売り込み…相手との腹の探りあい…まぁ、駆け引きじゃな。
そういうのが儂は不得手でのぉ。腕前だけ売り込めれば話は早いのじゃが」
どちらかといえば、実力至上主義の現場で輝くタイプであり、政治要素が絡むのは苦手だ。
だが、王城に仕官先を求めるとなるとどうしても腹芸の一つや二つは必要になってくる。
溜息と僅かに零してみせるが、参ったなぁ、という程度のニュアンスで然程深刻そうでもなく。
「…まぁ、貴族連中にまともなのは…一握りじゃろうなぁ」
何を以ってまともと判断するかは人それぞれとなろうが。ワインをちびちびと飲みながら苦笑気味に。